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塩を超える:ナトリウムは21世紀に力を与えられる

Pass the Salt: Can Sodium Power the 21th Century

By ANSTO staff

https://www.ansto.gov.au/       2021.05.28

 

ANSTO (Australia’s Nuclear Science and Technology Organization)はオーストラリアで最も重要な機関であり、研究のための国家基幹施設の本拠地である。産業界や学界の何千人もの科学者達が毎年最先端の機器にアクセスできるようになることで恩恵を受けている。

 

ANSTOの研究者達が電池技術の代替要素の周期表を調査することで、今世紀の電力供給方法を変える競走が続いている。ANSTOの重要な資源はこの科学世代の「宇宙開発競争」になるために進化している電池研究に捧げられてきた。

 おそらく驚くべきことに、原子力機関から注目されている要素は塩である。ANSTOのオーストラリアン・シンクロトロンであるQinfen Gu博士の粉末回折ビームライン・チームのリーダーは日常生活への影響を調べる際に、電池研究の重要性を過小評価することは出来ないと述べている。「我々が力を利用する方法は変化している。我々が家の中で電気自動車や太陽光発電に移行するとき、信頼できる電池はその変革の重要な部分である。」とGu博士は言った。

現在、世界は主にリチウムに依存しているが、これは有限の資源であり、より環境に優しく、より実行可能で、より安価な代替品を確立する動きがある。」ANSTOは現在、定置型エネルギー貯蔵の主要な電池としてナトリウムがリチウムに取って代わる可能性があることを調査している。「リチウムは依然として電力貯蔵のための最も効率的で強力な既知の要素であるが、スマートフォンから道路標識まで、我々の生活の多くが電池電源を必要とするにつれて、リチウムがもはや経済的に実行可能な選択肢ではなくなる時が来るだろう。」とGu博士は言った。

 「一方、ナトリウムは海水から簡単に収穫できる。そのため、ナトリウム電池を原子以下のレベルで調べて、リチウムよりも良くなければ、それらを同様に機能する可能性のある代替品にする方法があるかどうかを調べている。」ANSTOの研究者達が検討している大量の要素オプションには、カリウムと亜鉛が含まれる。これらはリチウムがピークに達して通過する日の準備にも役立つ可能性がある。

「電池に関連しては、世界は時代の先を行く必要がある。我々は台湾国立中正大学使い果たして、「次は何か?」と尋ねることはできない。だからこそ、我々は美来を動かすためのより安価で、より実行可能な解決策を探している。

 南半球で最大のオーストラリアン・シンクロトロンは、科学者達が新しい、より効率的な電源を開発するために起こっている分子構造反応を

研究するために必要で不可欠な装置である。

 

以下のGu博士の以前の研究について以下を読んで下さい:

 ウロンゴン大学の研究者達が率いる大規模な共同研究では、オーストラリアン・シンクロトロンを使用して、非常に長寿命の充電式ナトリウム・イオン電池用の有望な炭素コーティングされた陽極材料を調査した。

 研究は新しい化合物である鉄ベースのピロリン酸ベースのナトリウム複合材料が、大規模用途、例えば、風力や太陽光電力貯蔵用の他の鉄ベース陽極材料と競走できることを示した。その電荷保持能力は5℃で1,100サイクル後に90%に近かったからである。

 低エネルギー密度、ナトリウム動態の鈍化、およびサイクル安定性の低さが、リチウム電池に代わる安価な代替品としてナトリウム・イオン電池を広く使用する上での主な障壁となっている。

 シンクロトロンAdvanced Materialsで報告されているように、新しい陽極材料であるNa3.32Fe2.34(P2O7)で機能している電気化学的メカニズムを調査するために使用された。新しい化合物の複数の陰イオンはユニット・セル内のわずかな体積変化で高い構造的および熱的安定性を提供する。粉末回折ビーム・ラインの上級科学者であるQinfen Guはナノ粒子を介してX線を送信しながら、リアルタイムで電池を充電および放電することが可能であると述べた。これにより、サイクリング中に陽極材料の構造レベルで何が起こっているかが明らかになった。

 連続的な格子呼吸によって示唆される可逆的な電気化学反応もまた材料中で起こった。「ナトリウム・イオンの動きにより陽極が膨張または収縮し、材料が劣化して電子の動きが妨げられる可能性がある。」とGuは述べている。この場合、研究者達は格子定数とユニット・セルのわずかな変化だけが、サイクリング中の構造の安定性を強力にサポートすることに注目した。

 陽極材料に炭素コーティングを施すことで、熱的および構造的安定性が向上し、導電性が向上し、拘束容量に貢献した。研究者達はまた優れた電気化学的性能は材料の様々な層を横切る電子の移動速度の劇的な増加と、均一なアモルファス炭素層によるナトリウム・イオンの移動の加速に起因すると考えた。実験により、炭素コーティングがないと材料は非常に急速に劣化し、500サイクル後に電荷保持能力が低下することが確認された。「電解質が陽極材料を攻撃し、炭素コーティングがこれを遅くする。」とGuは説明した。

 材料は主に豊富な元素、ナトリウム、鉄で構成されており、安全性が向上しているため低コストである。その他の協力機関には、南華大学、クイーンズランド大学、四川大学(中国)が含まれる。