戻る

研究は塩と高血圧の関係に疑問を呈す

Study Questions Salt, Hypertension Link

Clinical Advisor 2011.05.04

By Nicole Blazek

 

 低い尿中ナトリウム排泄量は心臓血管疾患による死亡を減らす、または生存率を改善することと関係してなかったことを新しい研究結果は示し、人口全体でナトリウム摂取量を減らすことが好ましいと言う現在の勧告の本当の健康利益について疑問が生じてきた。

 ヨーロッパの研究者達は、尿中ナトリウム排泄量が増加するにつれて収縮期血圧は上昇するが、拡張期血圧は上昇しないし、高血圧や心臓血管疾患の合併症について患者に危険性はないことを知った。事実、アメリカ医学協会誌の54日号に発表されたデータによると、低いナトリウム排泄量の患者は心臓血管疾患による死亡について最大の危険率であった。

 “ひとまとめにして考えると、我々の現在の結果は低い塩摂取量で救える命や減らせる医療費のコンピューター・モデルの推定値に異議を唱えている。”とベルギーのルーベン大学とポーランドのクラコウにあるジャギーロウニアン医科大学のKatartzyna Stolarz-Skryzpek博士と他のいくつかのサイトからの仲間たちは書いた。

 ナトリウム排泄量、血圧変化、7.9年間という中央値での死亡率と疾患率との関係を調べるために心臓血管疾患でない3,681人からなる展望的な集団に基づく研究を彼等は行った。研究者達は、完全で正確な尿収集を行い降圧剤治療をしてない1,429人の参加者で6.1年の中央値について24時間尿中ナトリウム排泄量と血圧変化を解析した。

 ベースラインで高血圧でない2,096人の患者を含むコホ-トという別の小区分で、研究者達は中央値で6.5年間の追跡中に条件の影響を調べた。患者は低(平均107 mmol)、中(168 mmol)、高(260 mmol)のナトリウム排泄量グループに分けられた。ベースラインでの患者の平均年齢は低い三分位数の40.9から中の三分位数の38.6までと高いグループで38.6の範囲であった。

 心臓血管疾患による死亡と24時間尿中ナトリウム排泄量との間に研究者達は逆相関を見出し、三分位数の間では死亡数は低下し、最低の三分位数で50人、中の三分位数で24人、最高の三分位数で10人であった。心臓血管疾患による死亡の危険率は最低の三分位数の参加者で有意に上昇した。

 さらに、尿中ナトリウム排泄量は高血圧発症率と関係なかったことをデータは示した。最低の三分位数の患者で新しく187人が高血圧になり、最高三分位数では175人、中間三分位数では190人であった。

 多変数解析では、ナトリウム排泄量100 mmolの増加当たり収縮期血圧が1.71 mmHg増加したが、拡張期血圧には変化が見られなかった。研究者達はいくつかの研究の限界を知っていた。それらには心臓血管疾患による死亡率を低く見積もるかもしれない若者集団と短い追跡期間、個人の塩感受性を調べられないこと、白人のヨーロッパ人だけで構成されたコホ-トがあった。“結果はアジア人や特に黒人に外挿できなかった。彼等は白人よりも塩感受性であったから。”と研究者達は書いた。

 彼等はまた、結果は既に高血圧である患者で塩摂取量の血圧低下効果を否定ことも強調した。アメリカ心臓協会によると、平均的なアメリカ人は1日当たり約3,500 mgのナトリウムを摂取するが、協会は2020年までに1日当たり1,500 mgまで人口全体で塩摂取量を下げる目標を設定している。