過剰の塩摂取量は年間165万人の死亡と関係していた
Excess Sodium Intake Linked to 1.65 Million Deaths Annually
By Melissa Healy
Los Angeles Times 2014.08.13
世界中で過剰な塩摂取量(パン、スープ、スナック食品に隠されており、何処にでもある塩振り出し器から摂っている)は心疾患や脳卒中によって年間約165万人の死亡原因となっており、70歳までに大体66.7万人が早くに亡くなっている、と総合的な新しい研究は述べている。世界的にみて、10人の心臓血管疾患死亡のうち一人、70歳以下の若い人5人のうち一人が過剰な塩摂取量によるものであると、新しい研究は結論している。ハーバード大学公衆保健学校のDariush Mozaffarian博士が率いている国際チームが行った研究はニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに水曜日に発表された。寄稿された論説は、幅広い集団の過剰な塩摂取量の影響を収集するために“超人的な努力”として研究を宣伝した。しかし、世界的な調査と一緒に発表された二つの研究結果を引用して、アラバマ大学血管専門家のSuzanne Oparil博士は、公衆保健担当者が塩摂取量に対して敢然と戦うことはあまりにも早すぎると言った。一日のナトリウム摂取量は世界中で平均して1日当たり3.95 gで、上限は5.15 gの範囲であった、ことをMozaffarianのチームは知った。この摂取量は医学研究所の専門家達が結論を出した理想の範囲よりもかなり高い。その範囲は高血圧者(同様に糖尿病者、アフリカ系アメリカ人、50歳以上の老人と同様に)についての1日当たりの摂取量は1.5 gと少なく、その他全ての人々については2.3 gであった。
塩分含有量の高い食事は、グルジア、ウクライナ、中央アジアからロシア、モンゴル、中国まで伸びている地域で広がっているが、死亡率はアジアでわずかに少ないことを研究は明らかにした。中央アメリカとアフリカのホーンで死亡率は最低であった。
食品中の塩含有量を下げること目標にした公衆保健運動をしているアメリカ合衆国、カナダ、ヨーロッパは既に進行中で、高塩分摂取量による死亡を百万人当たり300人強まで下げてほぼ世界の中間点になっている。しかし、研究の表面上劇的な結果は全員に減塩を勧める努力の価値を巡って続いている論争を中傷している。
高塩分の食事が健康な人々に高血圧を発症させる原因になるかどうか、または高血圧になっている人々の状態を悪化させる原因になるかどうか、が論争点である。あらゆる食品中の塩含有量を減らす方法を考える中で、心不全、糖尿病、慢性腎臓疾患の人々を含む患者に有害になるのでは、と公衆保健当局も心配している。非常な減塩食は合併症を引き起したり、死亡する人々もいるからである。減塩した被験者は血圧を下げたことを臨床試験は示してきた。しかし、多くの研究、論争、専門家のコンセンサスに向けての努力にもかかわらず、幅広い減塩運動の価値と同様に減塩運動の目標は解決を目指すべきであるが、論争は続いている。世界的な調査とともに発表された一組の研究は、幅広い集団で塩摂取量、高血圧、心臓血管疾患、死亡との間の関係は随分複雑であるかもしれないという疑いを強調している。水曜日に発表された最初の研究は塩摂取量と高血圧との間に弱い関係を明らかにした。ほぼ3年半の期間中に毎日7.6 gから15.2 gの塩(世界中の塩摂取量の範囲に相当する)を摂取している人々は、より高いまたはより低い塩摂取量の人々よりも死亡数が少ない、または心臓発作や脳卒中を起こしにくかったことを二番目の研究は明らかにした。
さらに、ある人々についは食事によるカリウム摂取量は過剰な塩摂取量の疾患効果を減らすことに役割を演ずるかもしれないことを両研究は示唆した。世界的な調査と一緒に発表された二つの研究はカナダ、オンタリオ州のマクマスター大学集団保健調査研究所の研究者達によって行われた。両研究とも間接的な方法で少なくとも17ヶ国から100,000人以上の塩摂取量を測定した。これらの研究の最初では、塩摂取量と高血圧との関係は老人、最高の塩摂取量であった人々、高血圧者で最も明白であった。しかし、これらのグループから外れた人々では、研究者達はほとんど識別できないパターンであることを知った。すなわち、ちょうど1日当たり3 g以下のほどほどに高い塩摂取量の食事はこの研究では明らかに高血圧と関係していなかった。そして1日当たり3から5 gの摂取量の人々はほんのわずかに高血圧になりそうな状態であった。
これらの結果からニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに書いたオパリル博士は、特に減塩を目的とした公衆保健運動が安全に推進される前にもっと研究が必要である、と結論を下した。
3件の論文は“減塩食の危険性と有益性の両方に関する高い品質のエビデンスを集める必要性を強調している”とオパリルは水曜日に発行されたニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの論説に書いた。 塩摂取量、カリウム、高血圧、心臓血管疾患との間の関係を臨床試験が十分に肉付けするまでは、“単独の公衆保健勧告としての減塩に対していろいろな結果は反論している。”と彼女は書いた。
幅広く消費されている加工食品中の塩含有量を減らすために大手食品製造者と一緒に作業してきた一人の公衆保健専門家からその結論は批判を引き出した。“塩摂取量と高血圧との間に非常に明らかな関係があり、減塩は心臓血管疾患の危険率を低減するエビデンスがあるとすれば、新しい結果は、我々が減塩に向けて進むべきであると言う基本的な結論を変えないと私は思う。”とハーバード大学公衆保健校のウォルター・ウィレット博士は言った。彼は新しく発表された研究のいずれにも参加していなかった。“正確な最適塩摂取量は明らかでない。何某かの塩は必須であることに疑いはない。したがって、減塩を推進するのであれば、最適塩摂取量を一層明らかにする追加研究を行うべきである。”と彼は付け加えて言った。