塩に関する12の驚くべき事実
12 Amazing Facts about Salt
By Jen McCaffery
Reader’s Digest 2019.04.16
1. 古代ローマでは塩が非常に貴重であったため、兵士の給料として塩が使われることもあった。実際、「salary(給料)」という言葉はラテン語の「sal」(塩)に由来する。兵士がろくでもない仕事をすると給料が減額されることがあり、「not value his salt (塩に値しない)」という表現が生まれた。
2. 歴史的に塩の価値は食品の保存性にあった。イタリアのヴェネチアは今では運河で有名であるが、13世紀末には塩の輸入が大きな貿易大国として台頭した。
3. 塩はまたは、象徴的な意味合いを持つようになった。聖書の中で塩が何度も言及されているのには理由がある(「地の塩」「塩の柱」「塩の契約」)。その保存性から、塩は永続性と信念の適切な比喩となったのである。
4. ナトリウムの健康リスクについては多くの人が知っているが、摂取量を減らすのは言うほど簡単ではない。インド食品安全基準局によると、平均的なインド人は1日に約10 gの塩を摂取しており、これは推奨量の2倍に相当する。塩の味は後天的に変化するため、幼い頃から摂取量を減らす努力をすることは可能である。
5. フライドポテトでさえ、必ずしも最大の原因ではない。2012年に行なわれた、各国のファーストフードのナトリウム含有量を調べた研究では、ピザやハンバーガーはフライドポテトよりもナトリウム含有量が多いことが分った。これは、ピザやハンバーガーの方が1食分の量が多いためである。
6.食事に気を付けていても、余分な塩が潜んでいる可能性がある。より健康的な食習慣を身につけよう。サラダ、フルーツ、ヨーグルトに塩を振り掛けるのは避けよう。サラダ・ドレッシング、ピクルス、パパド、ケチャップなどの調味料はナトリウム含有量が高い。
7.海塩は食卓塩よりも健康的そうに聞こえるかもしれないが、どちらもナトリウム含有量はほぼ同じで、約40%である。ナトリウムを含まない調味料を探しているなら、ニンニク、コショウ、オレガノ、セージ、ローズマリーなどのスパイスやハーブを試してみる。
8.高血圧でなくても、2017年に185件の研究をレビューした結果、血圧を下げるために塩の摂取量を減らすことは良い考えである。
9.特に高齢者の場合、塩入れを力強く使うと頭痛を引き起こす可能性がある。American Journal of Public Healthに掲載された高血圧の60歳から80歳までの975人を対象とした研究では、食事中からの塩摂取量を減らすと頭痛のリスクが低下することが示された。
10.それでも我々は少なくともある程度の塩を必要とする。塩は栄養素と酸素の輸送を促進し、神経伝達を助け、筋肉の働きを助ける。平均的な成人の体内には約250 gのナトリウムが含まれており、これは塩シェーカー3~杯分に相当する。
11.インドでは、ヨード添加塩の消費促進活動が1960年代に始まった。1980年代半ばまでに、塩はヨード欠乏症によって引き起こされる甲状腺疾患である甲状腺腫の治療において主要な手段となった。2013年、国家ヨード欠乏症管理プログラムは、2億人以上のインド人が依然としてヨード欠乏症のリスクにさらされていると推定した。
12.死海は海水の約10倍の塩分濃度を誇り、地球上で5番目に塩分濃度が高い水域である。南極にある直径10 cmの水溜まり、ドン・ファン・ポンドは最も塩分濃度が高い水域である。塩分濃度が40%を超えるため、水が凍ることはほとんどない。