「科学者達が燃えないスーパー電池を開発」:ナトリウムの画期的な進歩がリチウム業界を脅かす一方で、エネルギー貯蔵は革命を起こす
“Scientists Create Unburnable Super Battery”:
Spodium Breakthrough Terrifies Lithium Industry While Energy Storage Revolutionizes
By Gabriel Cruz
https://www.energy-reporters.com/より 2025.09.22
再生可能エネルギー貯蔵における画期的な進歩として、クイーンズランド大学の科学者達は、安全性と効率性の向上を約束するナトリウム金属電池用の固体電解質を開発した。これは、電力網規模のエネルギー・ソルーションに革命をもたらす可能性がある。
要約
● クイーンズランド大学の研究者達は、ナトリウム金属電池用の固体電解質を開発した。
● この新素材は不燃性で、デンドライトの成長を防ぎ、安全性を高かめる。
● 高温試験では、電池は1,000回の充放電サイクル後も91%容量を維持した。
● この革新は、送電網スケールのエネルギー貯蔵と再生可能エネルギー・ソルーションに大きな影響を与える可能性がある。
クイーンズランド大学オーストラリア・バイオエンジニアリング・ナノテクノロジー研究所(AIBN)乃研究者達は、電池技術において大きな進歩を遂げた。彼等は、送電網規模のエネルギー貯蔵の発展に重要な役割を果たす可能性のある新たな固体電解質を開発した。この革新的な材料は、ナトリウム金属電池で試験され、有望な結果を示した。この電池は高温下で5,000時間以上動作し、1,000回の充放電サイクル後も91%以上の容量を維持した。このような性能は、再生可能エネルギー貯蔵におけるナトリウム金属電池の潜在的な利用にとって極めて重要であり、従来のリチウム・イオン電池よりも安全で効率的な代替品としての可能性を示唆している。
既知の安全性問題への対応
金属ナトリウム電池は、主に低コストと豊富なナトリウム資源から、リチウム・イオン電池の代替として注目を集めている。しかし、安全性への懸念から、その普及は限定的となっている。主な問題は、イオンの移動を促進する媒体である電池の電解質にある。従来の電池は液体の電解質を使用することが多く、これは可燃性で過熱し、火災につながる可能性がある。
AIBNのZhang博士は、「これらの液体は可燃性で過熱し、電気自動車や電動スクーターの電池のように火災を引き起こす可能性がある。」と説明している。このような火災は、多くの場合、デンドライト(鋭い金属の突起)の形成によって引き起こされる。デンドライトは電池内部で成長し、短絡を引き起こす可能性がある。Zhang博士はさらに、「この種の成長は通常、充電サイクルを繰り返すことで電解質が不安定となり、電池の安全性と信頼性が低下する場合に発生する。」と述べている。
これらの安全性の問題を軽減するために、Zhang博士と博士課程学生のZhou Chenは、新たな固体電解質を開発した。P(Na3-EO7)-PFPEと呼ばれるこのフッ素化ブロック共重合体は、プラスチックに似た性質を持ち、不燃性である。デンドライトの成長を抑制するよう特別に設計されており、液体電解質よりも安全な代替材料となる。
材料の内部構造のエンジニアリング
この革新的な固体電解質は、体心立方構造を採用している。この内部構造は、ナトリウム・イオンの効率的な移動を促進する微細なトンネルを形成する。Zhou Chenは「体心立方構造と呼ばれる構造を形成するようにレイアウトを調整することで、材料が自然に形成するトンネルを強化した。」と説明している。この設計により、ナトリウム・イオンはリチウム電池と同様にスムーズに移動できると同時に、デンドライト形成も最小限に抑えられる。
高温での試験の成功は重要なマイルストーンとなる。しかし、研究チームは現在、室温でも同様の性能を達成することに注力している。この次の研究段階では、ナトリウム金属電池の適用範囲を広げ、日常使用に適した選択肢とすることを目指している。
実用化へのステップ
世界中で研究者達はナトリウム電池の実用化に向けた取り組みを強化している。最近の開発により、ナトリウム系固体電池は室温、さらには氷点下でも動作することが示唆されている。この研究は、これまで実用化が困難であったナトリウム電池にとって新たなベンチマークとなるものである。
最近の論文では、室温から氷点下まで効率的に動作する厚いナトリウム正極が実証された。さらに、東京理科大学の研究では、ナトリウム・イオン電池の正極にスカンジウムをドープすることで、サイクル安定性が向上することが示された。コイン型フルセルの試験では、改良された正極は300回の充放電サイクル後も容量の60%を維持した。
これらの進歩は、ナトリウム電池への関心と可能性の高まりを浮き彫りにしている。研究者達が既知の課題を克服し続ければ、商業化への道はますます現実味を帯びてくる。
エネルギー貯蔵への潜在的な影響
より安全で効率的な金属ナトリウム電池用固体電解質の開発は、エネルギー貯蔵解決策に大きな影響を与える可能性がある。再生可能エネルギー・システムにおける需給バランスの確保には、送電網規模のエネルギー貯蔵が不可欠である。この新素材は、長期間にわたって高い容量を維持できるため、この用途の有力な候補となる。
さらに、ナトリウムはリチウムに比べて豊富に存在し、低コストであるため、これらの電池は経済的にも魅力的な選択肢となる。世界が持続可能なエネルギー解決策を模索する中、金属ナトリウム電池技術の進歩は有望な道を示している。これらの開発は、より安全で、よりアクセスしやすく、費用対効果の高いエネルギー貯蔵システムを実現し、
再生可能エネルギー源のより広範な導入への道を開く可能性がある。
研究者達がこれらの技術の改良と試験を続ける中で、疑問が残こる。それは、金属ナトリウム電池が我々のエネルギー・インフラに大規模に導入されるのは何時になるかということである。