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塩がストレスを和らげることを知っていましたか?

Did You Know Salt Reduced Stress?

Chicago Tribune, May 15, 2014


(訳者注:ヒトにおける塩とストレスとの関係が発表された論文を紹介した記事であるが、シカゴ・トリビューンの記事は削除されて見られないので、デイリーイースタンニュースの記事にリンクを張った。同じ記事はNEWSOKにも掲載されている。) 

 ストレスで死ぬことがあり、ストレスを長く受ければ受けるほど、それだけますます健康を損ねていく。事実、メイヨ-・クリニックによると、長くストレスを受けていると体内にいくつかのホルモンが生成する原因となり、それらのホルモンにより精神不安定、うつ病、消化器系疾患、心疾患、睡眠障害、肥満、記憶喪失などが引き起こされることがある。男女ともストレスに悩まされるが、女性の方が不妊も含めてストレスに関連した状態に陥りやすい。

 経済状態が厳しいと、ストレスの強さもかなり増加する。イギリスでは、イギリス保健福祉情報センターは、国が不景気だとストレスは47%増加し、ストレスはイギリスで唯一最大の病因となって人口の20%に影響を及ぼすことを明らかにした。ストレスに関する有名な専門家であるランカスター大学のCary Cooper教授は警告し、インディペンデント紙で次のように語った。“これまでこのような数字を見たことがない。ストレスは心臓発作から免疫系不全、精神疾患、うつ病、不安症まであらゆる範囲の状態について引き金を引く機構となっている。”

 人々が欲しい食べ物の話になる場合には大抵ストレスは和ぎ、これについての科学的理由がある。塩からいスナックは実際に体のストレスを和らげるのに役立つ。“ストレス・ホルモン”として引き合いに出されるコルチゾール・ホルモンの濃度が高いことによって人体のストレスは特徴付けられる。動物とヒトの両方による科学的な研究が示したことは、コルチゾールの濃度を減らすのに塩摂取量の増加が非常に有効である。

 さて、科学雑誌のAppetiteに発表されたハイファ大学からの新しい研究はヒトで塩とストレスとの関係を確認した。研究者達は特に女性で塩とうつ病/ストレスとの間に逆相関を見い出した。本質において、我々に塩欲求を起こさせることによって身体はストレスやうつ病を予防するように自己制御をしている。

 Micah Leshem教授はアメリカの国民保健栄養試験調査から10,000人のデータをレビューし、うつ病とストレスはあまり塩を摂取しない人々で高く、その傾向は男性よりも女性で高いことを示した。人で少ない塩摂取量と高いうつ病との関係は動物研究による結果とも一致していたことを彼は注目した。塩からい食品を任意に選択することが毎日のストレスに上手く対処して進化する生物学的な防衛機構であるかどうかという疑問に彼は行きついた。

 PavelLeshem教授もまた、19歳までの若い人々が塩含有量の高い食品を選択的に選び、高い塩含有量の食品を食べるように駆り立て、より活発な発育を促す自然のフィードバック機構を示していることに気付いた。これは論点となっていることを真実と仮定して論文を進める。すなわち、若い人々の塩摂取量を制限すれば、彼等の成長が遅くなるのだろうか?

 食事で塩を摂取する多くの明らかな利益があるにもかかわらず、様々な国や政府機関は人々の塩摂取量を極端に下げるように呼びかけている。しかし、アメリカ高血圧学会誌に発表された新しい研究は、平均的なアメリカ人は最適な健康結果をもたらす正しいナトリウム摂取量を既に摂取しており、疾患予防管理センターや主たる保健部門によって現在勧められている低ナトリウム摂取量は行き過ぎであり、非現実的に低すぎるとして科学界の多くの団体が現在レビューしていることを明らかにした。

 塩辛い食品が快い食品または気持ちを安定させる食品と呼ばれようと呼ばれまいと、塩からい食品は人々を快く感じさせ、高揚したストレスを鎮めることに信じられないほど有効であるという事実がある。