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塩は前に考えられていたほど悪くない:日々限界量の2倍でも

心臓発作の危険率を増加させない、と研究は主張

Salt Is Not as Bad as Previously Thought: Even double the Daily Limit Won’t Increase Your Heart Attack Risk, Study Claims

 

  ガイドラインは一日に茶さじ0.75杯以上の塩を摂らないように言う

  しかしマックマスタ―大学による研究は、ほとんどの人々の基準である茶さじ2杯半以下であれば安全であることを明らかにした。

 

By Mia De Graaf

MailOnline 2018.08.10

 

 ほとんどの人々にとって、彼等が摂っている塩の量は有害ではない、と論争のある新しい研究が明らかにした。アメリカとイギリス両国の健康ガイドラインは一日に茶さじ0.75杯以上の塩は心臓発作の危険率を増加させると言う。しかし、オンタリオ州のマックマスタ―大学による研究はほとんどの人々の基準である茶さじ2杯半(5 g)以下であれば安全であることを明らかにした。そして多くの塩を摂取している人々については、多くの果物、野菜、他のカリウムの多い食品を食べれば、健康リスクを避けられる。人々に減塩を促す公衆保健運動は、もっと塩辛い食品を食べている中国のような国々では必要かもしれないが、ヨーロッパや北アメリカのほとんどでは不必要であるかもしれないことを著者らは示唆している。

 ‘中程度または平均塩摂取量の人々は心疾患や脳卒中の予防のために減塩する必要があるとの確たるエビデンスはない、’と医学部准臨床教授の筆頭者マーチン・オドンネルは言った。

 オンタリオ州のマックマスタ―大学の人口保健研究所(PHRI)による研究は18ヶ国で平均8年間35歳から70歳の94,378人を追跡した。平均摂取量が12.7 g/d以上の場合だけ心血管疾患や脳卒中と関連した危険性があることを明らかにした。17.8 g/d以上の摂取量である人々は高血圧者で心血管疾患と死亡率の危険率を増加させた。7.6 g/d以下の低塩摂取量は高血圧者あるいは正常血圧者の心血管疾患や死亡率の危険率増加と関係していた。しかし、果物、野菜、酪農製品、ポテト、他のカリウムの多い食品を加えることによって食事の質を改善すれば、塩摂取量の健康リスクが実質的に除かれるので、多くの塩を摂取している人々のためにも良いニュースがある。

 中国では、4/5以上がこの値を超えているが、他の諸国では大多数は7.6 – 12.7 g/dの平均塩摂取量である。比較的高い塩摂取量は血圧上昇と脳卒中増加と関係していることを研究は明らかにしているが、これは非常に高い塩摂取量の中国のような国々が主で、他の諸国ではそうではないことを明らかにした。比較的高い塩摂取量は心筋梗塞や全死亡の比較的低い危険率と関係していた。

 ‘世界保健機関は心血管疾患の予防手段として5.1 g/d以下の塩摂取量を勧めているが、そのような低摂取量を達成した人々でも健康結果を改善することに関してはほとんどエビデンスがない、’とアンドリュー・メンテ准教授は言った。

 塩摂取量が主に中国である12.7 g/d以上のほとんどの塩摂取量の社会で、塩摂取量と心臓発作や脳卒中のような主な心血管疾患との直接的な関係を我々は明らかにした。12.7 g/d以下の塩摂取量の社会では、事例は反対であった。塩摂取量は心筋梗塞あるいは心臓発作や全死亡と逆相関しており、脳卒中では増加はなかった。さらに、脳卒中率、心血管死亡率、全死亡率はこれらの社会でカリウム摂取量の増加で低下した。果物や野菜の豊富な食事はカリウムが多いが、カリウム自身が役立つのか、あるいはそれは健康に良い食事の指標であるだけなのかどうかは分からない。

 メンテ博士は次のように言った:死亡を含めて全ての主な心血管問題は、果物、野菜、酪農製品、ポテトやナッツや豆のような食品にあるカリウムの摂取量が多い国々や社会で低下したことを我々は明らかにした。我々の研究は、中程度の摂取量で塩は心血管の健康に有益な役割を持っているらしいが、摂取量が非常に高い、または低い時にはより有害な役割を持っている可能性があることを示唆するエビデンスを加えている。これは必須栄養素と健康について我々が期待する関係である。我々の体はナトリウムのような必須栄養素を必要とするが、問題はどれくらい多くかである。

 5.1 g/dまでの低い塩摂取量を勧めることは塩摂取量と血圧の短期間試験に基づいており、血圧を低下させるどのようなアプローチも意図しない結果をもたらすことなく心血管疾患の危険率を下げると必然的に解釈する仮説に基づいている。

 低塩摂取量は血圧を下げるが、非常に低い量では、死亡や心血管疾患の危険率増加と関係したいくつかのホルモンの悪い上昇を含めて他の効果も持っているかもしれない。

 その研究はランセットに発表された。

 大学病院のFranz Messerli Louis Hofstetterの研究をコメントして、ニューヨーク医科大学のBernSripal Bangalore2年前に言って、メンテ博士と同僚は、減塩が高血圧患者でだけ心疾患、脳卒中あるいは死亡の危険率を減らし、塩摂取量があまりにも低くなり過ぎると、減塩は有害になると言った。しかし、これは彼等の批判で‘悪い科学’と烙印を押された。

 新しい研究の中で、カリウム摂取量を増加させる利益という著しい例外にはほとんど疑いはなく、メンテと同僚の結果は再び論争を引き起こすことを彼等は付け加えた。