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塩:良い物あるいは悪い物?

Salt : Good or Bad?

By Hrefna Palsdottir

Healthline Newsletter 2017.06.18

 

 保健機関は長い間、塩の危険性について我々に警告してきた。高塩摂取量は高血圧と心疾患を含めて多くの健康問題を引き起こしてきたためである。しかし、数十年間の研究はこれを支持する確かなエビデンスを提供して来られなかった。その上、多くの研究があまり塩を食べないことは有害であることを実際に示している。本論文は塩とその健康効果を詳細に取り上げる。

 

塩とは?

 塩は塩化ナトリウム(NaCl)と呼ばれる。それは重量で40%のナトリウムと60%の塩化物からなる。塩ははるかに最大の摂取ナトリウム源であり、“塩”と“ナトリウム”と言う言葉はしばしば互換的に使われる。多くの塩はカルシウム、カリウム、鉄、そして亜鉛を微量に含んでいる。ヨードはしばしば食卓塩に加えられる。塩の中のこれらの必須ミネラルは体内で重要な電解質として働く。それらは体液収支、神経伝達、筋肉機能に役立っている。塩のなにがしかの量はほとんどの食品中に自然にある。塩はまた美味しさを改善するために食品にしばしば加えられる。

 歴史的に、塩は食品保存に使われた。濃い塩濃度は食品を腐らす細菌の繁殖を妨げる。塩は主に2つの方法で収穫される:塩鉱山と海水または他のミネラルの多い水を蒸発させることによってである。実際に多くの種類の塩が利用できる。一般的な種類はあっさりした食卓塩、ヒマラヤ・ピンク塩、海塩である。色々な種類の塩は味、テクスチャ、色が違う。どの種類の塩が一番健康に良いかに疑問を持つ場合、真実は、全てが全く同じであることだ。

  結論:

  塩は主に2つのミネラルであるナトリウムと塩化物からなり、それらは体内  でいろいろな機能を持っている。塩はほとんどの食品に自然にあり、味を良  くするために幅広く使われる。

 

塩は心臓の健康にどのように影響するか?

 保健の権威者達は数十年間、減塩するように我々に言ってきた。彼等は5.8 g/d以下、望むらくはもっと少なく塩を摂取すべきであると我々に語ってきた。しかし、アメリカ成人の約90%はそれ以上を摂取している。多くの塩を食べることは血圧を上昇させると言われ、それによって心疾患や脳卒中の危険率が増加する。しかし、減塩の本当の利益について幾つかの重要な疑問がある。減塩は特に塩感受性高血圧と呼ばれる医学状態の人々で血圧を下げることは真実である。しかし、健常人については、平均的な低下は非常に小さい。2013年の1研究は、正常血圧者について減塩は収縮期血圧でわずかに2.42 mmHg、拡張期血圧でわずかに1.00 mmHg下げることを明らかにした。これは130/75 mmHgから128/74 mmHgに下がったことを意味する。これらは味のない食事に耐えて得ることを望んだ正に印象的な結果ではなかった。その上、減塩は心臓発作、脳卒中または死亡の危険率を下げるエビデンスはないことを幾つかのレビュー研究は明らかにした。

  結論:

  減塩はわずかに血圧を低下させる結果である。しかし、減塩と心臓発作、脳  卒中、死亡の危険率を下げることと関係している強いエビデンスはない。

 

低塩摂取量は有害である

 減塩食は全く有害であることを示唆するエビデンスがある。

悪い健康効果は次のようである:

  LDLコレステロールとトリグリセライドの上昇:減塩はLDLコレステロール(“悪者”)とトリグリセライドの上昇と関係している。

  心疾患:7.6 g/d以下の摂取量は心疾患で死亡する危険率の増加と関係している、といくつかの研究は報告している。

  心不全:減塩は心不全患者について死亡の危険率を増加させることを一つの解析は明らかにした。その効果は変動しており、減塩した人々の死亡危険率は160%高かった。

  インシュリン抵抗:低塩食はインスリン抵抗を増加させるかもしれないと幾つかの研究は報告した。

  2型糖尿病:2型糖尿病患者で減塩は死亡の危険率増加と関係していることを一つの研究は明らかにした。

結論:

  低塩食は高いLDL濃度とトリグリセライド濃度、およびインシュリン抵抗  増加に関係していた。そのことは心疾患、心不全、二型糖尿病による死亡の  危険率を増加させるかもしれない。

 

高塩摂取量は胃がんと関係している

 胃がんは第五番目の最も一般的ながんである。胃がんは世界中のがん死亡の第三番目の原因であり、年間700,000人以上の死亡の原因である。幾つかの観察研究は胃がんの危険率増加と高塩食とを関係付けている。2012年からの多くのレビュー論文は全部で268,718人の参加者を含む7件の前向き研究からのデータを調べた。高塩摂取量の人々は低塩摂取量の人々と比べて胃がんの危険率が68%高かいことが明らかになった。正確になぜ、どうしてこれが起こるのかを十分に理解できないが、幾つかの理論はある:

  細菌の増殖:高塩摂取量は胃に炎症や潰瘍を引き起こす細菌であるHelicobacter pyloriの増殖を増加させる。これは胃がんの危険率を増加させるかもしれない。

  胃壁の損傷:塩含有量の高い食事は胃壁の損傷や炎症を起こさせ、そのことにより胃は発癌性物質に晒される。

しかし、これらは観察研究であることに注意すべき。それらは高塩摂取量が胃がんを引き起こすことを証明しているのではなく、二つのことが強く関連していることを証明しただけである。

  結論:

  幾つかの観察研究は高塩摂取量と胃がんの危険率増加とを関係付けてきた。  これは幾つかの要因によって引き起こされるかもしれない。

 

塩/ナトリウムが高いのはどの食品か?

 近代の食事で塩のほとんどはレストランの食事または包装食品や加工食品から来ている。事実、アメリカ人の食事で塩の約75%は加工食品から来ていることが推定される。摂取量の25%だけが食品に自然に含まれているか、調理中にあるいは食卓で加えられる。塩辛いスナック食品、缶詰とインスタント・スープ、加工肉、漬物と醤油が高い塩食品の事例である。パン、カテッジ・チーズ、いくつかの朝食セリアルを含めて実際に驚くほど高い塩量を含む一見して塩辛くない食品もある。減塩しようと思えば、ほとんどの食品表示はナトリウム含有量を表示してある。

  結論:塩含有量の高い食品は加工食品で、塩辛いスナックやインスタント・  スープである。パンやカテッジ・チーズのような明らかに少なそうに見える  食品も多くの塩を含んでいる。

 

塩をあまり食べないようにすべきか?

 いくつかの健康状態は減塩する必要性がある。医者が減塩するように望めば、明確にそうすることを続ける。しかし、ほとんど何でも食べられる健康な人であれば、塩摂取量について多分、心配する必要はない。この場合、調理中や食卓で美味しくするために塩を自由に加えても良い。極端に多くの塩を食べることは有害であるが、少な過ぎても健康に悪いかもしれない。栄養の場合に良く言われるように、最適摂取量は二つの極端な摂取量の間のどこかである。