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塩:美味しさを損なわない減塩法

Salt: How to Cut Back without Losing That Delicious Flavor

By Jane Parker

The Conversation   November 8, 2018

 

 イギリス政府の新しい保険戦略の目標の1つは塩である。身体は正常に機能するために塩を必要とするが、過剰な塩摂取量は血圧を上げ、脳卒中や心疾患の危険率を増加させる。治療よりも予防の方が良いので、政府は社会の塩摂取量を減らために野心的な計画を持っている。塩摂取量の勧告値はわずか6 g/dに制限されている。しかし、平均摂取量は8 g/dに近い。6 g/dの目標が達成されれば、毎年8,000人以上の早死にを予防でき、年間5.7億ポンド以上の国民保健サービス費を節約できる。

 しかし、塩のない食べ物は美味しくない。塩の少ない製品は標準製品に比べてしばしば美味しくない。食べ物の中の塩は食べ物を美味しく楽しくさせる舌の上で非常に好ましい味にする。塩は食べ物の味も強化し、鼻で感じる香りと一緒に舌からの味覚と結びつくとき、我々はそれを経験する。したがって、我々が望む美味しい味を全て維持しながら食事中の塩を減らせるか?これは食品産業界が何年間も研究してきた問題である。

 過去15年にわたって、業界と公衆衛生キャンペーンによる共同の努力は国民の平均塩摂取量を10%低下させることであった。この低下の一部は塩の少ない食べ物にゆっくりと慣れてきた事実により、そして一部は科学者達が塩味受容についていまや一層理解できる事実による低下である。

 

交易のトリック

 食品産業界が取り上げきた1つのアプローチは塩粒子の大きさや形を変えることで、そのためより多くの塩粒子が舌の上の味蕾受容体に到達する。加工食品中の塩量が減らされたとき、塩味不足の問題に取り組ませる。しかし、総合的な美味しさの不足に取り組むには別のアプローチが必要である。家庭では、ハーブやスパイスをもっと加えることで打ち勝てる。別のトリックはトマトあるいはチーズ、そして減塩醤油またはアンチョビを含むウスターソースのような魚をベースにしたソース少量を加えた自然の風味強化剤を含む食品を加えることである。これは非常に旨く働く。魚や醤油の中にあるニュークレオチドは非常に強力な風味を与えるためにトマトやチーズの中にあるグルタミン酸と一緒に働く。

 我々は塩辛い食品と関連した少量の香りを加えることによって、我々は塩味受容を一層強化できる。砂糖の少ない製品を一層甘く感じさせるために、その製品にバニラを加えた美味しい製品がこれである。

 研究者達は、調味料の能力が実際に食品中にあるよりも多くの塩があるように我々を信じさせるために、単一の香料化合物と同様に複雑な調味料をテストしてきた。テストされてきた香料は肉、サーディン、チーズまたはアンチョビのように匂う。そして我々がこれらの食品を塩辛いと連想するので、塩が加えられていなくても塩辛い製品として我々は受け入れる。他の言葉で言えば、塩を味わっていると思わせるように我々は脳を騙せる。

 代替案もある。レディング大学の研究者達は、塩のないスープを食べれば食べるほど、その味を益々良い物であることを示してきた。本研究の参加者達は塩のないスープを特に好まなかったが、1週間に1日一度それを味わえば、参加者達は、彼等が最初にそれを味わった時よりも一層その味を好むようになった。したがって、低塩食を何時でも楽しめるように脳を訓練できる。それを実行するときである。