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塩摂取量と健康指標:20151月から201912月の間に発表された文献の総合レビュー

Dietary Sodium Intake and Health Indicators: A Systematic Review of Published Literature

between January 2015 and December 2019

By Katherine J Overwyk, Zerleen S Quader, Joyce Maalouf, Marlana Bates, Jacqui Webster,

Mary G George, Robert K Merritt, Mary E Cogswell

Advances in Nutrition 2020;00:1-27  2020.05.25

 

要旨

 人口の減塩を巡る科学が進展してきたので、塩摂取量と健康に関する新しい研究をモニターし評価することは関係している利益と危険性を我々が理解するのに役立つ。ここで我々は塩摂取量と健康に関する最近の研究の総合レビューを述べ、選ばれた研究の偏向危険性(ROB)を調べ、将来の研究方向を提供する。20151月から201912月まで毎月7件のオンライン・データベースが検索された。特定されている集団、介入、比較、結果、時代、設定/研究設計(PICOTS)基準に合った人に関する研究を我々は選び、研究集団、設計、介入、被爆、結果に関連する特性を抽出し、塩摂取量と心血管疾患危険率または指標に関する研究の部分集合のための偏向危険性を評価した。レビューした41,601件の要約の中で、231件の研究はPICOTS基準に合致すると明らかにされ、54研究についてROBが調査された。157研究(68)が観察され、161研究(70)が全集団に焦点を置いた。5種類の塩摂取量介入と様々な尿と食事測定法が塩摂取量を測定するために使われた。5件の観察研究は塩摂取量を調査するために複数の24時間尿収集法を使った。エビデンスは主として心血管疾患に関連した指標(48%)に焦点を置いたが、結果の分類を達成した。研究は偏向危険性の範囲を変え、評価された研究の87%は1以上の範囲に関する情報を取り逃している。12結果(例えば、認識力)のそれぞれの関する2件以上の研究は総合レビューに予め含まれておらず、偏向危険性が低い新しい9研究は、塩摂取量と健康に関する総合レビューを前進または更新するための必要性を示唆している。塩摂取量と健康結果に関する調査からのエビデンスを要約することは、研究設計と実行に関する詳細の欠如と同様に、塩摂取量と結果測定するために使われた様々な方法によって制限された。国立科学アカデミーによって確認された研究勧告値に沿って、塩摂取量測定法を確定し標準化するためにさらなる研究が必要である。

 

はじめに

 過剰な塩摂取量の健康有害効果を示す大量のエビデンスに基づいて、多くの公衆衛生機関と権威ある科学的団体が減塩を勧めている。2013年に、医学研究所(IOM)は専門委員会を招集して、塩摂取量と健康結果に関する科学的エビデンスを“明らかにするために設計、方法、結論を調べた。”利用できるエビデンスは高塩摂取量と心血管疾患結果(脳卒中、心血管死亡、全死因を含む)の危険率との間に人口の減塩努力と矛盾なくポジティブな関係を示したことを委員会は結論にしたけれど、減塩は胃ガンの危険率を減らす可能性があり、他の健康結果に関して首尾一貫したエビデンスはないことを示唆するエビデンスは限られていることを彼等は明らかにした。さらに、多くの方法論に基づいてさらなる研究のための幾つかの領域やデータギャップも明らかにした。本レビュー適用する研究勧告値は、塩摂取量測定法の標準化、現在のガイドラインに相当する塩摂取量解析値(すなわち、3.8 – 5.8 g/d)の使用、潜在的な混乱因子を封じる適当な方法の使用、ランダム化比較試験研究の必要性を含んでいた。減塩に関する科学が進展するに連れて、塩摂取量と健康に関して新しく発表された研究をモニターし評価することは報告されている健康利益や危険性の理解を増加させ、将来の研究方向を決められる。

 2013年の医学研究所報告書以来、幾つかのメタアナリシスと塩摂取量と健康に関連したエビデンスをレビューした報告書がある;しかし、特別な結果と結論に焦点を置いたレビューは新しいエビデンスの出現として時代遅れとなった。2019年の塩参考摂取量は3.8 g/dで十分な摂取量とし、14歳以上の人々で5.8 g/dで慢性疾患危険性低下レベル(すなわち、慢性疾患危険率を下げるためにこの量以上であれば、人々は摂取量を下げるべきである)を含んでいた。低めの十分な摂取量と慢性疾患危険率低下量は13歳以下の児童について設定された。我々が知っている限りでは、発表され定期的に更新されている塩摂取量と健康結果に関連した研究の総合レビューを続けているのはわずか1件だけである。我々が進めている文献総合レビューの目的は塩の科学からの健康結果に関して同様であるけれども、意図や方法は異なる。簡単に言えば、塩の科学レビューは臨床や公衆衛生(すなわち、展望的研究のために24時間  尿収集、健常人で行った研究、4週間以上の介入期間)に関連している研究を選ぶための鍵となる基準を使っている。一方、我々の研究はより幅広く、追加のデータベースと研究設計を含み、研究期間または達成された実際の塩摂取量のない介入によって制限されない。この進めているレビューの目的は1) 健康リスクまたは指標に及ぼす塩摂取量の効果と関係を調べる最近の研究特性を述べる;2) 心血管疾患危険率または指標を調べる前向きコホート研究法や介入試験法と研究設計の強さと偏向を評価する;3) 将来の研究方向を示す。本報告のために、他の総合レビューの基準に合わなかった研究を含めて、その時以後に出てきたエビデンスが前述の選択された方法論とデータのギャップに対処したかどうかを決定するために、2013年医学研究所報告書に概説されている研究勧告に関して現在の文献を我々は評価した。本論文では、20151月から201912月までの期間についての結果を報告する。

 

方法

適性基準

検索戦略

研究選択

データ抽出

偏向調査の危険性

 以上の項目を省略

 

結果

研究選択と特性値

人口特性値

塩摂取量

ランダム化比較試験

観察研究

康指標と結果

偏向危険性調査

全死因

臨床心血管診断

無症候性心血管診断

血圧

 以上の項目を省略

 

考察

 省略

 

結論

 本総合レビューは2015年から2019年までに発表された塩摂取量と健康の文献を要約している。この期間中の塩摂取量と心疾患危険率に関して発表されているエビデンスのほとんどは介入研究よりも観察研究からの物で、偏向危険性について調査されたほとんど全ての研究は何らかの偏向を持っているが、研究設計に潜む方法論的限界のためにコホート研究は一層偏向に悩まされた。塩摂取量と健康に関する我々の調査は塩摂取量測定に使われている方法の差によって複雑になった。さらに、試験エビデンスは限られ、塩摂取量の測定差は人口の減塩勧告値にほとんど適用されなかった。しかし、本レビューの結果は、人口の塩摂取量を減らすことは健康の利益となると結論を下した前のレビューの結果を支持している。結局、データと方法論ギャップは2013年に医学研究所によって明らかにされた結果と首尾一貫した塩摂取量と健康に関する研究で残っている。2013年医学研究所レビューは塩摂取量を測定するための方法論を標準化する研究の必要性を表明しており、報告書は他の報告書と同様に2019年の国立科学、技術、医学アカデミー報告書で再強調された諸点を一貫して完全に報告している。新しい健康指標に関する研究に光を当てて、2015年以前に発表された物を含め、全てのエビデンスを更新するためにより幅広い総合レビューが、前のレビューで明らかにされなかった結果と塩摂取量の効果や関係を取り巻くエビデンスの調査が保証されるかもしれない。