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ピンク色ヒマラヤ塩は通常の塩より良いか?

Is Pink Himalayan Salt Better Than Regular Salt?

By Keith Pearson

Healthline Newsletter 2017.05.16

 

ピンク色ヒマラヤ塩は自然にピンク色である種類の塩で、パキスタンのヒマラヤの近くで採鉱される。多くの人々は、多くのミネラルを含んでおりすごい健康利益がある、と主張している。これらの理由から、ピンク色ヒマラヤ塩は通常の食卓塩よりもずっと健康に良いとしばしば考えられている。しかし、ピンク色ヒマラヤ塩に関する研究はほとんどなく、他の人々は、これらの無茶な健康主張は推測以外の何物でもない、と主張している。本論文はピンク色ヒマラヤ塩と通常の塩との主な差異を考察し、この塩がより健康に良いと決めたエビデンスを評価する。

 

塩とは何か?

 塩は大部分塩化ナトリウム化合物からなるミネラルである。塩は非常に多くの塩化ナトリウ-重量で約98%-を含んでおり、ほとんどの人々は“塩”と“ナトリウム”と言い換えられる言葉を使っている。塩は塩水を蒸発させることにより、または地下の塩鉱物から結晶を採鉱することにより生産される。それが小売店に届く前に食卓塩は塩化ナトリウム以外の不純物や他のミネラルを除く精製工程を通る。水分吸湿に役立つ固結防止剤がしばしば加えられ、消費者がヨード欠乏症を予防するのに役立てるようにしばしばヨードが加えられる。人類は何千年間も味付けと食物保存に塩を使ってきた。興味深いことに、ナトリウムも体液バランス、神経伝達、筋肉収縮を含むいくつかの生物学的機能に重要な役割を果たす。この理由のため、食事で塩またはナトリウムを摂取することが絶対的に必要である。しかし、多くの健康専門家達は、塩の取り過ぎが高血圧や心疾患を発症させると主張している。しかし、最近の研究はこの長く信じられてきたことに疑問を呈している。多くの食卓塩の取り過ぎの潜在的な危険性のために、多くの人々は代替品の健康に良いと信じられているピンク色ヒマラヤ塩を使うことに切り替えている。

要約:

 塩は主として塩化ナトリウムからなり、体内で重要な工程を制御するのに役立っている。塩の取り過ぎの潜在的な有害効果は塩の代わりにピンク色ヒマラヤ塩を多くの人々に使い始めさせている。

 

ピンク色ヒマラヤ塩とは何か?

 ピンク色ヒマラヤ塩はパキスタンのヒマラヤ近くにあるKhewra塩鉱山から採鉱されたピンク色の塩である。Khewra塩鉱山は最も古い鉱山の一つで、世界最大の塩鉱山である。この鉱山から収穫されたピンク色ヒマラヤ塩は古代の水の蒸発から数百万年前に形成されたと信じられている。その塩は手掘りされ、添加物のない未精製の製品を得るために最小限に加工され、食卓塩よりもずっと自然と考えられている。食卓塩のように、ピンク色ヒマラヤ塩はほとんど塩化ナトリウムで構成されている。しかし、自然な収穫工程は通常の食卓塩にない多くの他のミネラルや痕跡元素をピンク色ヒマラヤ塩に持たせている。ある人々は84種ものミネラルや痕跡元素を含んでいると推定している。事実、これらのミネラル、特に特徴的なピンク色は鉄のためである。

要約:

 ピンク色ヒマラヤ塩はパキスタンのKhewra塩鉱山から手で収穫される。その最小限に加工されることにより通常の食卓塩に対する自然の代替品となっている。

 

ピンク色ヒマラヤ塩はどのように使われるか?

 ピンク色ヒマラヤ塩には幾つかの食用と非食用の用途がある。

それを食べるかそれで調理する

 一般的に、通常の食卓塩で調理するようにピンク色ヒマラヤ塩で調理する。ソースやマリネに入れ、あるいは夕食の食卓で食物に塩を加える。ある人々は表面を調理する物としてピンク色ヒマラヤ塩を使う。ピンク色ヒマラヤ塩は通常の食卓塩のような細かく粉砕されて購入されるが、大きな結晶粒子で販売されている粗い製品も一般的である。

調理についての考察

 量で塩の種類を測定するとき、如何に細かく粉砕されているかを考えることが重要である。細かく粉砕された塩の塩辛さに合わせるためには粗い塩を多く使う必要がある。これは、細かく粉砕された塩が粗い塩よりも蜜に詰められているためで、同じ量では多くの粗い塩が要る。例えば、細かく粉砕された塩の一匙はどれでも約5.8 gの塩であるが、粗い塩の一匙は結晶粒径によ基づいて変わるが、5.1 g以下の塩を含んでいる。さらに、ピンク色ヒマラヤ塩は通常の食卓塩よりもわずかに少ない塩であり、調理するときにはそれを考慮する必要がある。現在のアメリカの食事ガイドラインは、ほとんどの成人に5.8 g/d以下の塩摂取量を勧めている。これは細かく粉砕された塩の約一匙(6 g)に等しい。しかし、ピンク色ヒマラヤ塩を使うとき、ブランドによって塩含有量は幅広く変わるので、栄養表示をチェックすることが良い。

非食事用途

 ピンク色ヒマラヤ塩には幾つかの食用用途がある一方、多くのポピュラーな非食用用途もある。ピンク色ヒマラヤ塩は浴用塩に使われ、肌の状態を改善し、筋肉痛を和らげる。ソルトランプもしばしばピンク色ヒマラヤ塩で出来ており、大気汚染物を除くと言われている。これらのランプは塩を加熱するために内部に光源を入れた大きな塩の塊で出来ている。その上、ピンク色ヒマラヤ塩で出来た人工の塩洞窟で過ごすことは皮膚と呼吸問題を改善したいと思っている人々の間で有名である。しかし、ピンク色ヒマラヤ塩のこれらの3種の非食用用途を支持する研究は比較的少ない。これらの主張を確認するためにはもっと研究が必要である。

要約:

 調理をする時に通常の塩と全く同じようにピンク色ヒマラヤ塩を使える。浴用塩、ソルトランプ、塩洞窟はピンク色ヒマラヤ塩の一般的な非食用用途である。

 

ピンク色ヒマラヤ塩はより多くのミネラルを含んでいる

 食卓塩とピンク色ヒマラヤ塩の両方ともほとんど塩化ナトリウムで出来ているが、ピンク色ヒマラヤ塩には84種の他のミネラルと痕跡元素がある。これらはストロンチウムやモリブデンのようなあまり知られていないミネラルはもちろんカリウムやカルシウムのような一般的なミネラルを含んでいる。ピンク色ヒマラヤ塩や通常の塩を含めて様々な種類の塩のミネラル含有量を分析した研究がある。下記は2つの塩の1gに含まれる良く知られたミネラルの比較である。

    

 

ピンク色ヒマラヤ塩

食卓塩

カルシウム(mg)

1.6

0.4

カリウム(mg)

2.8

0.9

マグネシウム(mg)

1.06

0.0139

(mg)

0.0369

0.0101

ナトリウム(mg)

368

381

 

 お分かりのように、食卓塩はより多くのナトリウムを含むが、ピンク色ヒマラヤ塩はより多くのカルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄を含んでいる。それにもかかわらず、ピンク色ヒマラヤ塩のこれらのミネラル量は非常に、非常に少ない。そのように少量であるので、例えば、カリウムの1日当たり推奨量を摂取するためには1.7 kgのピンク色ヒマラヤ塩を摂らなければならない。言うまでもなく、それは非現実的な塩の摂取量である。ほとんどの部分で、ピンク色ヒマラヤ塩の特別なミネラルは非常に少量であるので、それらは何の健康利益を提供するものではない。

要約:

 ピンク色ヒマラヤ塩は通常の塩に見られない幾つかのミネラルを含んでいる。しかし、これらのミネラルは非常に少量であるので、何の健康利益ももたらさない。

 

健康主張は本当か?

 ピンク色ヒマラヤ塩は付加的なミネラルをほんのわずかしか含んでいない事実にもかかわらず、多くの人々は多くの健康利益があるとまだ主張している。これらの主張のほとんどにはそれらを支持する研究がないのが真実である。ピンク色ヒマラヤ塩が一般的に促進する健康主張は以下の通りである:

  呼吸器疾患を改善する

  体のpHをバランスさせる

  加齢の兆候を減らす

  睡眠の質を改善する

  血糖を制御する

  性欲を増加させる

 ピンク色ヒマラヤ塩の非食用用途に関連した主張の幾つかはあまり研究に基づいていない。様々な肺疾患用の治療として塩洞窟の使用は2,3の研究で評価された。これらの結果は、何某かの利益はあるが、それらの効果を調査するためにより厳密な研究が必要であることを示唆している。他方、これらの健康主張の幾つかは事実上、体内の塩化ナトリウムの通常の機能であるので、どんな種類の塩でもこれらの利益は得られる。例えば、研究者達は、非常な低塩食は睡眠問題によるのかもしれないことを明らかにした。これは十分な量の塩が睡眠の質には必要であるかもしれないことを示唆している。しかし、研究はピンク色ヒマラヤ塩を調べておらず、どの塩の塩化ナトリウムの機能である。またピンク色ヒマラヤ塩のミネラルは体のpHをバランスさせるに及ぼす効果を持っているほど十分大量に存在しない。肺や腎臓はピンク色ヒマラヤ塩の助けがなくても体のpHをきっちりと制御する。さらに、血糖値、加齢、性欲は食事中の塩よりも他の要因によって全て本来制御され、ピンク色ヒマラヤ塩を食べることが健康に関するこれらの点のどれかに利益を及ぼすことを示唆する科学的研究は全くない。同様に、ピンク色ヒマラヤ塩と通常の食卓塩の健康効果を比較した研究はない。研究が存在すれば、それらの健康効果の何らかの差を見い出すことはありそうにない。

要約:

 多くの健康主張はしばしばピンク色ヒマラヤ塩に結び付けられている。しかし、これらの主張のほとんどはそれらを支持する研究がない。

 

最低線

 間違って導かれた健康主張の全てを仮定すれば、人々が使用する塩の種類について混乱する理由を知ることは容易である。しかし、ピンク色ヒマラヤ塩と通常の食卓塩との健康効果を比較した研究はない。それらが比較されたとしても、何らかの差を報告することはあり得ない。それにもかかわらず、通常の食卓塩の添加物を避けたければ、ピンク色ヒマラヤ塩は素晴らしい自然の代替物である。しかし、オンラインで読んでいるかもしれない多くの健康利益があることは期待できない。そして食卓塩がヨードの主要摂取源であることを忘れてはいけない、したがって、ピンク色ヒマラヤ塩を使えば、ヨード欠乏症を避けるのに役立てるために海藻、酪農製品、魚のような他の食品からヨードを摂取する必要がある。最後に、ピンク色ヒマラヤ塩は通常の塩よりもしばしばずっと高価である。したがって、添加物を気にしなければ、通常の食卓塩を使っても大丈夫である。