戻る

レビュー論文

塩感受性と高血圧

Salt Sensitivity and Hypertension

By Olga Balafa & Rigas G. Kalaitzidis

J Hum Hypertens 2021;35:184-192    2020.08.29

 

要約

 塩感受性とは人間を含むほ乳動物に存在する生理学的特性を指し、それによって集団の一部メンバーの血圧が塩摂取量の変化と並行して変化することを言う。これは高齢者、女性、アフリカ系アメリカ人、慢性腎臓疾患およびインスリン抵抗性の患者によく見られる。塩摂取量の増加は細胞外液の増加を促進し、心拍出量を増加させる。塩に敏感な人は塩摂取量に対して異常な腎臓反応を示す。交感神経系の異常な過剰反応とレニンーアンジオテンシン軸の鈍化による抑制により、腎臓は塩の大部分を保持する。さらに、抹消血管抵抗が低下する代わりに、塩感受性の被験者は主に内皮における一酸化窒素合成の障害により、血管抵抗男の増加を示す。最近の研究では、食事による塩負荷の一部が皮膚に蓄積する行動を取るが示されている。高血圧症の慢性腎臓疾患患者は、健康な患者と比較して皮膚に多くのナトリウムが含まれているようである。しかし、皮膚のナトリウム、血圧、塩感受性の関係についはまだ十分に説明されていない。最後に塩感受性は血圧の病態生理学において意味のある役割を果たすが、主に単純で実用的な診断テストがないため、医師が日常の患者ケアに使用することはできない。

 

以下の本文は省略。