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塩大論争

多すぎるのはどれくらい?

The Great Salt Controversy

How Much Is Too Much?

By Conan Milner

The Epoch Times 2015.03.11

 

 

 公衆衛生専門家達は多くの塩の食べ過ぎから早死にすると何十年間も警告されてきた。それでもアメリカ人の塩摂取量は十分に推奨限界値以上のままである。一方、増大する多数の研究は、減塩が実際に疾患の原因となるらしいことを示唆している。

 数百件の研究が塩に関して行われてきたが、矛盾する研究は曖昧な概念しか描けない。この塩辛い論争の鍵となる成分はナトリウムで、食卓塩の40%を占めるミネラルである(残りは塩化物である)。ナトリウムはヒトの健康に必須である-科学者は誰もこれに異議を唱えない。しかし、良い健康はバランスの結果であり、ナトリウムを巡る科学的論争は摂取量の問題である。ほとんどのアメリカ人は約8.6 g/d(茶さじ約1.5)の塩を摂取する。公衆衛生機関は疾患についての危険因子に依存して3.8 – 5.8 g/dの塩摂取量を勧めている。塩協会-塩のこと全てに専門の非営利機関-によると、一日茶さじ2杯以上の塩摂取量は実際に全く安全である。事実、6.6 g/d以下の減塩は寿命と認識機能を実際に低下させるかもしれない一方で、糖尿病のような疾患、心臓発作、脳卒中の危険率を増加させる。

 減塩を再考する呼びかけが増えているにもかかわらず、疾患管理予防センター、アメリカ心臓協会、そして他の医療機関は彼等のガイドラインを固執し、食品産業界に減塩を要請したままである。

 

大きな塩問題の影響

 科学を整理する栄養士を助ける努力で、栄養コンサルタントと著者のジャネット・ブリル博士は“塩:作り話から事実を振り分ける”と題して53日にオンラインセミナーに公開する。ブリルによると、塩協会が混乱の主な根源である。彼等は自分達の塩を擁護する宣伝を進めるために科学的合意を意図的に曖昧にさせていると彼女は言う。“塩協会は基本的に化身したタバコ協会である。非常に強力な宣伝機関である。”と彼女は言った。

 ブリルはアメリカ高血圧学会誌の20144月号に発表した研究を指摘している。研究者達は6.7 – 12.6 g/dの安全な塩摂取量範囲を明らかにしたので、研究は大いに注目されたが、ブリルは納得していない。“それは学会誌の信用できない編集者であるミカエル・アルダーマンが書いており、彼は1996年以来塩協会の諮問機関でも働いている。利益相反について話そう、”と彼女は言った。

 

心疾患の危険性

 高塩摂取量に関連する健康上の最大の関心は高血圧-100年以上にわたって観察されてきた関係-である。高血圧は心疾患の大きな要因であり、心疾患は世界一の早死原因の一つであるので、減塩が命を救うと言う論理になる。しかし、塩摂取量が実際に心疾患に影響を及ぼす程度が論争の大きな骨子である。

 幾つかの研究は塩摂取量で高血圧の兆候はないことを明らかにしているので、相関関係はせいぜい弱いと言う人がいる。事実、アルコール、肥満、そして新鮮な果物と野菜不足が高血圧に影響を及ぼすことは良く分っている。しかし、ブリルは塩を“回りの遅い毒物”と考えている。“ほとんどのアメリカ人がしているように、長く非常に高い塩摂取量であることは高血圧以上に体に影響を及ぼす。塩は臓器に有害である、”と彼女は言った。

 

塩の文化

 エポック・タイムズは塩協会の代表とのインタビューを準備したが、プレス時間まで連絡がなかった。健康に良くて有益な調味料として塩についての彼等の考えは人を動かさずにはおかない。塩が味覚と文化の両方に訴えるからである。人類史のほとんどの時間で塩は貴重な物質であった。塩は食べ物に美味しい味を付けるだけでなく、最近の繁殖を妨げる。近代的な冷凍技術が出来るまで、塩は世界で最初の食品保存法であった。

 体調不良になる原因は塩の品質であると何人かの健康専門家達は示唆している。古代文化がナトリウムと塩化物以上のミネラル摂取として塩を摂取したことで理解できる。一方、近代的な食卓塩-それは複雑なミネラルをそぎ落とされ、漂白され、結晶の流動性を改善するために固結防止剤を混ぜている-は疾患の本当の原因である。

ブリルは食卓塩を買わない。

“塩は塩である。悪者であるのはナトリウムである。どの種類の塩:海塩、ヒマラヤの岩塩、それは健康な食品ではない。ミネラルは神のための塩からではなく、健康に良い食品から得られる、”と彼女は言った。

 

減塩

 塩振り出し器に触らないかもしれないが、それでも塩を摂り過ぎている。アメリカ人の塩摂取量のほぼ80%は外食や加工食品から来ている。今年、食品医薬品局は食品製造者が自発的に塩含有量を下げさせるガイドラインを発表するが、幾つかの公衆衛生機関はもっと強い行動が必要と感じている。公益科学センター(CSPI)によると、人々が勧められている5.8 g/dまで達するために会社は塩含有量を半減し、他の人々は3.8 g/dの摂取量達成のために70%まで下げなければならない。そのような大きな減塩は政府の介入がなければ起こりえない。しかし、保健専門家が塩を使えなければ、アメリカの食品会社は消費者の期待の訴えるために生物工学による化学品に簡単に変えるかもしれないことを何人かの保健専門家達は恐れている。

 減塩のための最高の個人的な戦略は新鮮な材料から自分自身の食品を作ることである。しかし、塩を多く使えば、それ以下は甘口でうんざりするように思われるだろう。我々は少ない塩で味わえるように舌を訓練しなければならないとブリルは言う。塩辛さの不足を補うために強いスパイスで調理することを彼女は勧めている。“市販のトマトソースは基本的に海水である。私は家で驚くようなトマトソースを作り、多くのハーブ、タマネギ、ニンニクを使う。それで塩がなくても美味しくなる、”とブリルは言った。

 

塩辛い事実

 CDCによると、毎日摂取する塩の約半分はわずか10種類の食品から来る。塩は古代に非常に貴重であったので、交易や貨幣に使われた。幾つかの事例では、塩は富をもたらす塩専売制を守るために厳密に制限された。厳しい塩法律はフランス革命とインドのイギリス統治の終焉を誘発した。ナトリウムは血圧を上昇させることが示されてきたが、カリウムは血圧を下げることが分った。カリウムの高い食事は過剰なナトリウムの有害効果をある程度バランスさせることに役立つ。白い豆、ホウレンソウ、アボガドは優れたカリウム源である。