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CALTがエネルギー密度160 Wh/kg

ナトリウム・イオン電池を発表

CALT Reveals Sodium-Ion Battery with 160 Wh/kg Energy Density

By Steve Hanley

https://cleantechnica.com/     2021.07.30

 

従来のリチウム電池に比べていくつかの利点がある新しいCALTナトリウム電池。

 

 CALTや他の電池メーカーは、数年前からナトリウム・イオン電池を研究してきた。リチウム・イオン電池は素晴しいが、リチウム、ニッケル、コバルトなどの比較的高価な原材料が必要である。また、寒い気候に住む電気自動車所有者が証明できるように低温では上手く機能しない。

 ナトリウム・イオン電池がより安価な原材料を使用している。ナトリウム自体は非常に豊富で安価である。しかし、これらの電池は、エネルギー密度(単位重量あたりに蓄えることができる電気エネルギーの量)が比較的低いため、リチウム・イオン電池に遅れを取っている。現在、CALTは、エネルギー密度が160 Wh/kgの新しいナトリウム・イオン電池で研究が報われたと述べている。同社は2023年に大規模な商業生産が開始されるまでに、それを200 Wh/kgに引き上げると予想していると述べている。

 エネルギー密度を概観すると、テスラモデル3で使用されているリチウム・イオン電池のエネルギー密度は約260 Wh/kgであるが、テスラが使用するLFP電池セルは、中国で生産されたモデル3標準範囲で約200 Wh/kgである。イーロンマスクは、34年以内に400 Wh/kgのエネルギー密度を持つ電池をほのめかした。これにより、競争力のある民間航空機が可能になる可能性がある。

 同社は「ナトリウム・イオンは…陰極と陽極の間を行き来する。しかし、リチウム・イオンと比較して、ナトリウム・イオンは体積が大きく、材料の構造安定性と動力学的特性に関する要件が高くなる。これがナトリウム・イオン電池の工業化のボトルネックとなっている。

    CALTは長年にわたりナトリウム・イオン電池電極材料の研究開発に取り

組んできた。カソード材料に関連しては、CALTはより高い比容量のプルシ

アン・ホワイト材料を適用し、電子を再配置することによって材料のバルク

構造を再設計し、材料サイクル時に急速に容量が減衰するという世界的な問

題を解決した。アノード材料に関しては、CALTはナトリウム・イオンの豊富

な貯蔵と高速移動を可能にする独自の多孔質構造と優れたサイクル性能を特徴

とする硬質炭素材料を開発した。」と語った。

 したがって、それはドライバーにとって何を意味するか?:単にこれは

  最大160 Wh/kgのエネルギー密度で数年以内に最大200 Wh/kgが見込まれる。

  室温で80分で最大15%の充電状態を急速充電する。

  優れた熱安定性。

  優れた低温性能--20℃でナトリウム・イオン電池の容量維持率は90%以上である。

  80%のシステム統合効率(電池の重量または体積対電池パックの重量または体積)

 

コストとハイブリッド電池パック

 「ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池と互換性があり、補完的である。China Dailyによると、多様な技術ルートも業界の長期的な発展にとって重要な保証である。」とCALTの創設者兼会長であるRobin Zeng Yuqunは木曜日に述べた。

 ナトリウム・イオン電池のコストはリン酸鉄リチウム・イオン電池と競争力があると予想される。中国のメディア筋によると、第一世代の電池価格は kWh当り77ドルになると予想される。大量生産により、この数値はkWh当り40ドルを下回る可能性がある。ナトリウム電池セルは現在のセル製造設備を使用して製造できるため、コストを抑えることができる。しかし、良いニュースはそれだけではない。CALTは、リチウム電池とナトリウム電池を同じ電池パックに統合する新しい電池管理システムを開発したと述べている。つまり、メーカーは様々な気候のドライバーのニーズを満たすように調整された電池パックを作成できることを意味する。ミネアポリスではナトリウム電池を増やし、モバイルでは減らす。ナトリウム電池が増えると言うことは、自動車が寒い日に回生ブレーキからより多くの電力を利用できることも意味する。

 同社は「電池システムの革新に関して、CALTは電池システム統合において別のブレークスルーを達成し、ナトリウム・イオン電池とリチウム・イオン電池を一定の割合で混合して組み合わせ、それらを1つの電池システムに統合し、BMS精密アルゴリズムを通じて様々な電池システムを制御するAB電池システム解決策を開発した。

    「AB電池システム解決策はナトリウム・イオン電池の現在のエネルギー密

度不足を補うことができ、低温での高出力と性能の利点を拡大することも

できる。この革新的な構造システムのおかげで、リチウムナトリウム電池

システムの用途シナリオが拡大する。」

数十年前の技術の世界では、コンピューター・チップのパワーの向上はめまぐるしいペースで行われた。問題は、もはやピンの頭の上で何人の天使が踊ることができるかではなく、小さなシリコン片にいくつかのトランジスターが収まるかと言うことであった。

今日、電池技術の進歩はますます加速している。2030年に使用されている電池は、現在利用可能なものよりもはるかに高度になる。昔は電気自動車の充電に30分かかったと言うと、孫達は目を丸くしてクスクス笑う。未来はすぐそこにある。待ちきれない!