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高塩食はNK細胞と腸内細菌叢の相互作用を媒介し、強力な腫瘍免疫を誘導する

High-Salt Diet Mediates Interplay between NK Cells and Gut Microbiota to Induce Potent Tumor Immunity

By Zaigham Abbas Rizvi, Rajdeep Dalal, Srikanth Sadhu, Yashwant Kumar Sonu Kumar Gupta, Manas Ranjan Tripathy, Deepak Kumar Rathore and Amit Awasthi

Science Advances 2021;7:eabg5016    2021.09.10

 

要約

 高塩食は自己免疫疾患において奏効体および制御性T細胞の機能を調節し、組織の炎症を促進する。しかし、高塩食の影響と腫瘍免疫における腸内細菌叢との関連は未定義のままである。本研究では、高塩食がPD-1発現を阻害し、1FNγと血清馬尿酸を亢進させることで、ナチュラルキラー(NK)細胞媒介腫瘍免疫を誘導するこれらのことを報告する。塩は最適用量の抗PD1抗体と組み合わせると腫瘍免疫を高めた。腸内細菌叢が枯渇すると高塩食誘発腫瘍免疫が鈍化する一方で、高塩食マウスからの糞便微生物叢移植はNK細胞機能に関連する腫瘍免疫を回復させた。高塩食はビフィズス菌の存在量を増加させ、腸透過性の増加を引き起こし、ビフィズス菌の腫瘍内局在を引き起こし、NK細胞の機能と腫瘍退縮を増強した。ビフィズス菌の腫瘍内注射はNK細胞を活性化し、腫瘍増殖を抑制した。これらの結果は、高塩食が潜在的な翻訳の観点からNK細胞依存性腫瘍免疫を誘導する腸内細菌叢を調節することを示している。

 

はじめに

 食事成分は免疫恒常性と腸内細菌叢の組成を調節することにより、人間の健康に影響を与える。塩分を多く摂取する(4%高塩食)ことは、強い炎症反応に関連する強力な免疫調節物質として特定されている。最近の研究では、高塩食が潰瘍性大腸炎および自己免疫性脳脊髄炎における組織炎症を悪化させ、増強Tヘルパー17細胞の発生と機能に関連した心血管疾患の危険率を増加ささせることを明らかにした。他の研究では、高塩食がマクロファージをM1様表現型に分極させ、インターフェロンγ応答の上昇と関連していることが報告されている。健康な人間の参加者に関する長期的研究では、高塩食と単球頻度の間に強い相関関係があることが分った。これらの観察に基づいて、高塩食はチェック・ポイント阻害剤の発現や主要組織適合遺伝子複合体I分子のダウンレギュレーションなど、腫瘍微小環境に関連する免疫抑制状態を克服する可能性のある炎症トリガーとして機能する可能性がある。最近の研究では、高塩食が骨髄由来サプレッサー細胞に依存している可能性のある腫瘍増殖を阻害できることを示している。

 以下、専門的内容であるので省略。

 

結果

高塩食は同系マウス腫瘍モデルに堅牢な腫瘍免疫を与える

NK細胞駆動型」IFNγは高塩食を介した腫瘍免疫に必須である

塩は血清馬尿酸濃度の上昇を伴う血清のメタボロミクス変化を誘導する

塩増強抗PD1治療と腫瘍退縮

腸内細菌叢は高塩食媒介性腫瘍免疫に不可欠である

高塩食給餌マウスからのFMTは腫瘍退縮をもたらす

高塩食は腸透過性の増加とビフィズス菌の腫瘍内局在をもたらす

 

考察

 以上の章と節は専門的であるため省略する。