この光り輝く塩の山に踏み込む
Step inside This Glittering Mountain of Salt
By Jennifer Nalewicki
Smithsonian Magazine 2018.08.29
氷山に似て数百万年前に形成されたMuntanya de Salは世界唯一の塩山の1つである
Muntanya de Sal (JackF/iStock)
遠くから見ると、Muntanya de Salは通常の他の山のように見える。しかし、その麓で見ると、ヨーロッパの他の山とは全く違って見える。なだらかな景観を貫く他の露頭とは違って、Muntanya de Salは塩で出来ている。スペイン、バルセロナの約60マイル北西にあるカルドナ村に位置するMuntanya de Salまたは塩山は何世紀にもわたってその地域に住んでいる人々の重要な資源であった。歴史家によると、日用品として使うために表面から塩を採取する現地の最も古いエビデンスは新石器時代(紀元前約10,000年)にしばしば現われていた。
“後にイベリア人、ローマ人、中世に住んでいた人々、等も同じ事をしていた、”とMontse MalavéはSmithonian.comに語る。彼は町の歴史遺産を保護し保存する機関であるFundación Cardona Históricaの歴史家である。“塩は非常に価値があったので、幾つかの時代には通貨としても使われた。人々は市場に行き、塩の破片を使って支払えた。この山は塩の山のようで、塩は‘白い金’と呼ばれた。”
数年後に、塩山文化公園がその地域で最高点の1つにするように高さ400フィート弱の所に完成した。しかし、約4,000年前のその地域はカンタブリアン海に取り囲まれた完全に海面下であった、とマラベは説明している。
“時代が経つにつれて、北の入り口は閉じて、海のこの部分は湖になり、そこは結局、干上がって大量の塩が底に沈積し水平な層を作った。この工程の最後に、塩の層は堆積物で覆われた。これは海で覆われた土地全体で起こったが、塩が表面に現われた場所はカルドナのこの場所だけであった。これはピレネー山脈の強い[上昇]圧力によって起こり…2つの地殻プレートの間の押し合いの結果であった、”
と彼は言っている。
スペイン、カルドナにあるMuntanya de Salまたは塩の山で数百万年前に形成された (J2R/iStock)
Muntanya de Sal (JackF/iStock)
Muntanya de Sal (JackF/iStock)
Muntanya de Sal (JackF/iStock)
Muntanya de Sal(J2R/iStock)
Muntanya de Sal(J2R/iStock)
Muntanya de Sal (JackF/iStock)
Muntanya de Sal (Wikicommons)
マラベによると、約2百万年前のピレネー山脈の形成中に、地下の塩層は押されて折り曲がり上方向に押され、地下の塩層を形成した。堆積物で出来ている最上層は浸食により薄くなり、表面で塩が結晶になる。興味深いことに、表面下で生じている一定圧力の結果、山脈は高く成長し続け、地下と表面の両方に塩鉱床がある地球上で数少ない場所の1つである。
1929年から1990年まで、塩の山は塩化カリウム用の世界最大の鉱山の1つであった。塩化カリウムは農業、医薬、食品加工 を含む産業の多くの産業によって求められている金属ハロゲン化物塩である。残りの塩鉱床は深さ約1マイルと同じ長さで伸びており、かつての鉱山施設は人気の観光地となった。今日、文化公園は鉱山内の1時間ツアーを提供しており、そこで、観光者はきらめく塩の鍾乳石、石筍、柱を強調したトンネルを歩ける。“塩の壁はピンク色/赤色、灰色そして白色である。観光者は塩によって完全に囲まれる、”とマラベは言う。