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塩の大論争はなかった

The Great Salt Debate That Wasn’t

Columbia Magazine Summer 2016

 

 塩を食べ過ぎていますか?あるいは近代的なアメリカの食事のナトリウム含有量については非常に誇張された警告であるか?論争の両側に並んだ尊敬される科学者達と共に、この質問に正直に答えることに絶望するかもしれない。コロンビア大学のメイルマン公衆衛生校の研究者達による最近の研究によると、この行き詰まりの理由は、 (我々以外の) 科学者達は、彼等が既に信じていることを補強する情報により注意を払う傾向があることである。1979年-2014年の間に発表された塩の健康効果を調査した数百件のメタアナリシスによると、問題の両側にいる専門家達は自分達自身と同様の結論を引き出している論文を引用する可能性が50%高くなった。このことは、彼等の仮説を否定するエビデンスを彼等があまり扱っていないことを意味する。

 ポスドクフェローのルドビック・トリンコート、博士課程学生のデビッド・ジョーンズ、および准教授のサンドロ・ガレアを含むコロンビア大学 の研究者達は269研究の引用パターンを研究することによって学術的な八百長を実行していることを発見した。論文の約半分は、減塩は人の心疾患、脳卒中、そして死亡の危険率を減らすと結論しており;他の半分は、この主張を支持するエビデンスは乏しかった、と主張した。“2つのほぼ異なる学問体液がある。それぞれは自分達の視点を共有する他の研究者達を引用する傾向のある少数の多作な著者らによって牛耳られている、”とジョーンズは言っている。

 “ここには多分、全ての科学者達のための教訓がある。それは新しいデータが利用できるようになった時でも、我々がどれほど長い間信じられてきたかにほとんど注意を払わないことが、我々が尋ねる質問や我々が発表する結果を偏向させる、”とボストン大学公衆衛生部長であるガレアも言っている。