BYD電池ニュース -中国のナトリウム・イオン電池、
インドに10億ドルの工場
BYD Battery News - $1 Billion Factory in India, Sodium-Ion Batteries in China
By Steve Hanley
https://cleantechnica.com/ 2023.07.15
BYDはインドの新工場を含め、世界中で事業を拡大している。アメリカ市場をターゲットにするまでどれくらいかかるか?
テスラは今週インドに製造工場を建設し、2万5000ドル以下で販売する自動車を生産する計画を発表した。なぜそうではないのか?インドは人口が世界最大の国であり、新車市場は第4位である。また最近、インドが電気自動車革命の主要なプレーヤーになる可能性がある大規模なリチウム鉱床も発見した。現在、テスラに次ぐ世界第2位の純電気自動車メーカーであり、プラグイン自動車の最大メーカーであるBYDも今週、インドに電池工場を建設する意向を発表した。
ロイター通信によると、BYDは地元企業と提携してインドで電気自動車と電池を製造するための10億ドルの投資提案を提出したと、この計画を直接知る関係者3人が明らかにした。そのパートナーはHyderabadに拠点を置くMega Engineering and Infrastructuresである。
BYDはすでにインドで存在感を示しており、Atto 3 SUVとe6セダンを法人向けに販売している。同社は今年後半に高級電気セダン「シール」を現地で発売する予定である。3人の関係者のうち1人によると、長期的にはBYDはインドでハッチバックから高級モデルまで電気自動車のラインアップを製造する予定である。
インドのBYD新工場の生産能力は現時点では不明であるが、関係者によると、同社は今後数年間でインドでの電気自動車生産を年間10万台に拡大する予定であるが、まずは組み立てられる車両部品の輸入から始まる可能性が高いという。インド国内でサプライチェーンを確立すると同時に、ロイターが取材した関係者によると、この投資提案には、インドに充電ステーションを設置し、研究開発やトレーニング・センターを建設するというBYDのメガエンジニアリングによる計画も含まれているという。
インドのBYD
インドでは以前の中国と同様、外国製自動車に単純に門戸を開放するとこを望まず、最大100%の輸入関税を課している。代わりに企業が地元企業と合弁事業を設立することを奨励している。BYDはその指針に従っているが、テスラは中国で上海に工場を建設することを決めたときと同じように、その要件を回避したようである。
インドの投資規制により、中国の長城汽車はインド市場への10億ドル投資計画の断念を余儀なくされ、中国国有自動車メーカー、上海汽車のMGモーター部は現地パートナーを探すよう迫られた。MG Cometは基本的にはWuling Airのバッジを付け直したバージョンで、現在、インドで入手可能な電気自動車の中でも最も安価な自動車の1つである。オプション次第では10万円以下で販売可能である。
インドの自動車販売に占める電気自動車の割合はわずか1%である。Tata Nexon EV
は約1万8000ドルで販売されており、現時点で国内で最も売れている電気自動車である。
BYDは携帯電話メーカー向けに電池と部品を生産し、2007年にインド市場に参入した。2013年、Olectra Greentechという合弁会社のもと、Megha Engineeringと電気バスの製造を開始した。
インドへの投資が承認されれば、BYDはアメリカを除く世界の主要自動車市場すべてで存在感を湿すことになる。その意味について少し考えてみよう
BYD、中国でナトリウム・イオン電池の生産を開始
CNEvPostは、BYDがナトリウム・イオン電池の生産を開始する計画を進めていると報じた。同社は、FinDreamsの電池製造子会社と淮海控股集団との間で合弁会社を設立し、江蘇省の徐州経済技術開発区でナトリウム・イオン電池を製造する予定である。
両社は共同プレス・リリースでこの合弁会社が軽自動車および超小型自動車用のナトリウム・イオン電池の世界最大のサプライヤーになると述べた。と言うことは、それらは自動車に組み込まれるか、あるいは電動モペットやスクーターなどに使用されることになるのであろうか?我々はその質問に対する答をまったく知らない。
ナトリウム電池は豊富で安価な材料を使用するが、従来のリチウム・イオン電池のようなエネルギー密度はない。そのため、都市部の短距離交通には適しているが、大型車や高価な車には適していない。中国のマスコミでは、BYDが今年末までに小型電気SUV「Seagull」にナトリウム電池を搭載すると言う噂が流れたが、BYDはその憶測を強く否定した。Seagullは現在生産中であるが、ナトリウム電池が搭載されているという言及はない。
リリースによると、Huaihaiはマーケティングや用途シナリオを含むリソースを提供し、FinDreamsは製品とサービスを提供するという。淮海は、ナトリウム電池の経済的、社会的価値が非常に大きいと考えており、数年前にナトリウム・イオン電池の新興企業Natriumへの戦略的投資を皮切りに業界への関与を開始したと述べた。
中国のナトリウム電池
2月、電池メーカーの日菜電池はナトリウム・イオン電池3製品を発表し、JACとしても知られる安徽江淮汽車集団との提携を発表した。日菜電池とSehol (JACとフォルクスワーゲン安徽省の合弁ブランド)は、後者のSEhol E10Xモデルをベースにしたナトリウム・イオン電池を搭載した試験車両を共同製作した。
CALTは4月16日、同社のナトリウム・イオン電池が奇瑞自動車のさまざまなモデルに初めて採用されると発表した。CALTは2021年7月に第一世代のナトリウム・イオン電池を発表し、電池のエネルギー密度は160 Wh/kgに達したと発表した。
4月20日、中国メディア36krは、CALTとBYDが今年、量産車にリチウム・イオン電池とナトリウム・イオン電池を混合して使用すると報じた。今年初めからリチウム価格が大幅に下落したにもかかわらず、ナトリウム電池は寒冷地での性能が優れており、価格も安い。その結果、ナトリウム・イオン電池の低コストの利点の一部が損なわれてしまった。
中国乗用車協会は5月22日の報告書で、材料コストが低いにもかかわらず、ナトリウム・イオン電池が電気自動車に受け入れられるのは難しい可能性がある。と述べた。材料のコストは、最新の電池の総生産コストの1つの要素にすぎない。
テイクアウト
BYDは一部の車両におけるナトリウム・イオン電池の役割を明らかに考えているが、ここでの大きなニュースは、同社がアメリカを包囲していることである。アメリカで自動車の製造と販売を開始するまでどれくらいかかるであろうか?同社はすでにカリフォルニアに大規模な電動トラックとバスの工場を持っており、アメリカでビジネスを行うのは珍しいことではない。
これが予測であり、それはまさに貴方が支払った金額に相当するものである。BYDは2027年までにメキシコで製造された自動車のアメリカでの販売を開始する。それをカレンダーにマークして下さい。我々がそう言うのは愚か者か先見の明があるかのどちらかであるが、Clean Technicaの従業員ラウンジにあるテスラ・ステーションでは、その主張が的外れであるとは誰も考えていない。見てみよう。