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糖分、塩、運動:運動能力の向上についての真実

Sugar, Salt, Exercise: The Truth about Improving Athletic Performance

By Sarah Berry

Sydney Morning Herald 2021.04.03

 

 能力向上のための栄養はトム・ブレイディのような競技者の食事と同じに、有機性の坑炎症性植物ベースの食品の彼の「非常識な」体制で示唆しているような全て蒸したブロッコリーや鶏ササ身ではない。事実、一部の競技者は痙攣のリスクを最小限に抑え、能力と回復を強化するために糖分と塩を戦略的に使用している。

 パースを拠点とする野坂和則教授は若い競技者として筋肉痙攣を起こしがちであった。「それは非常に苦痛であった。」と彼は回想している。おそらく脱水症状が原因だと考え、彼は1度に最大2リットルの水を飲んだ。しかし、水を飲めば飲むほど、筋肉痙攣は悪くなり、彼は何が起こっているかを不思議に思った。エディスコーワン大学の運動スポーツ科学部長として彼は発見する機会を持った。

 2019年に野坂は、運動で脱水症を起こした後で電解質溶液を飲んだ競技者は痙攣を予防でき、一方、水だけを飲んだ競技者はより起こしやすいことを明らかにした研究を発表した。次に、野坂は運動中の水和がどの様にして後に痙攣に影響を及ぼすかを調べたいと思った。

 したがって、国際スポーツ栄養会誌に発表された新しい研究のために、彼は10人の痙攣を起こす健康な若い男性を募集し、彼等が大量に発汗するまで、最高60分間35℃の暑さの中でトレッドミルを走らせた。運動中に男性は腸でのナトリウム吸収を助けるグルコースだけでなく、電解質ミネラルであるナトリウム、カリウム、マグネシウム、塩化物を含む湧水の水または経口補水液のいずれかで再水和した。電解質は筋肉の健康にとっても重要であり、体が水分を吸収するのにも役立つ。その後、男性は痙攣を誘発させるために子牛(訳者注:原文のtheir calvesは間違いと思う)に電気刺激を与えた。電解質水を飲んだ男性と比較して、湧水を飲んだ男性に痙攣を誘発させるに必要な刺激は大幅に少なかった。

 痙攣を起こした人々の理由は十分に理解されないが、脱水症状だけではない、と野坂は言う。そのため、「普通の水を飲むことによる電解質の希釈が引き金の1つである可能性がある。」と彼は説明する。スポーツ・ドリンクに入っている電解質と同じ比較的低い電解質濃度が違いを生むかどうか、そして塩、糖分、水の自家製溶液が効果的であるかどうか、あるいはカリウムの添加が鍵となるかどうかを理解するために、さらなる研究が必要であると彼は付言する。

 オーストラリア国立スポーツ研究所の国民能力向上栄養ネットワークのリーダーであるガリー・スレイター博士は、トレーニング期間が長くなるほど、塩が人々にとってますます重要になると述べている。「運動中の塩の最適量がどれくらいかに関して我々はほとんど知らない。」と彼は付言する。しかし、脱水症状になったとき、回復で塩と水との組み合わせは再水和の「はるかに効果的な手段」を提供する。耐久競技に参加している人々のために、彼は、水分補給解決策を個別に処方できるように、全体的な食事療法と運動による汗の損失を考慮するスポーツ栄養士と協力することを提案している。競技者が処方的に使用しているのは塩だけではない。

 世界クロスフィット・ゲームで5回優勝したマット・フレイザーは最近、彼の協議後のスナックがスニッカーズバーとコカコーラであることを明らかにした。ゲームで他の競技者達はチキン、白米、ブロッコリーを注意深く計量したが、フレイザーは一緒に働いた専門家によって推奨されたように、彼自身の変わったアプローチを思い出した。「この男はトライアスリートをトレーニングしている。彼はこれらの男に最適な方法を示す科学者であり、60分のトレーニングをしている場合、すぐにコカコーラとスニッカーズバーを持っていると私に語っている。」より長いトレーニングの後、専門家は別の物議を醸す技術をアドバイスし、フレイザーにゲータレード・パウダーを買って「1ガロン相当の水に8オンスを混ぜる」ように言った。「終わったら直ぐ寝る。泥のように。」とフレイザーは言った。筋肉にグリコーゲンを補給することほどには電解質にはないと思ったと付言した「されは糖分だけであったと思う。」

 チャンピオン・ボクサーのフロイド・メイウェザーはトレーニング中にソフトドリンクを飲むことも知られているが、一部の耐久力アスリートはランニング中に甘い物を食べる。それは悪い行動か、あるいはあなたのトレーニングを甘くするのは賢いか?「糖分は即時のエネルギー源で、したがって、運動前、運動中、運動後に飲料で摂るのが良い。スニッカーズに関しては、糖分も多く含まれているので、体内にその量の糖分を補給した場合、運動後に摂取することは悪い考えではない。」と野坂は言う。

 我々の筋肉は、スニッカーズまたは甘いポテト、バナナ、あるいはビスケットなどからの糖分と炭水化物との差を認識しないかもしれないが、その差は我々の健康と免疫システムの機能に現われる、と指摘する人がいる。機能向上手段としてチョコレート・バーとソフトドリンクを勧める機会はほとんどない、とスレイターは言う。トレーニングが1時間以内である場合、運動中の糖分は不要であると彼は付け加えている。90分以上の長い耐久事例のためには、体自身の燃料供給がなくなると、糖分や炭水化物の摂取が「ますます重要」になる。「炭水化物(筋肉グリコーゲンと肝臓グリコーゲン)の燃料供給が枯渇すると、その上、運動強度を維持できる唯一の方法は、外因性炭水化物を提供することである。」と彼は説明する。「理論的には、運動中に1杯のご飯から炭水化物を摂取できる。ランニング中に1杯のご飯を食べることは非常に困難である。」

 炭水化物は炭酸飲料やお菓子からも得られる可能性があるが、研究によると複数の炭水化物源を使用すると、体がより多くを吸収して代謝し、その過程でより多くのエネルギーにアクセス出来るようになる。「我々は様々な種類の糖分について話している。」とスレイターは説明する。「2つのブドウ糖部分と1つの果糖部分が機能するという」幾つかの優れた研究がある…腸内で異なるキャリアー機構を使用して吸収を巡って競合しないようにする。そこでは炭水化物の吸収と代謝を非常に高い速度で維持する必要がある3時間以上のイベントでは、実際にホール・フーズを使用できない。」

 これはスポーツ・キャンデーや飲物が標準的なお菓子やソフトドリンクと異なる場合がある場所で、それらは健康的ではないかもしれないが、炭水化物の摂取を最大化するように処方されている。先週、オーストラリア国立スポーツ研究所は更新されたスポーツのサプリメント・ガイドを発表した。これは様々なサプリメントの有効性のフレームワークと、それらを使用するためのガイドを提供する。スポーツ・キャンデー(および電解質飲料)はグルコースA分類に含まれている。つまり、スポーツ・キャンデーには強力な証拠があり、特定の状況では一時的に推奨される。

 運動中、スポーツ・キャンデーは「筋肉と中枢神経系に炭水化物を供給する。」運動後、それらは、次のセッションの前に8時間以下の短い回復期間がある場合にのみ、筋肉の回復に役立つ。その場合、スレイター氏によると、トレーニングを終えてから30 – 60分以内に糖分をシステムに素早く取り込む高いGI食品またはサプリメントを摂取すると、筋肉の燃料貯蔵量の回復が早まるために有益である。

 糖分と塩は能力向上栄養に役立つかもしれないが、スレイターは全体像が能力にとって最終的に重要なものであることを思い出させる。「可能な限り、食べ物を通して求めている栄養素を手に入れることが出来るはずである。全食品源からそれを探している時は、特定のスポーツ食品から得られないかもしれない他の様々な栄養素も得ることが出来る。」