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塩摂取量に反対意見の研究者達はお互いに無視

Researchers with Opposing Views on Salt Intake Are Ignoring Each Other

By Kathryn Doyle

Reuters 2016.02.26

(Reuters Health): 減塩すれば集団に利益があるかどうか、という疑問に関して新しい報告書によると、研究者達は二つのグループに分かれる。ほとんどの研究は、減塩は有益であると結論を下したが、約1/3は同意しない。そしてこの問題の両側にいる研究者達は他の側の結果を考慮しない傾向がある。

 “我々はどうして境界線があるのかを分析してこないで、事実の後で連想するだけか、仮定するだけである。”と新しい報告書の筆頭者であり、ニューヨーク市のメイルマン公衆衛生学校でコロンビア大学疫学Merit Fellowであるルドビッチ・トリンコートは言った。トリンコートと同僚達は1979年から2014年までに発表された塩摂取量と健康に関する269件の主要な研究、解析、臨床ガイドライン、コンセンサス声明、コメント、手紙をレビューした。彼等は減塩と心疾患、脳卒中、死亡の低下率との間の関係を支持しているかどうかに基づいて論文を分類した。論文の54%は仮説を支持し、33%は仮説に異議を唱え、13%は結論に達しなかったことを彼等は知った。仮説を支持した人々は仮説を支持した他の論文も引用する傾向であったが、仮説に異議を唱える人々は仮説に異議を唱える他の論文も引用する傾向であり、グループ間でほとんど意見交換はなかった。

 国際疫学雑誌に報告したように、トリンコートのチームは全部で48件の主要な研究からのデータをプールした10件の総合的なレビューを知ったが、各レビューは必ずしも全ての利用できる研究に言及していなかった。どの主要な研究を引用するために選ぶかは総合的なレビューの結論に影響を及ぼすことを著者らは知った。

 “選択的に片側の前の論文を引用すると、同様の結論になる。”とトリンコートは電話でReuters Healthに語った。彼自身の研究は実際の塩摂取量に関して個別または集団レベルの勧告を提供できなかった、と彼は言った。

 “片側には塩産業界による強い偏向がある。他方の側には自分の理論を守ろうと欲する学究人からの偏向もある。”とその研究に論評を書いたスタンフォード予防研究センターのジョン・P.A. ヨアニディスは言った。減塩は必要であると言うコンセンサスはあるが、どれくらいまでについてはまだ論争中である、とヨアニディスはイーメイルでReuters Healthに語った。

 “私は塩が悪いと言う考えの支持者である。ほとんどすべての人々が実際に必要とする以上を摂取している。”とオーストラリア、シドニーの世界健康保健ジョージ研究所のブルース・ニールは言った。彼は研究に付随する三つの論評以外の物を書いた。全ての研究を二つのグループに分ける代わりに研究の質を考察することから多くのことを学んだ、とニールは電話でReuters Healthに語った。“多くの論争が弱い研究を巡ってある。”と彼は言った。国のガイドラインやWHOのような研究機関からの国際的なガイドラインは異口同音に減塩を勧めた、と彼は言った。

 “減塩は心臓発作に対して保護することを示す大規模で決定的なランダム化された試験を欠いているが、減塩は有害であるとするエビデンスはほとんどない。”とニールは言った。今日、成人は1日当たり平均10 gの塩を摂取しているが、1日当たり2 gもあればよく、腎臓は出来るだけ多くの塩を尿中に出そうとしている、と彼は言った。“塩を食べ過ぎると、血圧が上がると言う非常に良いエビデンスがある。”と彼は言った。この仮説に異議を唱える研究は既にどれだけ多くの塩を摂取しているかによって人々を分けたが、非常に少ない塩しか食べない人々は既に心臓発作または脳卒中を起こしていたかもしれないか、または末期段階のガンかもしれず、したがって、彼らの悪い健康結果は他の根源的な原因による、と彼は言った。

 “病院で働いている人々の大多数は、塩が良いと言うよりもずっと悪いらしいと思っている。”とニールは言った。