中国人集団における血圧の塩感受性と本態性高血圧に関連する
代謝物の関連性:EpiSS研究
Associations of Metabolites Related Salt Sensitivity of Blood Pressure and Essential Hypertension in Chinese Population: The EpiSS Study
By Xiaojun Yang, Fengxu Zhang, Bowen Zhang, Han Qi, Yunyi Xie, Wenjuan Peng, Bingxiao Li, Fuyuan Wen, Pandi Li, Yuan Sun Aibin Qu, and Ling Zhang
Nutrients 2025;17:1289 2025.04.07
要約
背景:血圧の塩感受性は、本態性高血圧および心血管疾患の重要な危険因子であり、その代謝メカニズムは十分に解明されていない。本研究は、血圧の塩感受性に関連する代謝バイオマーカーを特定し、血圧の塩感受性-高血圧の病態生理におけるそれらの潜在的な媒介効果を調査することを目的とした。
方法:2014~2016年に実施された塩感受性の系統的疫学的研究(EpiSS)に基づき、塩感受性または塩抵抗性に分類された参加者54組を対象とした症例対照研究を実施し、標的メタボロミクスを検出した。多変量ロジスティック回帰分析を実施し、代謝物と血圧の塩感受性および高血圧の関連性を評価した。モデルの診断能力は、受信者動作特性研究分析を用いて評価し、曲線下面積、感度、特異度を算出した。さらに、血圧の塩感受性と本態性高血圧の関係における標的代謝物の潜在的な媒介効果についても検討した。
結果:3つの代謝物が血圧の塩感受性と有意な関連を示した。L-グルタミン(オッズ比0.998、95%信頼区間0.997~0.999)、PC(16:1/14:0)(オッズ比1.039、95%信頼区間1.003~1.077)、およびChE(22:4)(オッズ比1.115、95%信頼区間1.002~1.240)。これらの代謝物の中で、L-グルタミンは血圧の塩感受性の診断効率が最も高かった。3つの代謝物の複合モデルでは、診断効率がわずかに向上した。L-グルタミンとセラミドは、本態性高血圧に対する潜在的な保護因子であることが確認された。さらに、媒介解析により、L-グルタミンは血圧の塩感受性と本態性高血圧の関係を部分的に媒介し、抑制効果を示したことが確認された。
結論:本研究では、L-グルタミンが血圧の塩感受性の診断バイオマーカーであると同時に、高血圧リスクを減弱させる代謝調節因子であることが明らかにされ、血圧の塩感受性の早期スクリーニングと血圧の塩感受性から顕性高血圧への進行を制御する経路に関する知識が得られた。
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