二重目的の水エネルギー貯蔵システムを可能にする
脱塩機能を備えた海水電池
A Seawater Battery with Desalination Capabilities enabling a Dual-Purpose Aqueous Energy Storage System
By Do-Hwan Nam, Margaret A. Lumley, Kyoung-Shin Choi
Energy Storage Materials 2021;37:556-566 2021.05
要約
再生可能資源から生成された電力を効果的に貯蔵し、二酸化炭素排出量を削減して淡水の供給を増やすことは、電力ときれいな水を持続可能かつ確実に提供するための2つの差し迫った問題である。本研究では、海水中での運転中にエネルギーを貯蔵/放出でき、膜を使用しない海水淡水化も実行できる新しい水性充電式ナトリウム・イオン電池システムを開発し、二重目的のエネルギー貯蔵システムを実現した。このシステムの放電セルは0.6 M NaCl中のナトリウム化NaTi2(PO4)3電極と脱ナトリウム化ニッケル・ヘキサシアノ鉄酸塩(NiHCF)電極で構成され平均出力電圧1.19 Vを生成する。充電プロセスは低い入力電圧を必要とする2つの別々のセルで実現される。最初に、脱ナトリウム化されたNaTi2(PO4)3電極がCl貯蔵電極としてBiとペアとなり、このセルは充電中に脱塩を実行する。2つ目はナトリウム化されたNiHCF電極が塩素化されたBi電極とペアになっており、このセルは充電中に塩害を実行する。放電セルによって生成されるエネルギー出力は2つの充電セルに必要な合計エネルギー入力の約94%である。淡水化および塩類化プロセスで消費されるエネルギーは実際には消費されず、充電プロセスを通じてシステムに蓄積され、充電中に蓄積されたエネルギーの大部分は放電中に回収されるため、脱塩に消費される余分なエネルギーは最小限に抑えられる。概念実証二重目的エネルギー貯蔵システムの高いエネルギー効率と脱塩性能はすべてのコンポーネント電極の優れたサイクル性能(1000サイクル以上)で報告されている。
本文は省略。