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疾病予防管理センター:アメリカの90%は塩の摂り過ぎ

CDC: 90% of Americans Consume Too Much Salt

By Catharine Paddock

Medical News Today 2016.01.08

 

10人のアメリカ人のうち9人はナトリウムの推奨値上限以上を摂取しており、そのほとんどは食事中の塩から来ている。過剰なナトリウムは血圧を上昇させ、心臓発作や脳卒中を含む心臓血管疾患の危険率を上昇させる。

 と最近発表された疾患率と死亡率の週間報告書で疾病予防管理センターからの報告書は結論を下している。

 

 報告書はアメリカの子供の90%、大人の89%は年齢、人種、性別あるいは高血圧に関わらず食卓で食べ物に加える塩を除いてナトリウムの推奨値上限以上を摂取している、と述べている。

疾病予防管理センター長のトム・フリーデンは次のように言う:

10人の大人や子供のうち9人がまだ多くの塩を摂取していると言う結果は警戒しなければならない”

 アメリカ人の2015 – 2020年の食事ガイドラインに記載されているように、上限値は、14歳以上の人々は1日当たり2,300 mg以下のナトリウム(茶さじ匙1杯の塩に相当)摂取量で、それより若ければこれより少なくしなければならない、と述べている。5年毎に改定される食事ガイドラインは最新の科学的エビデンスに基づいている。そのエビデンスは明らかに次のことを示しているとフリーデン博士は言う。“食事中のナトリウムが多すぎることは高血圧を発症させ、それは心疾患や脳卒中の主要な危険因子である。”

 成人アメリカ人の3人のうち約1(7千万人)は高血圧で、彼等の半数だけが治療中である。心疾患や脳卒中は他の死因よりも毎年多くのアメリカ人を殺す。他の心臓血管疾患と共に、それらはアメリカで毎年80万人以上の命を奪い、年間約3,200億ドルの保健費用を費やし、生産性を失っている。

 

‘製造食品やレストランの食事でナトリウムを減らすことが必要’

 減塩する一つの方法は塩振り出し器を遠ざけることであり、アメリカ人が摂取する塩のほとんどは包装食品、加工食品、レストランの食事から来る。フリーデン博士は次のように主張する:

“製造食品やレストランの食事中の減塩は消費者に選択肢を与え、命を救う。”

 報告書によると、疾病予防管理センターの研究者達は、15,000人以上を含む2009 – 2012年の国民保健栄養試験調査で収集した食事データから、アメリカ人はどれくらい多くの塩を摂取しているかを計算した。過剰のナトリウム摂取量は性別、人種、健康状態に関わらず全てのグループに関わる問題であることを彼等は知った。しかし、過剰の水準はグループ内で変化している。例えば、多くの男性(98)は女性(80)よりも多くの塩を摂取し、白人成人の90%は黒人成人の85%と比較して多くの塩を摂取している。

 また、塩摂取量は全ての年齢グループで推奨値上限を超えており、19 – 50歳でカロリー摂取量と共に最高である。同様に警告として、50歳以上、黒人、血圧が高いまたは高め(前高血圧)の人々では心疾患や脳卒中の危険率が高いと言う事実がある。4人のうち3人以上で1日当たり2,300 mgと言う推奨値上限よりも多く摂取している。

‘過去10年間以上ほとんど変化なし’

 過去10年間以上アメリカ人の塩摂取量にはほとんど変化がないことを新しい数字は示している、とCDCの研究者達は言う。そしてほとんどの塩は加工食品やレストランの食事のような家庭では作らない食品から来ているので、消費者はどうして減塩するかについてほとんど選択の余地がない。

国民に供給する食品中の塩含有量を次第に減らしてアメリカ人の塩摂取量を減らす必要がある、と疾病予防管理センターは言う。

 何社かの食品製造会社が自主的に製品中の塩含有量を減らし、他社もそれに従い始めたので、この方向に小さな動きが表れている、と彼等は示唆している。保健専門家達も過剰な塩摂取量を減らすように患者を指導している、とも報告書は述べている。著者の一人で疾病予防管理センターの心疾患と脳卒中予防部の疫学者であるサンドラ・ジャクソンは次のように結論している。

 “減塩は心疾患や脳卒中を予防する鍵となる部分である。減塩は全ての人々について心臓の健康を改善する達成可能で効果的な戦略であり、それを達成するために我々全てが協力して行こう。”

 疾病予防管理センターのウェブサイトは食事中のナトリウムについての情報と減塩方法のヒントを提供している。

 一方、メディカル・ニューズ・トデイも心臓発作の症状をより素早く認識する必要性があることを最近学んだ。アメリカ心臓学会誌に発表された研究である心臓血管介入は、心臓発作の症状が出た患者を素早く治療すればするほど、それだけ結果は良くなることを示し、症状と治療との時間差をなくするような方法も要求されている。