未来のスーパー蓄電池は海水から作られるか?
Will the Future’s Super Batteries Be Made of Seawater?
By University of Southern Denmark
https://phys.org/より 2020.01.23
我々は皆、スマートフォン、ラップトップ、さらには電気自動車に設置されている充電式で効率的なリチウム・イオン電池を知っている。残念ながら、リチウムは限られた資源で、したがって、比較的安い電池用に世界の需要増加を満足させるために挑戦している。そこで研究者達はリチウム・イオン電池に代わる物を今探している。有望な代替案は、リチウムを金属ナトリウムに置き換えてナトリウム・イオン電池を作ることである。ナトリウムは海水中に大領にあり、海水から容易に抽出される。
「ナトリウム・イオン電池はまだ開発中であり、研究者達はその寿命増加、充電時間の短縮、および大容量を供給できる電池製造に関して研究している。」と南デンマーク大学の物理化学および薬学部の研究リーダーDorth Bomholdt Ravnsbækは言う。彼女と彼女のチームは、今日広く使われているリチウム・イオン電池に代われる新しくより優れた充電式電池の開発に熱中している。
ナトリウム・イオン電池が代替品になるには、より良い電極材料が開発されなければならない-彼女と米国マサチューセッツ工科大学の同僚がACS Applied Energy Materials誌に掲載された新しい研究で調べた物である。しかし、この研究の詳細を見る前に、ナトリウム・イオン電池が次の大きな電池の成功になる可能性がある理由を見てみよう。
「明らかな利点は、ナトリウムが非常に容易に入手できる資源であり、海水中に非常に大量にあることである。他方、リチウムは限られた資源で、世界中の僅かな場所でしか採鉱されない。」とDorthe Bomholdt Ravnsbækは説明する。他の利点は、ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池でも必要とされるコバルトを必要としない。リチウム・イオン電池を作るために今日使われているコバルトの大部分はコンゴ民主共和国で採鉱され、そこでは反乱、無秩序な採鉱、児童労働があり、国のコバルト貿易に関して不確実性と道徳的な懸念がある。また、現在のリチウム・イオン電池と同じ工場でナトリウム・イオン電池を製造できることもプラス面である。彼等の新しい研究で、Dorthe Bomholdt Ravnsbækと彼女の同僚達は鉄、マンガン、リン酸を基にした新しい電極材を調べている。
材料の新しいひねりはマンガン元素の追加である。これは電池に高い電圧を与えるだけでなく、電池容量を増やし、より多くの電力を供給する可能性がある。これは、放電および充電中に原子レベルで発生する変換がマンガンの存在によって大幅に変化するためである。
「同じ効果がリチウム・イオン電池で見られるが、効果がナトリウム・イオン電池に保持されていることは非常に驚くべきことである。電極とナトリウム・イオンの相互作用はリチウム・イオンの相互作用とは大きく異なるためである。」とDorthe Bomholdt Ravnsbækは言う。
彼女は、我々の電話や電気自動車に海水ベースのナトリウム・イオン電池が何時見つかるかを予測しようとしない。まだ解決すべき課題が幾つかあるからである。1つの課題は小さなナトリウム・イオン電池を作るのが難しい場合があることである。しかし、大型電池にも価値がある。例えば、風力や太陽光エネルギーの貯蔵に関してである。
したがって、2019年にそのような巨大な100 kWhのナトリウム・イオン電池が長江デルタ物理学研究センターで中国の科学者達によってテストされるために発足した。巨大な電池は600を超える接続されたナトリウム・イオン電池で構成され、センターを収容する建物に電力を供給する。電池に蓄えられた電流は主配電網からの余剰電流である。