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世界中の海塩はプラスチックで汚染されている、研究は示す

Sea Salt around the World Is Contaminated by Plastic, Studies Show

By Jessica Glenza

The Guardian 2017.09.08

 

特記:新しい研究では米国、ヨーロッパ、中国の塩にマイクロプラスチックが含まれていることが分かり、プラスチック汚染が環境に蔓延している証拠が追加された。

Two fragments of blue microplastic surrounded by diatom phytoplankton (seen under a microscope) after being collected from the sea in a fine mesh trawl net. 

細かい目のトロール網で海から集められた後、珪藻植物プランクトンで囲まれた

青色マイクロプラスチックの2(顕微鏡下で見た)   Photograph: Alex Hofford/EPA

 

 世界中の海塩はプラスチック汚染されてきており、マイクロプラスチックが環境の至る所にあるようになり、我々の食事に塩を通して食物連鎖への道が出来たと専門家達は恐れている。水道水中のプラスチック汚染レベルに関するガーディアンの今週の暴露に続いて、小さな粒子が中国や現在のアメリカと同様にイギリス、フランス、そしってスペインの海塩に発見されたことを新しい研究は示した。汚染の大部分はマイクロファイバーやプルトニウム廃棄物の大部分を占める項目の水用瓶などの使い捨てプラスチックから来ていると研究者達は信じている。国連によると、毎年最大1,270万トンのプラスチックが世界の海に流れ込んでおり、1分当たり1台のプラスチックごみ収集車分を世界の海に投棄していることと同じである。

 「プラスチックは日常の使用という観点で社会に浸透しているだけでなく、環境にも浸透している。」とフレドニアのニューヨーク州立大学教授のシェリー・メイソンは言った。彼女は塩の中のプラスチック汚染について最近の研究を主導した。プラスチックは「空気、水、我々が食べる海産物、我々が飲むビール、我々が使う塩にと、どこにでもある。」メイソンは塩、ビール、飲料水中のマイクロプラスチックを調べるためにミネソタ大学の研究者達と共同研究した。彼女の研究は世界中の米国食料品店から購入した12種類の塩(海塩10種類を含む)を調べた。ガーディアンは今後の研究について独占的な調査を受けた。アメリカ人が2.3 g/dの塩を摂取するという保健当局のアドバイスに従えば、毎年660個以上のプラスチック粒子を摂取していることをメイソンは明らかにした。しかし、保健当局はアメリカ人の90%以上が多すぎる塩を摂取しているので、ほとんどのアメリカ人ははるかに多くを摂取している可能性がある。

 摂取されたプラスチックの健康への影響は知られていない。科学者達は人体に及ぼすプラスチックの影響を研究するのに苦労してきた。プラスチックを摂取しなかった人達のグループを見つけられないからである。「誰もが妊娠から死ぬまで何時でもある程度曝されている。」とジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院とアリゾナ州立大学の研究者達は2013年に書いた。「「プラスチック性」ビスフェノールAの検出レベルはアメリカ合衆国の成人人口の95%の尿で発見されてきた。」

 「その物質に関する研究はないので、人の健康に及ぼす明らかな影響はない。」とスペインのアリカンテ大学で研究を行ったファン・コネサ教授は言った。「しかし、一般的に環境中のプラスチックの増加はまた[暴露を増加させる]。」とコネサは言った。

 

sea salt crystals   

       アメリカ人が2.3 g/dの塩を摂取するアドバイスに従えば、毎年660個以上のプラスチック粒子

を摂取している可能性があることを研究者達は明らかにした。  Photograph: MirageC/Getty Images

 

 毎分100万本のプラスチック瓶が購入されていることを明らかにしたガーディアンの解析後にも研究が行われ、再利用の取り組みが2050年までに4倍になると予想されている生産に追いついていないことも明らかにした。一部の環境保護主義者は、プラスチック汚染の脅威は現在の「気候変動に匹敵する」と述べてきた。メイソンの研究はスペインや中国を含む世界中の他の諸国からの塩にあるプラスチックに関する研究に追加される。8月にスペインの研究者達は「海産物はマイクロプラスチックによって取り返しようのないほど汚染され」そして「環境中にマイクロプラスチック存在の背景がある」とネイチャーのScientific Reportsの発表された研究で結論付けた。そこでは科学者達は21種類の食卓塩をテストし、それらの全てにプラスチックを発見した。彼等が発見した最も一般的なプラスチックの種類はプラスチック瓶を作るために使われる材料のポリエチレン・テレフタレートであった。

 この春、フランス、イギリスおよびマレーシアからの研究グループは8ヶ国から17種類の塩をテストし、彼等が信じていることはプラスチック粒子であったことを調べた。1つの試料を除いて全ての中にプラスチックを発見したが、プラスチックのほとんどはポリエチレンとポリプロピレンであった。

 科学者達は2015年に中国の塩にプラスチックを初めて発見した。ペットボトルの表面剥離、化粧品、プラスチック瓶の破片からの顕微鏡で見たプラスチック粒子は中国の食品雑貨店で見つけた15塩製品の試料で発見された。メイソンのような研究者達は現在、海塩は海水の脱水工程を通して製造されているので、プラスチック汚染に対してより無防備であると信じている。「中国の海塩はアメリカの海塩よりも悪いことはない。全ての海塩は同じ起源から来ているので、全ての海塩は一貫した問題を発生している。それが我々が見ていることであると思う。」とメイソンは言った。塩を含め毎日人々が食べている多くの食品や飲物がプラスチック汚染されていることを知って、多くの人々がショックを受けていると思うと彼女は言った。「このことから来ることは、[消費者]が単に銘柄を切り替えて、食卓塩または岩塩である何かを見つけようとすることではない、と私は思う。人々は切断したいと思いながら、「毎日スターバックに行き、そこで使い捨てコーヒーカップをもらえば、それはOKである…」我々はプラスチックの流れと我々の社会でプラスチックの普及に焦点を置いて、代わりに使える他の材料を見つけなければならない。」とメイソンは言った。