道路用塩の驚くべき歴史
デトロイトには地下の隠し場所がある。
The Surprising History of Road Salt
By Brian Clark Howard
National Geographic 2014.02.14
今年の冬はアメリカの多くの地域で異常に厳しく、道路の雪や氷を溶かすために大量の塩を配置するように輸送機関に要求した。昨年、アメリカ当局は道路に約1,700万トンの塩を散布した、と塩業界グループのバージニアにある塩協会理事長のロリ・ローマンは言っている。今年の合計はより高くなるとローマンは言っている。
アイダホ州の雪と氷の除去を管理し業界グループ北西太平洋消雪士を共同設立したロン・ライトは、この冬、特に東部と中西部では運輸部門が塩を求めて争っている。しかし、シカゴ市長のラーム・エマニュエルは、ウィンディ・シティにはこの冬の需要に対応するのに十分な道路用塩がある、と力説しており、ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモもそう言っている。
この冬大いに求められている塩は魅力的な商品である。
その塩は何処から来るのか？
道路に使われる塩はしばしば岩塩と呼ばれる。素の粒子は食卓塩よりずっと大きいからである。それでも同じ分子の塩化ナトリウムであるが、食卓塩は粉砕、精製され、しばしばヨ－ド(ゴイター発症を減らすため)や固結防止剤のような添加物を加えられる。
製塩には3つの主な方法がある、とローマンは言っている。グルメ料理でよく使われる海塩は海水蒸発、典型的には日光を使って生産される。食品に使われる食卓塩はしばしば「溶解採鉱」を通して製造される。地下に注入した水で塩を溶かし、溶液として回収される。溶液は乾燥され、塩結晶を得る。道路用のほとんどの岩塩は古代の海の蒸発で形成された地下の岩塩層から採鉱される。鉱夫は縦坑から地下に入り、ダイナマイトとパワーショベル・マシンで岩塩を破壊する。トラックやコンベヤーで塩を粉砕器に運ぶ。
岩塩は「世界中から来る」とローマンは言っている。「アメリカ中に鉱山はある。」特にクリーブランド知覚のデトロイトやニューヨーク州、カンサス州、そしてルイジアナ州にある。
デトロイトの自然塩の隠し場所
デトロイトの地下にある岩塩は1895年に最初に発見された。1914年まで資源開発はゆっくりと進み、当時の塩鉱山で毎月8.000トンの岩塩が生産され、その多くは鉱山からロバで運ばれ、下ろされたが持ち替えることはなかったと報告されている。それは地方の資源であったため、デトロイトは1940年にデトロイトの道路に塩を散布した世界で最初の都市であった。デトロイトの塩鉱山は、塩の価格が下がったために1983年にしばらく閉鎖され、1998年に再開された。大規模な複合施設には市内から地下約365 mにある160 km以上のトンネルがあり、北西部のディアボーン郊外から南西部のアレンパークまで延びている。
供給管理
ほとんどの公共事業管理者は必要と考えている道路用塩の125％で冬をスタートする、とロン・ライトは言う。防水シートでまたは屋内に塩を保管することで塩を保護する。今年、多くの地域で起こったように、季節の進行につれてもっと塩が必要になれば、必要に応じて再注文する。塩を受け取るまでに通常、10 - 14日かかる、とイリノイ州シカゴ郊外のメイウッド公共事業部長のジョン・ウエストは言っている。再注文で幾つかの町ではわずかな遅れがあるが、塩不足になることはない、とローマンは言っている。それでも、需要増加のために価格上昇が懸念される可能性がある。ごく最近の再注文で、これまでの契約価格54ドル/トンで購入したとウエストは言っている。追加供給が必要であれば、価格が約100ドル/トンまで上昇するオープン・マーケットで彼は買わざるを得ないかもしれない。そのことは市の予算を圧迫する可能性がある。
ビート汁やチーズ・ブラインのような塩代替物について、どれくらい多くの市が実際にその様な塩代替物を使っているかに関するデータをローマンは持っていない。塩代替物は岩塩の必要性をなくすることはないが、融解速度を上げるため、あるいは必要な塩量を減らすために塩代替物と組み合わせて使われる、とライトは言っている。しかし、「人々はそれでも塩使用を必要としている。」と彼女は付け加える。
最も重要なことに、道路用塩は命を救う。ウィスコンシン州ミルウォーキーにあるマーケット大学が行った研究は、道路用塩は衝突事故を88％、傷害を85％、そして事故費用を85％減らすことを明らかにした、とローマンは指摘している。「融氷雪士は消防士よりも多くの生命を救うと言われている。」と彼女は断言している。
