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高塩摂取量は免疫系に悪い:研究

High-Salt Intake Bad for the Immune System: Study

By Oliver Morrison

https://www.foodnavigator.com より  2020.03.27

 

消費者はコロナビールスから自分を守るために業界の減塩を今求めているか?

 高塩摂取量は血圧と同じように免疫系に悪い、とドイツの研究は明らかにした。ボン大学病院の研究者達が、高塩食を食べさせたネズミは非常に重症の細菌感染することを明らかにした。6 g/dの追加摂取したヒトのボランティアも明白な免疫不全を示した。Science Translation Medicine誌に発表された研究によると、この量はファーストフード2食分の塩含有量に相当する。

 塩化ナトリウムは血圧を上昇させ、それによって心臓発作や脳卒中の危険率を増加させる。しかし、それだけでなく、“過剰な塩摂取量も免疫系の重要な武器をかなり弱めることを我々は今、初めて証明することが出来た、”とボン大学実験免疫学研究所のクリスチャン・カーツ博士教授は言った。

 塩化ナトリウムが一般的に免疫強化効果を持っていることを幾つかの研究が観察してきたように、結果は予期されなかった、と彼は付け加えた。例えば、実験動物で幾つかの皮膚寄生虫による感染は、高塩食を食べさせればかなりは速く治癒される:寄生虫を攻撃し、食べ、消化する免疫細胞であるマクロファージは塩の存在で特に活性になる。

 

皮膚は‘塩貯蔵器官’として働く

 “我々の結果は、この一般化は正確ではないことを示している、”とヴュルツブルク大学に移動して以来、研究の筆頭者であるKatarzyna Jobinは言った。これには2つの理由がある。“第一に、身体は血液中と様々な器官中にほぼ一定の塩濃度を維持している。他の点では重要な生物的工程が損なわれる。唯一の大きな例外は皮膚である:皮膚は身体の塩貯蔵器官として機能する。塩化ナトリウムの追加的な摂取が幾つかの皮膚疾患に非常に良く効く理由はこのためである。”しかし、身体の他の器官は食品による追加的な塩摂取量に曝されない。その代わり、塩は腎臓によりろ過されて尿中に排泄される。

 塩化ナトリウムはヒトの免疫系に悪い影響を及ぼすようにも見える。“毎日の塩摂取量に6 gを加えて摂取させたボランティアを我々は調査した。これはファーストフード2食分、すなわち、大体ハンバーガー2個とフレンチ・フライ2個分に含まれる量である、”とKurts教授は言った。1週間後、科学者達は被験者から血液を採取し、顆粒球を調べた。被験者が高塩食を食べ始めた後、免疫細胞は細菌とあまり上手く対処できなかった。

 ヒトのボランティアで、過剰な塩摂取量はグルココルチコイド濃度の増加ももたらした。これが免疫系を抑制することは驚くことではない:一番良く知られたグルココルチコイド・コルチゾンは炎症を抑えるために伝統的に使われる。“1つの生物全体の研究を通してだけでは、我々は、塩摂取量がこの免疫不全をもたらす複雑な制御回路を明らかにできなかった。したがって、我々の研究は細胞培養だけによる実験の限界も示している、”とKurtsは強調した。

 

新型コロナウィルス蔓延中に関連?

 消費者は免疫系を強化する方法を探しているので、研究結果が新型コロナウィルス蔓延中に意味があるかどうかを言うには速すぎ、塩摂取量と新型コロナウィルスに関する研究は行われていない、とKurtsFoodNavigatorに語った。結果がヨーロッパで塩摂取量を変えるだろうことについては、彼も悲観的であった。Robert Koch Instituteからの数値は、ドイツ人男子の平均値は10 g/dで、女子は8 g/d以上であることを示唆している。

 “私は業界が注意するとは思えない。高塩摂取量は抗ウィルス応答にも影響を及ぼすチャンスがあるけれども、我々が明らかにした機構はインフルエンザ肺炎に対する防御を損なう他の事によって示されてきたので、我々はウィルス応答を研究しなかった、”と我々は言われた。