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塩はアレルギーで役割を演じる

高塩濃度はアトピー性皮膚炎に冒された人々の皮膚にあり、アレルギー疾患の発症に関連したTヘルパー細胞の分化を促進させる。

Salt Could Play a Role in Allergies

By Abby Olena

TheScientist February 20, 2019

 

 過去50年間にわたって、アレルギー疾患と自己免疫疾患の頻度は急速に上昇したが、理由は明らかでない。今日(220)発刊されたScience Translational Medicineの研究で、研究者達は潜在的な犯人:塩を指摘する。著者らは実験室の実験で、高濃度の塩化ナトリウムはTヘルパー細胞2(Th2)、アレルギーの原因である免疫細胞の分化に影響を及ぼし、そして高濃度の塩がアレルギー性皮膚炎状態であるアトピー性皮膚炎の人々の影響を受けた皮膚にあることを明らかにした。

 “これらはあまりにも完全に異なっているので私が好きな研究の種類で、アレルギー疾患のこの流行を理解には本当に大きな進歩はなかったので、我々が必要としている研究の種類である、”と研究に参加しなかったオーストラリアのモナッシュ大学の免疫学者であるチャールス・マッケイは言う。“どうして我々はアレルギーまたはアトピー性皮膚炎になる”かの研究で、“私は環境要因について考えることを試みる”と彼は付け加える。この研究は“Th2免疫に対する興味深い新しい角度である。”

 花粉症やアトピー性皮膚炎は、研究者達が意識や診断の向上に寄与しないことが急増した1970年代以来、両方とも2倍以上増加してきた。この最近のアレルギー疾患発症の増加はあまりにも早く遺伝的変化によって説明できないので、環境または行動的な原因によるためとではないかと共著者であるミュンヘン工科大学のクリスティナ・ジーリンスキィはThe Scientistに語っている。“過去5,60年に変わった1つのことは我々の食事である。我々は多くのファーストフードを食べており、コレステロールには多くの塩が含まれ、それで塩が免疫系を変えるかどうかと言う疑問に我々は関心を持つようになった、”と彼女は言っている。

 ジーリンスキィと彼女の同僚は、前に抗原に曝されたことに基づいて化学信号の複雑なセットを発揮するヒトのCD4陽性の記憶T細胞か前に抗原に曝されなかった陰性T細胞のいずれかを増殖させるために使われる組織培養培地中の塩化ナトリウム濃度を増加させることによって始めた。両方の細胞種で、高塩分濃度がTh2細胞分化を促進することを示すTh2細胞への特異な転写要因とサイトカイニンの発生量を塩は強める。塩の効果は2つの塩感受性転写要因を通したTh2に関連したプログラムを強化するように思えることも研究者達は明らかにした。

 皮膚に赤くかゆい斑点を発生させるアレルギー状態であるアトピー性皮膚炎成人の皮膚中の塩濃度を著者らは次に比較した。疾患のある皮膚は患者の疾患のない皮膚や健常な状態の皮膚よりもナトリウム濃度は30倍も高かった。チームはまた、赤く炎症を起こした皮膚の斑点によって特徴付けられる自己免疫不全である乾癬のある人々の疾患のある皮膚とない皮膚中のナトリウム濃度も調査した。アトピー性皮膚炎と乾癬は両方とも慢性的な炎症のある皮膚状態であるが、乾癬は別タイプのTヘルパー細胞によって媒介される。彼等は乾癬障害と影響を受けていない皮膚の塩濃度に差を見出せなかった。そのことは、彼等がアトピー性皮膚炎の人々で観察したナトリウム濃度差による炎症に対する役割を除外するようにさせた。

 “アトピー性皮膚炎が…非常に熱心に研究され、誰も塩化ナトリウムが役割を演じているとは考察してこなかったので、我々は非常に驚いた、”とジーリンスキィは言っている。次の段階は塩とアレルギーとの関連を研究することである、と彼女は付け加えている。

 研究に参加していない国立ガン研究所の免疫学者であるシュアン・ウによると、この関連は皮膚の微生物群系と同様に表皮細胞と皮膚細胞の近くで影響を及ぼしている。“皮膚は巨大な粘膜表面であり、大量の微生物が住んでおり、…Th2応答が興味ある皮膚バクテリアとどう言うわけか接続されているかどうかを研究している、”と彼は言っている。著者らはその研究で、アトピー性皮膚炎の人々はしばしば皮膚上で塩を好む微生物のStaphylococcus aureusの異常増殖をさせていることを考察している。そのことは今まで説明されてこなかった。

 高塩食は腸管の微生物に影響を及ぼすことが前に示されたので、マッケイは、消化管の微生物も含まれていると指摘する。“食事からの塩はアトピー性皮膚炎にどのように影響を及ぼすか?あるいは彼等がまだ調査していない消化管との関連があるのか?”と彼は尋ねている。

 “この食事との関連は今でも非常に推論的である。幾つかの相互関係と結合があるが、明確な証明はまだない、”とジーリンスキィはあ言っている。“皮膚のナトリウム蓄積は食事とは完全に関係のない幾つかの自律的な皮膚内因性のルールに従っているらしい。”