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減塩動機付けと自主的な減塩製品購入の決定要因:ウエブ調査からのエビデンス

Determinants of Intention to Reduce Salt Intake and Willingness to Purchase Salt-reduced Food Products

:Evidence from a Web Survey

By Trine Mørk, Liisa Lähteenmäki, Klaus G. Grunert

Appetite   2019;139:110-118   2019.04.18

 

要約

 消費者の減塩動機付けと自主的な減塩食品製品購入を裏付ける決定要因と共に調査するために本研究はデンマークで1,030人の参加者のウエブ調査を通して集められたデータに基づいている。返答の大多数(66.8)は自分達の塩摂取量を変える意向を表していないが、12.6%はどのような意向を示し、20.6%は既に変化を実行していると主張している。自主的に減塩食品製品を購入する意向は高いが、製品の種類によって変化しており、オリーブの52%から肉製品の72%までと範囲は広がっている。個人的社会的基準は食習慣を変える意向に最も強い影響を明らかにしているが、一方、個人的な基準、知識、健康結果の警告は自主的な減塩食品製品購入に及ぼす最強の影響を発揮している。これらの結果は、ほとんどの消費者が減塩目標を持っていなくても自主的に減塩食品製品を購入することを示唆している。これらの結果は第三者や政策立案者に関連している。どのように消費者が減塩食品製品購入や減塩意向に応答するかのエビデンスであるからである。

 

1.はじめに

 塩摂取量の増加は人々の心血管疾患と共に高血圧の危険率を増加させる。WHO (2012)は塩摂取量を6 g/d以下にすべきであることを勧めているが、平均摂取量は9 – 12 g/dで、主に加工食品製品から来る。さらに塩と健康との関係について消費者の幅広い知識にもかかわらず、消費者は低塩製品を取り上げるために食品表示の塩情報を使わない。健康情報提供運動は既に健康に導かれている消費者に主に届き、彼等は消費行動を変えることにほとんど成功していない。すなわち、人々がそれを知っており、健康的な生活に導く良い意思を持っていても;彼等の実際の行動は彼等の意思を反映していない。ゴルウィツァーによると、意思は実際の行動変動の約20%-30%を占めている。塩摂取量を制限するために、したがって、多くの第三者は連帯的に責任を分け合わなければならない。

 食品産業界は低塩製品の提供で著しい進歩を遂げてきた。しかし、意味のある効果を得るために、減塩食品製品は消費者の間で採用を促進する必要があるだろう。5ヶ国からの研究参加者の1/3が食事の減塩に関心を持っていない、とニュートンらは述べている。したがって、製造者達も低塩含有量の製品を促進させるためにコミュニケーション戦略を開発しなければならない。健康利益を協調するために、あるいは味を損なわないように低塩含有量にしていることを伝えないで低塩表示を使って購入時に減塩を強調すべきである。

 塩表示に関する前の研究は、表示が非常に小さく、再構成した食品製品の受け入れにネガティブな効果を示しているが、これらの効果は製品種類や諸国間で一般化するには製品や概念を特別に難しくするかもしれない。本研究の目的は、塩摂取量を変えようとする消費者の意向や塩摂取量の減塩加工食品製品を喜んで買おうとする決定要因を明らかにすることである。我々は両方の潜在的な決定要因を明らかにし、ウエブ調査からのデータを使ってそれらの関係を調査する。我々は我々の研究方法を詳述する前に、理論的な枠組みや仮説を概説することによって始める。結果を提示する前に、我々は減塩食品製品に関して食品に関連した行動を理解するためにそれらの密接な関係を概説する。

1.1. 理論的接近と仮説の展開

 変化段階を伴う理論的接近を超えるモデルは、どのようにして準備の出来た個人が行動を変えていくかを明らかにすることで幅広く使われてきた。このモデルには6段階がある:熟考前(行動変化に意向無し)、熟考(問題を承知しているが変化の意向無し)、準備(問題と取り組むために行動する意向)、行動(積極的な行動変化)、継続(古い行動と新しい行動を置き換える)、逆戻り(古い行動に戻る)。このモデルは喫煙者の禁煙意向を解析するために開発され、その後別の危険な行動へ広げられ、ごく最近、減塩のような食習慣を変化させるための人々の快諾を調査するためにも使われてきた。この理論的な枠組は、適当な介入を確立できるようにする前に、変化させようとする人々の関心を明らかにするために使われている。

 減塩目標の選定は、抽象的な目標が減塩製品の購入や調理で塩の使用を減らすと言った特別な行動のための目標をもっと確かにする事と関係している場合だけに、現実に減塩する。これらの抽象的な目標と確実な目標との関係を探るために、我々は目標実行理論を調整する。この理論は、抽象的な目標の達成が実行意欲の策定によって促進されることを主張している。その策定は、代替品が利用できて減塩製品を選べるような特別な状況で人々が行うことを明記している。それらが定式化された状況が発生した場合、目標達成の見込みを増加させられ、実行意欲は行動を活性化させられる。実行意欲のない目標意向は行動変化をもたらさないかもしれないが、目標意向は実行意欲の定式化のために前もっての必要性を残しており、そのことは次には行動を活性化できる。

H1

塩摂取量を変化させる意欲と減塩食品製品を喜んで買おうとすることの間にはポジティブな関係がある。以下省略

H2

 減塩のための強い個人的、社会的行動様式は減塩食品製品購入意志と塩摂取量習慣を変える意欲を増加させる。以下省略

H3

 より健康な消費者は正しく判断し、塩摂取量についての知識をより多く持っている消費者は一層喜んで減塩食品製品を購入し、塩摂取量を変える高い意欲を持っている。以下省略

H4

 消費者は快楽カテゴリーからよりも実用性から一層喜んで減塩食品製品を購入する。以下省略

H5

 塩摂取量の健康結果の警告と良い塩摂取量習慣は、人々が喜んで減塩食品製品の購入と塩摂取量習慣を変更する意欲を増加させる。以下省略

H6

 受け入れた高い行動制御は、減塩食品製品の高い購入意欲と塩摂取量習慣を変更する意向に導く。

1に仮説の全体像を示す。

 

 

1 塩摂取量を変更する意欲と減塩製品購入意向の決定要因

 

2. 方法  省略

 

3.データ解析  省略

 

4. 結果  省略

 

5.考察  省略

 

6. 結論

 これらの結果は、たとえ消費者が明らかに定義された減塩目標を知らなくても、ほとんどの消費者が喜んで減塩食品製品を買うことを示唆している。したがって、減塩についての責任は公衆衛生当局またはそれぞれの消費者だけにあるべきではなく;全ての第三者の間で協力を要求している。我々の研究エビデンスは、業界の行動は製品の再構成だけを通して塩摂取量さげるように動貸せるかもしれないことを示唆している。特に、多種多様な減塩製品が入手できることが重要であり、潜在的に市場の成功を提供している。過剰な塩摂取量に対する解決は需要よりもむしる供給を変えることかもしれない。我々の結果は、保健当局が塩摂取量に影響を及ぼしたいと思えば、店で購入時に焦点を置くことが有効であるかもしれず、また、自分自身の塩摂取量について考えるように消費者を促し教育する全体的な運動を起こすことでもある。