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生後早くに始まる塩嗜好行為

Our Early Love Affair with Salt

By Beth Fontenot

The Atlantic Jan 6, 2012

我々の塩嗜好は幼児期に決められ、それがセリアル、パン、クラッカーのような幼児用の澱粉食を与えないようにすべきであると言う理由である。

 

 アメリカ人は塩を好む行動を取り、これは保健専門家達の関心事である。1969年まで遡るが、アメリカ合衆国政府はガイドラインを発表し、減塩を呼び掛けている。新しい研究が示唆しているところでは、6ヶ月幼児は塩辛い食品についての嗜好を発達させることができ、このことが幼児の将来の給食嗜好に関係してくる。

 モネル・ケミカル・センシーズ・センターの研究者達は61人の幼児でテストした。“生まれて最初の数ヵ月が嗜好を形成する感覚形成期間であることを示すエビデンスが沢山ある。過剰な塩摂取量による健康への影響を考えると、我々は初期の経験の影響が塩にまで広がるのかどうかに疑問を持った”とモネルの生理心理学者である論文筆頭者のレスリー・J.スタイン博士は言った。

 スタインと同僚は2ヵ月齢の幼児にそれぞれ2分間に3つのビンを飲ませた。最初のビンには水が入っており、2番目のビンには1%の塩水(市販されているチキン・ヌードルのスープに近い)、3番目のビンには大人が塩辛いと思う3%の塩水が入っていた。

 幼児の顔つきを見ながら各ビンからの溜飲量で塩の嗜好度を計算した。2ヵ月歳児の1%が塩水に対して無関心であり、2%が塩水を全く拒絶し、水を好んだ。

 幼児が6ヵ月歳児になると、テストを繰り返した。この時までに、幼児の26人は既に固形の澱粉食を食べており、それらの児童は同じテスト法で塩水への嗜好を示した。事実、彼等は55%以上塩水を飲んだ。まだ固形食を食べさせられていない35人の幼児は拒絶するか、または塩水に対してまだ無関心であった。

 朝食のセリアル、パン、クラッカーのような澱粉食は幼児用の食べ始めの固形食としてしばしば使われ、それらは通常、加えられた塩を含んでいた。果物のような別の種類の食品を与えられた幼児は塩について強い嗜好を示さなかった。

 これらの子供達が就学前の年齢(4歳)に達した時、研究者達は再び彼等の塩嗜好を調べ、子供達の塩嗜好について彼等の母親達を調査した。塩を加えた澱粉食を早くに食べ始めた子供達は就学前の幼児と同じく大きな塩嗜好を示した。これらの子供達の12人は食品からの塩をなめたり、単なる塩を食べることがより好きであった。

 生まれて早くから塩に曝されることが後の人生で塩嗜好を引き起こすことを研究は証明できなかったが、両者の間の相関関係を示すことはできた。しかし、それが真実であるとすれば、アメリカ人の減塩努力は生まれて早くから始めるべきであることを研究結果は示唆している。

 政府の減塩呼び掛けにもかかわらず、アメリカ人はまだ塩を好んでいる。アメリカ人の食事ガイドラインによると、ほとんどのアメリカ人は5.8 g/d以下の塩摂取量にすべきである。2010年に医学研究所が発表した報告書は、2歳以上のアメリカ人は平均して8.7 g/dの塩摂取量であり、政府の基準はレストラン食や加工食品中の塩量を減らす必要がある、と結論を下した。

 過剰な塩摂取量の健康に悪い大きな効果は高血圧で、それは脳卒中、心疾患、心不全を導く。アメリカ人の減塩は年間100,000人以上の死亡を予防し、数十億ドルの健康管理費を節約できると推定される。

 ナトリウムは体の必須栄養素である。体液収支を維持し;神経刺激の伝達に役立ち;筋肉の収縮と弛緩に役立つ他のミネラルと一緒に作用する。全ての栄養素を確保し発汗で失ったナトリウム補充を確実にするために、健康な成人はわずか約3.8 g/dの塩を必要とする。

 論文はアメリカ臨床栄養雑誌に発表された。