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塩摂取量を100%増加させますか?

専門家達は日々の限界量を二倍にしても良いと言う

Would You Increase Your Salt Intake by 100 Per Cent?

Experts Say You Can Double Your Daily Limit

By Jane Feinmann

MailOnline 2018.08.13

 

〇 ランセットに発表された研究は12.5 g/dの食卓塩が健康に良いことを示唆している

〇 21ヶ国の95,000人の塩摂取量と彼等の健康に基づいていた

〇 研究者達は、少なすぎる摂取量は多過ぎる摂取量と同等に危険であることを明らかにした。

 

 一つまみの塩を食卓に戻して置くべきか?ランセットに先週発表された研究はそうすべきことを示唆している。12.5 g/dの塩摂取量は安全でないだけでなく、健康に良いと研究者達は忠告している。公式な勧告は6 g/d以下であるので、これは反対論のように聞こえるかもしれない。事実、この議論のある研究は、数十年間も医学研究者達を分断してきた塩摂取量を巡る過熱した論争で最新の出発を表している。

 カナダ、オンタリオ州のマックマスタ―大学からの研究は21ヶ国の約95,000人のナトリウム量に基づいており、続く5年から9年の間に心臓発作または脳卒中を彼等が患ったかどうかに関するデータに沿っていた。

 非常に高い塩摂取量(12.5 g以上)は‘少なくとも高血圧者で脳卒中と心疾患の危険率増加と最も確実に関係している、’とマックマスタ―大学の人口保健研究所の疫学者アンドリュー・メンテ教授は言う。しかし、毎日‘あまりにも少な過ぎる’塩摂取量は同じように危険であるかもしれない。‘世界の人々の大部分は7.5 g – 12 gの平均塩摂取量であり、それはほとんどの人々が食事で好む塩の量である、’とメンテ教授はGood Healthに語っている。‘我々の研究は、この中程度の塩摂取量は幾分血圧を上昇させるが、実際には心臓の保健に良いことを示唆していると言うエビデンスを加えている。’

 これは2016年のFrontiers in Physiology誌に発表されたこれまでの研究レビューと一致しており、それは心血管疾患の最低の危険率にある人々は一日に茶さじ一杯半から二杯半の塩を摂取していることを示唆していた。言い換えれば、この研究によると、6 gと言う公式な1日当たり最高塩摂取量は実際に早死にの危険率を上昇させる。それはあまりにも低過ぎるからである。

 我々の身体は確かにナトリウム()を必要としている-それは筋肉を収縮させ、神経刺激を伝達し、水和を維持させることに鍵となる役割を演じている。そのため、科学者達は健康に良いナトリウム量に関して反対している。世界保健機関と政府当局の勧告は約5 gの塩摂取量に制限している。

 一連の研究からの根幹はインターソルト(電解質排泄量と血圧の国際研究)として知られているEighties onwardsから行われた。アメリカとイギリスの疫学者によって行われ、アメリカの福祉省により援助された研究は52ヶ国に住む10,079人の塩摂取量を測定し、血液中のナトリウムが多いほど血圧が高かったことを決定的に示した。

 元の参加者の3/4から集められたデータに基づいて2007年にBMJに発表された影響力のある論文は、15年後、心臓発作または脳卒中の危険率は少なくとも18ヶ月間、減塩した人々で25%以上低かった。

 塩は身体の細胞から水を引き出す。したがって、塩を食べるほど血液中に多くの水が溜まり、量が増えて血圧が上昇するとロンドンのウォルソン予防医学毛研究所の心血管医学教授で圧力グループ塩に関する行動の会長グラハム・マクレガーは説明する。‘タバコを考えるように塩を考えなさい-塩はより大きな殺人者であるほかに、’とマグレガー教授はGood Healthに語る。‘喫煙は毎年、世界で7百万人を殺しているが、高血圧は3千万人殺している。そして食事から塩を除くことは血圧を下げる一番容易な方法の一つである。’

 ‘過去10年間以上、我々は調理済み食品や加工食品の塩含有量を徐々に下げて来た。それは心血管疾患や死亡率の低下に反映されてきた。我々は今進んでいる進歩を危険にさらすことはできない。’

  PURE(将来の都市田園疫学)研究として知られているランセットに発表された新しい研究はインターソルトよりも大規模な試験で、世界中の18ヶ国の都市や村の36ヶ所に住む95,767人の塩摂取量に基づいている(9年間の健康を追跡した)

 ‘毎日食事に茶さじ2杯半以上の塩を加えることが安全であるかどうかについては意見の相違はない、’と研究リーダーのメンテ教授はGood Healthに語っている。我々は、それが高血圧者で脳卒中と心疾患の危険率増加と関係していることを知っている。‘我々は、非常にひくい塩摂取量がさらに血圧を低下させるが、それは実際には有益でないことも示した。5 g/d以下の塩摂取量は他の効果も持っているように思われる、すなわち、死亡や心疾患の危険率増加と関係した幾つかのホルモン量を上昇させる。’

 極端に低い塩摂取量も吐き気、頭痛、めまい、疲労を引き越す原因となり-長期間になれば腎臓や心不全でもっと深刻になる。人々に減塩を講義するよりもむしろ保健当局は研究からのさらに大きな結果に焦点を置くべきであることをPURE研究チームは主張している。つまりカリウムを多く摂取するほど、脳卒中、心疾患、総合的な死亡率の低下が大きくなる。

 新鮮な果物、野菜、乳製品にあるカリウムは多過ぎるナトリウムの影響を抑えることによって血圧低下に役立つ:カリウムを多く摂取するほど、尿中に多くのナトリウムを身体から排泄できる。

 ‘我々の結果は果物、野菜、乳製品、ポテト、ナッツ、豆類の多い健康に良い食事の勧めを支持している、’と共著者のマックマスタ―大学医学部のマーチン・オドンネル教授は言っている。ランセットの論説でPURE研究に賛同したコメントで、スイスのベルン大学医学部教授のフランツ・メッセルリは非常に高い塩摂取量の有害な効果は、塩愛好者が健康的に食べている限り打ち消されるかもしれないことを示唆している。平均8 g – 9 g/dの塩摂取量にもかかわらず、香港の女性は平均寿命87.3歳という世界一の寿命であることは注目に値する、と彼は言っている。‘我々はまだ証明していないが、香港のようにカリウムを多く含む新鮮な食品で健康に良く作られている料理は塩やその主要な成分であるナトリウムが問題とならないと言う示唆がある、’と彼はGood Healthに語っている。

 他のコメンテイターは心臓の健康に良い地中海食中の高い塩の量を指摘してきた:‘サーディンやアンチョビ、オリーブやケイパー、熟成チーズ、スープ、甲殻類やヤギの乳を考えて見なさい、’と心血管疾患研究者で科学者のジェームス・ディニコラントニオ博士は最近の彼の書籍The Salt Fix: Why The Experts Got It All Wrong And How Eating More Might Save Your Lifeで述べている。

 しかし、PURE研究の批判は、それが科学的ではなく、無視されなければならないと言っている。ウォリック大学の心血管医学と疫学部長のフランセスコ・カプチーオ教授は‘欠陥のある’データを発表したランセットを非難した。研究は‘塩摂取量に関するいずれかの問題に対処するのに適していない、’と彼は主張した。一方、研究者達は‘塩摂取量と健康との関係に関して正しくない結果をもたらす不正確な測定法を使ってきた、’とマグレガー教授は言って、彼等の論文を‘エビデンスの基礎部部分の一部として考察されるべきではないお粗末な科学的品質の’論文と称した。

 この論争の中心では、塩摂取量を測定することが問題となっている。タバコや酒と違って、人々に塩摂取量を尋ねられない-加工食品中に塩が隠れており、ほとんどの人々は手がかりを持っていない。唯一の信頼できる方法は尿をテストすることである。24時間でその日食事で摂取した塩の約90%が排泄され-したがって、‘黄金基準’であり、福祉省で使われている最も一般的な方法は24時間に収集された尿をテストすることである。

 ロンドン帝国大学の疫学・公衆保健医学部教授で後のインターソルト研究主任研究者のポール・エリオットによると、正確な病象を得るためには全ての尿が必要である。その研究では10,079人全ての参加者が尿を漏らさないことを確実にするために、容器、女性では漏斗を用いた、と彼は言う。‘収集中に2,3滴以上の尿を失ったと認めた人は研究から外された、’と彼は付け加える。

 しかし、PUREが採用した大規模世界試験を可能にする簡単な方法が十分良い科学にするために今、求められている。PUREチームは参加者の早朝の最初の尿から中間の尿試料を一回集めた。その後、参加者の24時間塩摂取量についての信頼できる情報を得られるような複雑な数式で処理して結果は得られた、と主張している。

 ‘多数の世界の地域から数万人に関するデータを集められる唯一の方法がそれである。被験者が食事をする前に試料が集められ、それにより我々は前日からの塩摂取量をそれらが反映していることを確実にできる、’とメンテ教授はGood Healthに語った。

 データを集めるためにニュージーランドとオーストラリアを含めた幾つかの国で使われているシステムがそれである。しかし、他の科学者達はそれを使わなかった:マグレガー教授は国際疫学学会誌に発表された彼の最近の研究で、二つの方法は異なった結果をもたらしたが、一回の尿試料と24時間試料の両方からの測定値を解析した、と言っている。

 論争は続く。

 

塩を食べることを良とするトリック

 

 最近の研究は、カリウムを多く摂取すれば、もっと多くの塩を食べられることを示唆している。成人は約4.7 g/dのカリウム摂取量を勧められるが、我々が加工食品を好むということは、多くの人々がその量の半分以下であることを意味している。彼等は十分な果物や野菜を食べていないからだ、とカナダ、バンクーバーのセント・ポールズ病院心血管予防研究部長で新しいランセット研究の共著者であるスコット・リーア教授は言う。

 他の良い給源には乳製品、肉、魚がある。食事からもっとカリウムを摂取するために、これらの助言を試みて下さい。

〇 毎日、このスナック組合せで食べる:バナナ1本、オレンジ1個、コップ1/4のアーモンド、トマト1個-サンドイッチにほうれん草を加える。これで1.4 gのカリウムを摂取できる。

〇 コップ1杯の赤インゲン豆はほぼ300 gのカリウムを含んでいる。リーア教授は赤インゲン豆(コップ1/6)とアーモンド、ほうれん草、缶詰のマンダリン・オレンジ、トマト、カボチャの種、アヴォガド半分(1.7 gのカリウムを含む)でサラダを作ることを勧めている。

〇 コップ1杯の乾燥杏(2.2gのカリウム)を食べる。

 しかし、サプリメントについてはどうか?これらは急速に吸収されるので、突然の血圧低下を引き起こす、とアドバイスする。

注:腎臓に問題のある人はカリウム摂取量を増加させることを試みる前に、医者または栄養士からのアドバイスを受けるべきである。