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新しいナトリウム・イオン電池技術により、将来のEVの充電は

数秒で完了する可能性がある

Charging Future EVs Could Take Seconds with New Sodium-Ion Battery Tech

By Owen Hughes

Live Science     2024.05.03

 

大容量と急速充電の両方の機能を備えた新しいタイプのハイブリッド・ナトリウム・イオン電池は、モバイル機器、電気自動車、宇宙技術に電力を供給することができる可能性がある。

 

 研究者達は数秒で急速充電でき、将来的にはスマートフォンから電気自動車まであらゆるものに電力を供給できる可能性のある新しいコイン型ナトリウム電池を開発した。

 科学者達は従来の電池で使用されている陰極材料と、非常に高速でエネルギーを貯蔵および供給できる電池であるスーパキャパシタの陽極を組み合わせることで、高容量と急速充電の両方の機能を備えた新しいタイプのナトリウム・イオン電池を開発した。

 彼等はリチウム・イオン電池の代替として宣伝されているナトリウム・イオン・エネルギー貯蔵の現在の限界を克服する方法を模索しており、329日にEnergy Storage Mateials誌に掲載された研究で外側の発見について説明した。

 新しいナトリウム・イオン・ハイブリッド燃料電池は、「リチウム・イオン電池の実現可能な次世代代替品」として機能する可能性があると研究者達は共同声明で述べ、その用途はノートパソコンやモバイル・デバイスから電気自動車や航空宇宙技術まで多岐にわたる。

 研究者達によると、ナトリウムはリチウムよりもかなり豊富で、最大1,000倍も豊富であるため、ナトリウム・イオン電池は現在ほとんどの電気自動車や家電製品の電源として使用されているリチウム・イオン電池よりも安価で持続可能な生産が可能になる可能性がある。

 しかし、既存のナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池に比べて出力と蓄電容量が低く、充電に時間がかかることから、潜在的な用途が限られている。新たな研究では、研究者達は技術の欠点を克服する方法を模索した。

 この研究は「エネルギー貯蔵システム、の現在の限界を克服する画期的な進歩」であると、研究の主執筆者で韓国科学技術院の材料科学および工学教授であるJeung Ku Kangは声明で述べた。

 彼等は硫黄をドープした炭素とグラフェンに埋め込まれた超微微細硫化鉄粒子から新しいタイプの陰極を開発することでプロトタイプを完成させた。これにより、導電性とエネルギー貯蔵が向上した。陽極には「ゼオライト・イミダゾレート・フレームワーク」を使用した。これは金属イオン有機分子を組み合わせて多孔質の結晶構造を形成する金属有機フレームワークの一種である。これにより、電池の充電と放電の速度が向上した。

 研究チームによると、組み立てられたセル全体は1 kg当たり247 Wh/kgのエネルギー貯蔵容量を達成し、最大34,74/8ワット/キログラムの電力を供給できるという。これは、既存のハイブリッド・ナトリウム・イオン電池よりも重量当りのエネルギー貯蔵量が多く、電力の充放電がはるかに速く、既存の技術の性能を100倍以上上回ることを意味する。

 研究者達によると、この電池はテストで5,000回以上の充電と放電のサイクルを経ても効率と性能を維持しており、長期間にわたって繰り返し使用しても消耗しないことが示唆されており。これは、」送電網エネルギー貯蔵システムや電気自動車など、」電池が劣化せずに長時間持続する必要がある用途にとって極めて重要である。比較すると、例えば、市販のノートパソコンで使用されている多くのリチウム・イオン電池は、劣化し始めるまで最大500回の充電サイクルに耐えることができる。