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塩論争の両側の反響室

An Echo Chamber on Both Sides of the Salt Debate

新しい解析は、塩が悪く-その上重要なことに、論争中の両側はお互いに議論してない混在したエビデンスを明らかにしている。

By Nathan Collins

Pacific Standard Feb 18, 2016

 

 数十年間、公衆保健当局は、塩が体にかなり悪いと我々に語ってきた。一方、他の人々はその主張の科学的根拠に繰り返し疑問を呈してきた。事実、新しいすべての研究は、それよりも少し悪いことを明らかにしている。すなわち、科学は決定的に結着されていないだけでなく、論争は非常に対立しているので誰も本当の答に近付いていない。

 “多くの点で、この論争舞台で科学文献の不確実性と公衆保健政策を展開する上で関わる決定作成者が表している確信との間の境界線はガタガタに揺れている、”とコロンビア大学公衆保健研究者ルドビック・トリンコート、デビッド・ジョーンズ、サンドラ・ガレアは書いている。例えば、WHO5.1 g/d以下の塩摂取量を勧めており、一方、最近の国立科学アカデミー報告は5.8 g/d以下の減塩を支持するエビデンスはなかったと結論を下した。科学界内では、両側に強い意見がある。

 

研究者達は自分達の結果と同様の結論に達した研究を1.5倍引用し勝ちであった

 論争に少し引き付けるために、トリンコート、ジョーンズ、ガレアは塩と健康との関係を調査した269件の研究をまず集めた。それには研究コメント、手紙、あまり総合的でないレビューも含めて前の研究の総合的なレビューやランダム化された試験が含まれている。全てを述べると、これらの研究の54%が塩と健康との関係の存在を支持し、一方、33%が関係を否定し、13%が結論に達していなかった。言い換えると、関係にはいい加減な支持しかない。

 しかし、より興味のある疑問は、塩戦争の戦闘員がお互いの意見を真剣に話しているかどうかである。残念ながら、それは事実ではないようだ。引用ネットワークを解析することによって-すなわち、どの論文が他の論文を引用しているか-研究者達は異なった結論に達した研究と比較して、自分達の結論と類似した結論に達した研究を1.5倍引用し勝ちであることをチームは明らかにした。

 しばしば、塩に関する医学文献の恐らく総合的なレビューでも過去の研究の全てを含めることは出来なかった。事実、トリンコート、ジョーンズ、ガレアが調べた10件の総合的なレビューは同じ実験セットに焦点を置いてもいないし、事実、恐らく徹底した医学文献のレビューは偏向していると示唆された。

 “この特別な論争に横たわる引用パターンは、医学界がこの件に関するデータが知らせるコンセンサスに達するまでに共同で努力しようとしないで、その代わり二つのサイロ()に分かれるように思われることを示唆している、”とトリンコート、ジョーンズ、ガレアは国際疫学会誌に書いている。

 どうして?他の研究者のように、科学者達は“新しいデータが利用できるようになると、再調査を拒んで長い間の信念を”持ちがちになる。一度、意見を持ってしまうと-この場合では塩の保健効果について-新しい情報は心を変えそうにはならない。

 付随する解説で、スタンフォード大学医学教授ジョン・イオナディスはもっとぶしつけであった:“悪い意見は根絶が難しい流行のようなものだ。しかし、より強いエビデンスは上手く行けばこれらの意見の流行を抑えるのに役立つだろう。”