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塩摂取量、寿命、そして全死因

Sodium Intake, Life Expectancy, and All-Cause Mortality

By Franz H. Messerli, Louis Hofstetter, Lamprini Syrogiannouli,

Emrush Rexhaj, George C M Siontis, Christian Seiler, Spripal Bangalore

European Heart Journal   2020.12.22

 

 

要約

 

目的

 塩摂取量が心血管疾患と早死の危険因子として明らかにされて以来、高塩摂取量は寿命を縮めると思われている。我々は世界の181国の生存と同様に塩摂取量と寿命との関係を解析することによってこの仮説をテストした。

 

方法と結果

 我々は国別の平均塩摂取量の年齢標準化された推定値を、GDPや体格指数のような潜在的な混乱因子について調整後出生時と60歳時の健康的な余命、2010年について非伝染性疾患と全死因による死亡とを関係付けた。我々はWHOによって提供された世界的な健康推定値を検討した。この解析に含まれている181ヶ国の中で、我々は塩摂取量と60歳の健康余命と同様に出生時の健康余命との間のポジティブな相関と非伝染性疾患による死亡との間には相関がないとことを明らかにした。逆に、全死因による死亡は塩摂取量と逆相関していた。最高所得クラスの46ヶ国に限定された感度分析では、塩摂取量は出生時の健康余命ポジティブに相関し、そして全死因による死亡とは逆相関していた。

 

結論

 世界中と高所得国で塩摂取量は寿命とポジティブに相関し、そして全死因による死亡と逆相関しているという我々の観察は、塩摂取量が寿命を短くしあるいは早死にの危険因子の犯人となることに反対している。これらのデータは観察的で、栄養素介入のための基礎として使われるべきではない。