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ほとんど何も知らないで減塩勧告を受け入れ

Take Low-Salt Advice with a Grain of You Know What

By Aaron E. Carroll

The New York Times May 26, 2016

 

  塩の摂り過ぎは良くないので少なくするように、と私は前に書いた。この議論に加わってきた新しい研究が世界中でニュースとなっており、良きベイジアンになるために我々はこれらの結果に基づいた我々の前の仮定を更新すべきである。

 この新しい研究は、どのくらいの塩摂取量が心臓発作、脳卒中、死亡と関係しているかを調べたメタアナリシスであるが、高血圧を含めて考察された。どれくらいの塩摂取量が高血圧者対正常血圧者に影響するかを調べた。

 私が前に考察したように、全てのアメリカ人は低塩食を始めることを主張して、高血圧者は彼等の食事中の塩を劇的に減らすことを勧めてきたことから我々は撤退したので、この研究は重要である。

 塩を摂り過ぎている高血圧者は減塩すべきであると言うかなり良いエビデンスがあるようだ。それは医者達がその日に始めた所で、その考え方は成立している。しかし、正常血圧者が摂取する多くの塩が違いをもたらすと言う考えをエビデンスは支持していない。

 4年間以上の中間期間について追跡した49ヶ国から133,000人以上を集合的に比較した4件の大規模調査からのデータを研究者達は使った。人々は高血圧者と正常血圧者とのほぼ公平に分けられた。

 高血圧者はナトリウムに対して感受性が高いらしいことを研究者達は知った。高血圧者はナトリウム1 g(2.5 gの塩に相当)の負荷について2.1 mmHgの血圧上昇であり、それに対して正常血圧者は1.2 mmHgだけの血圧上昇であった (ほとんどの人々は120/80 mmHg以下である) 。1日当たり7 g(17.8 gの塩)以上のナトリウムを摂取する高血圧者は45 g(10.212.7 gの塩)を摂取する人達よりも心臓問題や死亡の率が有意に大きいことも研究者達は知った。

 しかし、正常血圧者については1日当たり7 g以上の摂取量は4 – 5 gを摂取している人々と比較して危険率の増加はなかった。

 言い換えれば、多くの塩を摂取することは高血圧者にとって危険要因であるように思える。しかし、正常血圧者では同じ現象は見られない。

 さらにエビデンスがある。非常に低い摂取量を要求することは良いことよりも悪いことを勧めていることを増え続けているエビデンスは示している。私はこの事を約2年前に最初に考察した。

 1日当たり3 g(7.6 gの塩)以下のナトリウムを摂取している高血圧者は4 – 5 gを摂取している人々よりも悪い結果を示す危険率が高かった。彼等は7 g以上摂取している人々よりも悪い結果さえ示した。

 危険率の増加は1日当たり3 g以下の摂取である正常血圧者にも見られた。研究者達が心臓血管疾患者を除いた時でもそれらの結果は見られるので、不健康な人々は最低量のナトリウムを摂取しているために、これらの結果になることはありそうにない。

 この新しいエビデンスが明らかになった時でさえも、食品医薬品局は1日当たり2.3 g(5.8 gの塩)以下のナトリウム摂取量をまだ勧める。WHOもまだ2 g(5.1 gの塩)以下にすべきであると言っており、アメリカ心臓協会も多くの人々について1.5 g(3.8 gの塩)以下にすべきであると言っている。事実、アメリカ心臓協会はこの新しい研究を既に強く反駁してきた。

 そのような低い量まで摂取量を下げることは容易ではない。調査された世界中の人々の95%以上が1日当たり3 g以上のナトリウムを摂取している。

 1日当たり7 g以上の塩を摂取している高血圧者は減塩すべきである。この新しい研究はその勧告を支持し続ける。しかし、医学ではあまりにも頻繁に、高い危険率の人々を選んだグループに適用する勧告を我々は採用しており、その後にそれを非常に広く、非常に強く適用している。それは良いことではなく、逆効果とさえなるかもしれない。