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正常血圧成人における逆塩感受性:人口統計学的因子の役割

Inverse Salt Sensitivity in Normotensive Adults: Role of Demographic Factors

By Nathan T. Romberger, Joseph M. Stock, Jordan C. Patik, Ronald K. McMillan, Shannon L. Lennon, David G. Edwards,

 Willaim B. Farquhar

Journal of Hypertension  2023;41:934-940   2023.06

 

要約

背景:

 塩感受性と逆塩感受性は、それぞれ高血圧の発生率の増加と関連している。この分析の目的は、正常血圧の成人における逆塩感受性の有病率と、逆塩感受性が人口統計学的特性と関連しているかどうかを調べることであった。

方法:

 健常な正常血圧の非肥満成人が、7日間の低ナトリウム食(20 mmolナトリウム/)と高ナトリウム食(300 mmolナトリウム/)を摂取する制限摂食試験に参加した。各食事の最終日に、24時間歩行血圧を評価した。逆塩感受性は24時間動脈圧が5 mmHg以上低下した場合、塩感受性は平均動脈血圧が5 mmHg以上上昇した場合、塩抵抗性は平均動脈血圧が低ナトリウム食から高ナトリウム食に-55 mmHg変化した場合と定義された。

結果:

 このカットオフ値を用いると、10.7%が逆塩感受性、76.2%が塩抵抗性、13.1%が塩抵抗性であった。逆塩感受性の有病率は性別と年齢層で同様であった(P>0.05)。しかし、逆塩感受性は、BMIが正常(15.81%逆塩感受性)の人の方が、BMIが太りすぎ(0%逆塩感受性、P<0.01)の人よりも多く見られた。興味深いことに、塩感受性指数(Δ平均動脈血圧/Δ尿中ナトリウム排泄量)を用いた参加者の分類では、21.4%が逆塩感受性、48.8%が塩抵抗性、29.8%が塩感受性に分類された。

結論:

 全体として、逆塩感受性の有病率は10.7(5 mmHgカットオフ)または21.4(塩感受性指数)であり、逆塩感受性はBMIの低下と関連していることが分かった。これらの結果は、逆塩感受性のメカニズムを理解し、塩感受性評価を標準化するための今後の研究の重要性を強調している。

 

 以下、本文を省略。