安価で安定な-塩水電池
Inexpensive and Stable – The Salt Water Battery
By Rainer Klose
https://phys.org/より 2018.01.09
水は将来の特別に安価な充電式電池の基礎となる可能性がある。Empa(スイス連邦材料試験研究所)の研究者達は特別な塩水で水の電気化学的安定性を2倍にすることに成功した。これにより技術を商業的に使用することに一歩近づいた。将来に向けて安全で低コストの電池を見つけるために、結局、我々は自問しなければならない:どうして電解質として全く水を使ってはいけないか?水は安価で、何処でも入手でき、非可燃性でイオンを伝導できる。しかし、水には1つの大きな欠点がある:1.23ボルトの電圧までしか化学的に安定ではない。言い換えれば、水電池は3.7ボルトの通常リチウム・イオン電池よりも1/3しか電圧がない。そのことは電気自動車に使用するには適していない。しかし、費用対効果の高い水ベースの電池は固定電力貯蔵用途にとって非常に興味深いものである。
自由水のない塩水
Empaのエネルギー変換材料部の研究者であるルーベン-サイモン・キューネルとデビッド・レーバーは問題を解決する方法を今や発見した:塩を含む電解質は液体であるが、同時に塩水は非常に高度に濃縮されているので、「過剰な」水を含まない。実験にために2人の研究者は特別な塩、ナトリウムFSI(正確な名前:ナトリウムビス(フルオロスルホニル)イミド)を使用した:これは水に極端に溶解性である:7 gのナトリウムFSIと1 gの水は清澄な塩水を作る。この液体で、全ての水分子は水和殻内で正に帯電したナトリウム・イオンの周りにグループ化されている。結合していない水分子はほとんど存在しない。
費用対効果の高い生産物
研究者達は、この塩水溶液が他の水性電解質のほぼ2倍になる2.6ボルトまでの電気化学安定性を示すことを発見した。その結果、発見は安価で安全な電池の鍵となる可能性があった;他の物とは別にナトリウムFSI電池はよく知られているリチウム・イオン電池よりも安全に、したがって、より簡単に作成されるので安価である。
システムは実験室で一連の充放電サイクルに耐えている。しかし、今までに研究者達はパートナーとしての標準電極に対して彼等の試験電池の陰極と陽極を別々にテストしてきた。次の段階で、2つの半電池は1つの電池に結合された。それから追加の充放電サイクルが計画される。
固定電力貯蔵システム用の新しい電池に関するEmpaの研究活動は熱電力貯蔵用スイス・コンピテンス・センターに取り込まれている。そのセンターは国家レベルで新しい熱と電力貯蔵概念のための研究を統合しており、ポール・シェラー研究所(PSI)によって率いられている。実験が成功すれば、安価な水電池が手に届くことになる。