戻る

コレスポンデンス

親愛なる食品産界へ:塩を使わないで下さい

Dear Food Industry: Please Don’t Pass the Salt

By Steven Houser:アメリカ心臓協会会長

Lancet 2016;388:2109  Correspondence

 

 “減塩のためのエビデンスに基づいた政策が必要”と題する塩に関するランセットの論説は全人口に減塩させる努力に挑戦している。強いエビデンスが政策を導くべきであることにアメリカ心臓協会は同意しているが、しかし、科学は減塩に関して明確であると我々は思っている。

 少な過ぎる塩摂取量は有害であることを示唆する研究は方法論的に欠陥がある。公衆政策や全人口の塩摂取量勧告を導くための有用性を傷付けているからである。しかし、これらの制限がない研究は低塩摂取量と心臓血管疾患減少との間に直接的な関係を見出した。心疾患や脳卒中は世界中で主要な死因であるが、健康的な生活様式の選択はこれらの条件の危険率を低下させる。

 アメリカ心臓協会は自主的な塩摂取量目標値案の発表に関してアメリカの食品医薬品局を是認している。我々はこれらの達成できる目標値を採用することを食品産業界のメンバーに強く促している。心疾患や脳卒中の主要な危険因子である血圧を減塩は下げることを示している大きな科学研究団体に加えて、食品供給の塩含有量をもっと中程度に減らすことはこれからの10年間のアメリカで百万人の生命の半分以上と数十億ドル以上の保健費を節約することをいくつかの研究は推定している。アメリカ心臓協会の我々にとって、これは納得のいくエビデンスである。