COVID-19の蔓延を遅らせる可能性のある塩コーティング・マスクと空気フイルター

COVID-19の蔓延を遅らせる可能性のある塩コーティング・

マスクと空気フイルター

Salt-Coated Masks and Air Filters to Potentially Slow the Spread of COVID-19

By Deba Hafizi

Hospital News　　　2020.10.01より

　Covid-19の原因ウィルスである重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2の蔓延を防ぐための最新の潜在的な保護手段がほぼ全ての台所食器棚にある－塩！カナダ人研究者と国際的研究者は塩化ナトリウム(塩)でマスク、空気フイルター、密接に接触する面をコーティングすることがSARS-CoV-2や他のウィルスと細菌の蔓延を防ぐことに役立つかもしれないかどうかを調べている。

　Health Technology Updateの最近号で、カナダ医薬品・医療機器審査機構(CADTH)はウィルスと細菌の感染を減らすために圧縮された塩の表面に関する最近の研究を調べた。CADTHは医薬品、医療機器、試験法、手順に関する研究を見つけ、調査し、要約する独立機関である。CADTHのHealth Technology Updateニュースレターはカナダの健康管理に重要な影響を及ぼしそうな新しく現われた保健技術を述べている。

　塩は細菌の増殖を阻止し、食品保存、調味、医薬、農業、そして家庭医療で長く使われてきた天然物質である。SARS-CoV-2を阻止する塩の潜在的な能力の背景にある理論は、ウィルス粒子を含む飛沫が塩コーティング表面に触れたとき、飛沫中の水はある程度塩を溶かすことである。水が蒸発したとき、塩は再結晶し、ギザギザした塩結晶はウィルスの膜を突き刺し、最終的にウィルスを殺す。この方法はインフルエンザ・ウイルスや細菌に対してテストされており、有効であると証明された。したがって、圧縮された塩は、Outbreaker Solution Technologiesのアルバータ社によって扉押板、ベッドの手すり、蛇口のような強く触る面に使うための抗菌薬として研究されている。Outbreaker製品(圧縮された塩コーティング面)のパイロット評価が幾つかのアルバータ施設で行われてきた。2016年のパイロット研究は、圧縮された塩化ナトリウム面は銅面の71 – 73％と比較して60秒以内に94％メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)菌の汚染を減らすことを明らかにした。Outbreakerはこれらの塩コーティング表面がSARS-CoV-2に対して同様の効果を持っているかどうかを現在調査中である。

　他の塩に関連した開発も進行中で、それらには塩コーティング顔面マスクや空気フイルターがあり、家庭用品や布マスク用の海水浸漬液もある。アルバータ大学チームは、塩コーティング顔面マスクがインフルエンザ・ウイルス・エアロゾルや細菌バイオエアロゾルを効果的に不活性化することを明らかにし、現在、他の試験中のウィルスと同様の形態を持ったSARS-CoV-2に対しても守れるかどうかを調査中である。他の場所では、ボストンの研究チームが、紙タオルや外科用マスクに着けた塩水浸漬材料が飛沫テストでウィルス・サイズの粒子をろ過できるかどうかを調査した。特に塩分飽和度の高い部分でE. coliで汚染させたマスク上の細菌増殖に低下があったことを研究者達は明らかにした。これらの結果は、塩水処理したキッチンペーパー・タオルは安価で、自家製布マスクを着けた人々または医療従事者の防護用具の寿命を延す必要がある彼等のために追加的な防護層を加える便利な方法があることを示唆している。

　これらの技術は有望であるが、彼等はSARS-CoV-2に対してテストしておらず、診療されてもおらず、または顔面マスクに使用するために連邦または公衆保健局によって勧められていない。

　塩は表面または材料に応用したとき、抗菌特性を持っているかもしれない一方で、これは、塩を鼻に注入またはスプレイすることがCovid-19を予防できるまたは治癒できることを意味しない。多くは抗菌特性を持ち家庭で毎日表面に使われている漂白剤に似ているが、身体に同様の効果を持っていることを意味しない；事実、漂白剤を飲むと危険である！他方、塩は食べても一般的に安全で、しばしば美味しい料理の中にある。しかし、高温では、目を刺激する蒸気を発生させ、多量に摂取することはヒトや動物に危険である。

　幾つかの表面や表面コーティングがSARS-CoV-2の増殖を沮止できるまたは抑制できるエビデンスは現在ないが、カナダ保健局はウィルスに対してエビデンスを持った硬い表面の消毒剤のリストに入れられてきた。我々はウィルスについてもっと学ばなければならないので、新しい技術の研究は続く。学校や社会空間が再開されると、マスクや抗菌表面の効果を増すことは積極的な予防的公衆衛生介入である。