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寝る前の塩辛い食べ物は睡眠を妨げるかも知れない

Salty Foods Right before Bed Might Disrupt Sleep

By Lisa Rapaport

Medscape   2021.10.08

 

ピザやフライドポテトなどの特定の物を食べると夜に眠れなくなる場合は、これらの食品に大量の塩が含まれているために睡眠リズムが乱れている可能性がある。

 科学者達は年中年もの間、高血圧、心臓発作、脳卒中の危険率が高まるため、塩辛い食べ物の摂取を制限するように人々にアドバイスしてきた。幾つかの研究は高血圧を不眠症や他の睡眠障害の危険率増加に関連付けている。

 マウスでの新しい研究は塩辛い食べ物が血圧を上げることによって間接的に睡眠の問題に寄与するのではなく、調節睡眠に影響を与える可能性があることを示唆している。

 エンドセリンに関する第17回国際会議で事実上、提示された調査結果は、高塩摂取量が身体活動および概日リズムまたは生物時計を管理する視交叉上核として知られている脳の領域の活動にどのように影響したかについての研究からのものである。

 通常、この領域は日中はより活発で、夜はそれほど活発ではない。このパターンは健康的な睡眠と覚醒のサイクルに沿っており、ぐっすり眠った後、良く休んで朝起きやすくなる。

  この新しい研究では、食事が塩分を多く含んでいるかどうかにかかわらず、マウスの身体活動レベルはほぼ同じであった。しかし、高エネルギー密度を与えられたマウスは通常の食餌を与えられたマウスよりも夜間の視交叉上核におけるニューロンの興奮性が高かった。夜のニューロンの興奮性は体内時計を混乱させ、睡眠をより困難にする可能性がある、と著者らは結論付けた。

 動物実験の結果は、人間では治験では持ちこたえられないことが良くあるが、この場合は遠い道のりである。そして結果はまだ独立した専門家達によってレビューされていない。

 それでも調査結果は、人々がどれくらいの塩を食べるかを考えるもう一つの理由を提供する。アメリカ食品医薬品局によると、アメリカ人は毎日平均約3,400 mgのナトリウムを食べている。これは推奨される1日当たりのナトリウムの最大摂取量である2,300 mg、または小さじ1杯の食卓塩をはるかに上回っている。この塩のほとんどは包装され調理された食品から来ている。