戻る

我々が塩について知っていることは

全て間違っているかもしれない理由

Why Everything WE Know about Salt May Be Wrong

By Gina Kolata

New York Times May 8, 2017

 

 200年以上のあいだ医者達に教えられてきた塩方程式は容易に理解できる。身体は血圧、神経信号の伝達を含めて様々な機能のためにこの必須のミネラルに依存している。血液中のナトリウム濃度は注意深く維持されなければならない。多くの塩を食べれば、喉が渇き、水を飲み、適正なナトリウム濃度を維持するために十分に血液を薄める。最終的に過剰の塩と水の多くを尿中に排泄する。

 理論は直感的で簡単である。そしてそれは完全に間違っているかもしれない。宇宙旅行をシュミレートするために孤立して行われたロシアの宇宙飛行士の新しい研究は、多くの塩を食べることはあまり喉を乾かさないで、幾分、空腹を感じさせることを示している。その後の実験は、ネズミが体重を維持するために25%食べ、より多くの塩を摂取するとき、ネズミはより多くのカロリーを燃焼させることを明らかにした。

 The Journal of Clinical Investigationに最近発表された2件の緻密な論文の研究は、身体が塩をどのように処理するかについての伝統的な知恵の多くを否定し、高塩摂取量は減量に役割を演ずるかもしれないことを示唆している。

 結果は腎臓専門家達を唖然とさせた。“これは正に非常に新しく魅力的であるが、研究はこせこせと行われた、”とハーバード医学校の医学准教授であるメラニー・ヘーニック博士は言った。

 ピッツバーグ大学教授のジェイムス・R.ジョンストン博士は2件の論文の余白にそれぞれ予期せぬ結果を記録した。研究は彼が費やした時間だけ走り書きで覆われていた。結果は反復される必要があると彼は付け加えたが“本当にクール”と彼は言った。

 新しい研究は断固とした科学者ジェンス・ティッツェ博士による10年間の追跡の頂点である。彼は現在、バンダービルト大学医療センターとドイツのエルランゲンにある学際的臨床研究センターの腎臓専門家である。1991年にベルリンで医学生として彼は極端な環境における人間生理学のクラスを取った。クラスを教えた教授はヨーロッパ宇宙計画で研究し、クルーが狭いカプセルで暮らしたシュミレートされた28日間のミッションからのデータを提示した。

 主要な目標は、クルーのメンバーがどの様な状態になるかを学ぶことであった。しかし、科学者達は宇宙飛行士の尿と他の生理学的指標も集めた。ティッツェ博士はクルーメンバーのデータに何か理解できない物に気付いた:彼等の尿量は増加し、7日間のサイクルで減少した。彼が医学校で教えられたすべてをデータは否定していた:そのような一時的なサイクルはなかった。

 1994年にロシア宇宙計画はミール宇宙ステーションの生活で135日間のシミュレーションを行うことを決定した。ティッツェ博士はクルーメンバーの尿パターンと食事中の塩によってクルーメンバーがどの様な影響を受けるかを研究するためにロシアに行くようにした。すばらしい結果が現れた:彼等の尿の量に関係なく、宇宙飛行士の体はナトリウム量に28日間のリズムを維持した。そしてナトリウム・リズムは尿パターンよりもずっと顕著であった。ナトリウム量は尿量と共に上下すべきである。研究は完全ではなかったが(クルーメンバーのナトリウム摂取量は正確に測定されなかった)、クルーの体内のナトリウム蓄積に水分摂取量が影響を及ぼす以上の何か他の物をティッツェ博士は確信した。

 結論は“異説である”と彼は認識した。2006年にロシア宇宙計画はさらに2件のシミュレーション研究を発表した。1件は105日間続き、他は520日間続いた。ティッツェ博士は、彼の異常な結果は本当であるかどうかを明らかにする機会を持った。短いシミュレーションでは、宇宙飛行士は1日当たり9 gに従って12 g/dの塩を含む食事を食べ、その後、6 g/dの低塩食をそれぞれ28日期間で食べた。長いミッションでは、宇宙飛行士は追加のサイクルで12 g/dも食べた。我々のほとんどと同じように、宇宙飛行士は塩を好んだ。オリバー・ニッケル33歳は計画に参加したドイツ市民で、現在、ストットガルトで自動車技師となっているが、12 g/dの食事でもあまり塩辛くなかったことを思い出した。塩の量が6 g/dに低下した時、“旨くない、”と彼は言った。

 ティッツェ博士がクルーの尿に排泄されたナトリウム量、尿量、血液中のナトリウム量を測定した時、本当の驚きが来た。尿量の不思議なパターンが続いたが、何事も教科書通りに進んでいるように思えた。クルーがもっと塩を食べた時、彼等はもっと多くの塩を排泄した;血液中のナトリウム量は一定に維持され、尿量は増加した。“しかし、水分摂取量を見た時、もっと驚いた、と彼は言った。良い多くの塩を摂取した時、もっと水を飲む代わりに、クルーは長期間の実験であまり水を飲まなかった。それでは排泄された水はどこから来たのだろうか?“この現象を説明する方法が一つだけあった。塩摂取量が多い時、体はほとんど水を発生または生産するようだ、”とティッツェ博士言った。

 

もう一つの難問:クルーは高塩摂取食の時、何時も空腹であったと説明した。体重を維持するために彼等が正確に十分な食事を摂っていたか、低塩食の時に同じ量を摂取を食べていた時、空腹は問題ではなかったようであったことをティッツェ博士は彼等に確認した。しかし、尿テストは別の説明を示唆した。クルーメンバーはグルココルチコイド・ホルモンの生産量を増加させた。そのホルモンは代謝と免疫機能の両方に影響を及ぼす。

 さらに洞察するために、ティッツェ博士は実験室でネズミの研究を始めた。案の定、動物食に多くの塩を加えるほど、動物は水を飲まなかった。そして彼は理由を考えた。

 動物は水を飲むことによってではなく、水を得ていた。グルココルチコイド・ホルモン量の増加は体の脂肪と筋肉を分解した。これは体が使う水を補給している。しかし、その工程にはエネルギーが必要であることもティッツェ博士は明らかにした。それが高塩食のときネズミは25%も多く食べる理由である。ホルモンも奇妙な長期間の尿量変動の原因であるかもしれない。

 餓死状の体は持続のために自分の脂肪や筋肉を燃やすことを科学者達は知っていた。しかし、塩辛い食事では何か同じようなことが起こっている現実は新事実として出てきた。ラクダが行っていることを人々は行っている、とティッツェ博士の研究に付随してエディトリアルを書いたハーバード医学校の腎臓学者マーク・ザイデル博士は述べた。飲み水のない砂漠を歩くラクダは、こぶの中にある脂肪を分解して水を得ている。

 この結果の多くの説明の一つは、塩が減量に含まれているかもしれないことである。一般的に高塩食は体重を増加させる水の摂取量を多くすると科学者達は仮定してきた。しかし、高塩摂取量の収支をとることは体に組織を壊すことを要求するとすれば、エネルギー消費量も増加させるかもしれない。

 それでもザイデル博士は体重を減らさないように多くの塩を食べることをアドバイスしないとティッツェ博士は言った。彼の結果が正しければ、長期間試験では塩摂取量が多いいほど空腹を感じさせるので、余分なカロリーを燃焼させるためにもっと食品を食べなくても良い。そして高いグルココルチコイド濃度は骨粗鬆症、筋肉損失、二型糖尿病、他の代謝問題のような状態と関係している、とティッツェ博士は言った。

 しかし、水についてはどうだろうか?塩辛い食品は喉を乾かせることを誰でも知っている。どうして高塩食は宇宙飛行士の喉を乾かさなかったのだろうか?実は、口腔内の塩検出神経が水を飲むように促せる刺激を与えるので、人々や動物は喉が渇く、とザイデル博士は言った。この種の“喉の渇き”は体が実際に水を必要とする行動を何も起こさせないかもしれない。

 これらの結果は訳の分からない質問を整理することに役立った、と専門家達は言った。“体に及ぼす塩化ナトリウムの効果を我々は本当に理解していないことを研究は示唆している、圧力と粒子に基づいて液体の移動を指図する比較的簡単な法則よりもこれらの効果ははるかに複雑で、遠くまで及ぶかもしれない、”とヘーニック博士は言った。

 彼女と他の研究者達は、高塩食がある人々の血圧を上昇させると言う彼等の信念を放棄しなかった。しかし、今やヘーニック博士は“高塩摂取量の逆効果に出会うと、全ての間違った理由のために我々は正しい、と私は推測する、”と言った。