塩の神話を揺り動かす:健康に良い塩の推薦
Shaking up the Salt Myth: Healthy Salt Recommendations
By Chris Kresser
https://chriskresser.com/shaking-up-the-salt-myth-
healthy-salt-recommendations/ on May 4, 2012より
今までに十分に理解したであろうように、塩は過去の世紀で公衆保健政策と共に人類の文明発展の両方に非常に多彩な歴史を持ってきた。塩は何千年もの間、多くの文化によって始めから評価されているが、過去の世紀において、塩は悪魔とされてきた;ある者は供給される食品の中で塩は最も有害な単一の物質であると呼んできた。しかし、我々は知っているように、ナトリウムは最適な健康で非常に重要な役割を演じており、あまりにも少なすぎる塩摂取量は長期的には危険となる。
「塩の神話を揺り動かす:塩の歴史」で私は塩の生産と用途の歴史と旧石器時代の食事と新石器時代の食事における塩の立場を述べた。「ヒトの塩の必要性」では、私は人体における塩の生理学的役割と基本的な塩の必要性を説明した。「減塩の危険性」では、不必要な減塩の潜在的にネガティブな健康結果を私は調べた。「塩が正当化されるとき」では、減塩が必要であるかもしれない条件と血圧を決定するに本質的な他のミネラルを述べた。
高濃度最後の論文で、私が推薦する塩の種類と、ほとんどの人々にとってどれくらい多くの塩が理想的であるかについて述べよう。
食事にはどれくらい多く、またどんな種類の塩が含まれているか
研究によると、ほとんどの人々にとって最高の健康結果をもたらすような塩摂取量の範囲がある。3部で示したように、2011年研究からの結果は10.2 – 15.2 g/dの塩摂取量で最低の死亡率を示している。17.8 g/d以上または7.6 g/d以下の塩摂取量は脳卒中、心臓発作、死亡の高い危険率と関係していた。この最低の危険率範囲は1日当たり茶さじ約2,3杯の塩に等しい。
平均的なアメリカ人は約9.4 g/dの塩を摂取している。高血圧や心疾患の罹患率上昇にもかかわらず、この値は過去50年間一定のままであった。比較として、世界で最高の寿命の一つである日本人は平均11.8 g/dの塩摂取量であり、ほとんどの他の先進国よりも心血管疾患の危険率は低い。公衆保健機関が減塩するように試みてきたにもかかわらず、日本人の平均塩摂取量は過去30年間、低い危険率範囲で絶えず推移してきた。日本人も脳卒中の高い危険率を持っていると警告されているので、彼等の極端に高い塩摂取量は我々自身の摂取量モデルとして必ずしも勧められない。
塩勧告値は年齢、性別、運動量、健康状態に基づいて個人間で変わるが、データは7.6 – 17.8 g/dの塩摂取量を支持していると私は思う。激しく運動する人または多くの汗をかく人は高い方の側で塩を摂取しており、あまり運動をしない人々は低い方の側で塩を摂取したいと望んでいるかもしれない。もちろん、中程度の減塩が正当化される条件がいくつかあるかもしれないが、健康な人々の大多数は食事に適当量の塩を加えて塩味にする。ナトリウムの自然な給源は海藻、魚、貝、肉それに砂糖大根、ニンジン、セロリー、ほうれん草、カブのようないくつかの植物である。
どの様な種類の塩を買うべきか?
旧石器時代の社会でしばしば浮かび上がってくる一つの質問はどんな種類の塩が一番良いかである。これは答えるのに難しい質問である。市場には幅広い種類の塩があり、全ての塩が他の塩に優る健康利益を主張している。これに対しての答えは不明確であるが、通常の食卓塩よりもより良い選択となるいくつかの塩のミネラル含有量と風味強度で差を示すいくつかの研究がある。
魅力的な1980年研究は塩生産の様々な土着の産業革命前の方法とそれぞれのミネラル含有量を調べた。いくつかの塩生産法は海藻や魚の卵を乾燥させ、海水魚の血液や内臓を発酵させ、塩辛い灰を作るために乾燥して焼いたピートに浸した海水を使うことさえ含んでいた。この研究は、市販されている色々な海塩と他の“健康塩”ともどもこれらの伝統的な塩と工業的な食卓塩とのミネラル含有量を比較した。土着の塩は食卓塩や海塩よりも必須と必須でない痕跡元素を併せて高いことが分かった。
我々のほとんどはこれらの伝統的に製造された塩を入手できない。幸いなことに、海塩と他の市場で入手できる自然塩は精製された食卓塩よりも高い痕跡ミネラル含有量を含んでいることが示された。本研究で、海塩のミネラル含有量は収穫場所によって違うが、テストした全ての塩(食卓塩を除く)は痕跡ミネラルの様々な量を含んでおり、少量のカルシウム、カリウム、マグネシウム、硫黄、亜鉛、鉄を含んでいた。各種の自然塩はミネラルの種類のために異なった時間強度のプロフィールも持っており、食卓塩と比較して同じ味覚強度を達成させるために必要な塩の量は少ない。
推奨されない塩の種類
食用に勧められない一つの海塩はその高い臭素含有量のために死海塩である。死海は世界のあらゆる大規模な水で最高の臭化物濃度であり、臭化物の毒性は摂取した後で出てくる。海塩は今日の海洋汚染濃度のためにもはや健康に良くないとある者は主張する。しかし、これについてのエビデンスは乏しい。これが問題であれば、ユタ州の鉱床からのリアル・ソルトやヒマラヤのピンク・ソルトのような古代の地質学上の海洋から出来た塩があり、それらは世界の海洋の多くからの塩と同じ汚染濃度ではなかった。
逆に通常の食卓塩は高度に加工されており、一般的に痕跡ミネラルはなく、ケイ酸アルミン酸ソーダやフェロシアン化ソーダのような固結防止剤を望ましくない添加物として普通含んでいる。したがって、一般的に食卓塩を避けることは良い考えである。しかし、かつてヨード添加された食卓塩が食事から除かれたので、他の給源から十分なヨード摂取量を確保できるように注意しなければならない。
塩を強調しない!
塩に関して存在する矛盾した研究の量はびっくりするほどである。何百もの研究が塩摂取量に関して行われてきた。様々なネガティブな健康結果におけるナトリウムの役割について一貫したパターンは確立されなかった。アメリカ人が摂取する塩の量を減らす試みに非常に多くの時間、エネルギー、費用が費やされたことは最低で、この問題に関して如何にエビデンスが弱いかを考えると、ばかばかしいように思われる。
結局、自然食の旧石器時代の食事に未精製の塩を加えることが完全に健康によいと言うのが私の見通しである。穀物食品や加工食品を制限することにより、食事中の塩量は標準のアメリカ食と比較して既に劇的に低下している。少量の塩はいくつかの健康に良い食品、特に苦味のある野菜を食べ易くする。このシリーズで私が提示したエビデンスを考えると、全員に減量することは不必要であるばかりでなく、潜在的に危険であると私は信じている。
さて、私はあなたの意見を聞きたい。私は塩に関するあなたの考え方を変えられたか?私のデータ解析にあなたは賛同しないか?あなたの考えを知らせて下さい!