心血管疾患と死亡に及ぼす塩代替物の効果
Effect of Salt Substitution on Cardiovascular Events and Death
By Bruce Neal, Yangfeng Wu Xiangxian Feng, Ruijuan Zhang, Yuhong Zhang, Jingpu Shi, Jianxin Zhang, Maoyi Tian, Liping Huang, Zhifang Li, Yan Yu, Yi Zhao, et al.
N Engl J Med September16, 2021
要約
背景：ナトリウム濃度が低く、カリウム濃度が高い塩代替物は血圧を下げることが示されているが、心血管および安全性の結果に対するそれらの影響は不確実である。
方法：中国農村部の600村の人々を対象とした非盲検のクラスター・ランダム化試験を実施した。参加者は脳卒中歴があるか、60歳以上の高血圧者であった。村は、参加者が塩代替物(75％塩化ナトリウムおよび25％塩化カリウム)を使用した介入グループ、または通常の塩(100％塩化ナトリウム)を与えられた参加者が継続した対照グループに１：１の比率でランダムに割り当てられた。一次的な結果は脳卒中であり、二次的な結果は主要な悪い心血管疾患とあらゆる原因による死亡であり、安全性の結果は臨床的な高カリウム血症であった。
結果：合計20,995人が」試験に登録された。参加者の平均年齢は65.4歳で、49.5％が女性、72.6％が脳卒中の病歴者、88.4％が高血圧の病歴者であった。追跡の平均期間は4.74年であった。脳卒中の発生率は通常の塩よりも塩代替物の方が低かった(1000人年当たり29.14件対33.65件、比率0.86、95％信頼区間0.77～0.96、P=0.006)。主要な心血管疾患(1000人年当たり49.09件対56.29件、比率0.87、95％信頼区間0.80～0.94、P<0.001)および死亡(1000人年当たり39.28件対44.61件、比率0.88、95％信頼区間0.82～0.95、P<0.001)。高カリウム血症に起因する重篤な有害事象の発生率は、通常の塩よりも塩代替物が有意に高くなかった (1000人年当たり3.35件対3.30件、比率1.04、95％信頼区間0.80～1.37、P=0.76)。
結論：脳卒中の病歴があるか、60歳以上で高血圧者の中で脳卒中の発症率、主要な心血管疾患、およびあらゆる原因による死亡は、通常の塩よりも塩代替物の方が低かった。
本文は省略。
