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運動熱ストレスとナトリウム・バランス:

リーダー、フォロワー、適応

Exertional Heat Stress and Sodium Balance: Leaders, Followers, and Adaptations

By Alan J McCubbin

Autonomic Neuroscience 2021;235:102863      2021.07.31

 

 運動熱ストレスは、安静時と比較して塩バランスに異なる急性の課題を提示する。運動中のナトリウム(Na)と塩化物(Cl)の損失は、排尿を最小限に抑えたエクリン汗腺(「リーダー」)によって圧倒的に引き起こされる。したがって、総塩損失は体温調節の必要性に大きく影響されるが、以前の熱曝露または変更された食事摂取量による適応は、汗腺イオンの再吸収、したがって、汗のNa([Na+])およびCl濃度に影響を与える。身体のNaClの保存、または浸透圧的に不活性な貯蔵からそれらの放出が運動熱ストレスの単一の発作の時間枠の間に起こり得るという仮説は、これまで研究されていない。運動熱ストレス中の未補給のNaおよびCl損失の結果は、主に水吸収との相互作用に限定されているようである。しかし、摂取される水分量は、運動中の全身水分、血漿量、浸透圧、および体温調節に塩摂取量よりも実質的に影響する。運動の13時間前の急性塩分と水の負荷は、これが有益であると見なされる状況で等圧過水分補給を誘発する可能性がある。運動中は75センタイルを超える全身の[Na+]発汗と、損失の80%を超える水分補給を組み合わせたシナリオのみが、低ナトリウム血症を防ぐために大幅な補給を必要とする可能性がある。運動後、ナトリウム利尿は塩分損失の主な調節因子として再開し、腎臓(「フォロワー」)は、運動によって引き起こされた欠乏から生じる塩バランスを回復するために働く。このような不足が通常の食事摂取量を超えており、水分補給状態の迅速な回復が望ましい場合は、塩摂取量を意図的に増やすと、量の回復に役立つ可能性がある。

 

本文省略。