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コレスポンデンス

ナトリウム摂取量:公衆保健から臨床医療へのパラダイム・シフト

Dietary Sodium: Paradigm Shifts from Public Health to Clinical Medicine

By Michael H Alderman

Lancet 2016;388:2110  Correspondence

 

 再びエビデンスが医療科学の一般的なパラダイムをひっくり返した。アンドリュー・メンテと同僚達の論文は塩摂取量と心臓血管疾患や全ての死因との危険な関係をJ字型グラフは示しているさらなるエビデンスを提供している。そのパターンは他のあらゆる栄養素と一致している。Eoin O’Brienは“全人口への減塩政策はある者には有益で、他の者には有害であることは驚くべきことではない”と合理的に結論している。これは我々をどこに取り残すのか?

 世界人口の約90%は最適範囲内(6.4 – 12.7 g)の塩摂取量である。塩摂取量が健康に脅威を与えるかどうかについて人々はもはや心配する必要はない。集団規模の塩摂取量変化について科学的根拠はないが、それはなお健康問題に関連している。

 成人人口の少数(10)は塩摂取量が過剰か、欠乏かであるが、彼等は心臓血管疾患の危険率増加の状態にある。世界中でこれらの人々の数百万人については、塩摂取量の増加または減少が心臓血管疾患の危険率を低下させる。

 残念ながら、健康に良い塩摂取量と健康結果との関係を述べた観察研究は、因果関係または改善が有益であるかどうかについて証明していない。証明するためには、医者と患者は臨床試験のエビデンスを作るべきである。

 要するに、塩摂取量の科学的最前線は今や公衆保健から臨床舞台に移らなければならない。