ナトリウムは新しいリチウム:研究者達はナトリウム・イオン電池性能を高める方法を発見
Sodium Is the New Lithium: Researchers Find a Way to Boost Sodium-ion Battery Performance
By Nagoya Institute of Technology
https://phys.org/より February 1, 2019
日本の名古屋工業大学の研究者達は、幾つかの蓄電池特性、特に充電速度についてリチウム・イオン電池に匹敵するナトリウム・イオン電池用の効率的な蓄電成分として作用する特別な材料を明らかにした。結果は2018年11月にScientific Reportsで発表し、名古屋工業大学先端セラミック部の谷端直人准教授が率いた。通常のリチウム・イオン電池には幾つかの利点がある-それらは再充電でき、幅広い応用範囲がある。ハイブリッド車や電気自動車と共に固定電話や携帯電話のような装置で使われる。電気自動車-クリーンで継続的な輸送で先行していると共に田園地域の汚染と戦う重要な技術である-はエネルギー危機と環境危機を解決する努力で重要なプレイヤーである。リチウムの欠点は限られた資源である事実である。リチウムは高価であるばかりでなく、年間生産量が(乾燥工程のために技術的に)限られている。蓄電池駆動装置や特に電気自動車用の需要が増加すると、リチウムに代わる物を探すこと-豊富にあると同時に安い物-が緊急な問題となる。
ナトリウム・イオン電池は幾つかの理由でリチウム・イオン電池に対する魅力的な代替物である。ナトリウムは限られた資源ではない-それは海水中と同様に地球の地殻の中に多くある。また、ナトリウムをベースとした成分は適正な結晶構造に設計すればずっと早い充電時間を出来る可能性がある。しかし、ナトリウムは現在の蓄電池材料で使われているリチウムと簡単には交換できない。ナトリウムはイオンサイズが大きく、わずかに異なった化学性を持っているからである。したがって、研究者達は試行錯誤法で莫大な数の候補物質の中でナトリウム・イオン電池用の最適材料を発見する仕事を課せられる。
名古屋工業大学の科学者達はこの問題を取り巻く合理的で効率的な方法を発見した。結晶構造データベースから約4,300化合物を抽出してこれらの化合物のハイスループット計算を続けた後、それらの1つが好ましい結果を示し、したがって、ナトリウム・イオン電池成分として有望な候補化合物であった。研究者達は、Na2V3O7が結晶構造と電子構造と共に好ましい電気化学的性能を示すことを明らかにした。この化合物は6分間以内で安定的に充電出来るので、速い充電性能を約束している。研究者達は、化合物が短い充電時間と共に長い蓄電池寿命を持っていることも示した。
“我々の目的は、長い充電期間に重く依存している電気自動車のような応用で大容量蓄電池が直面する最大の障害に取り組むことであった。蓄電池の速度性能を増加させるに十分効率的な材料を得る研究を通して我々は問題に近づいた。”
好ましい特性とナトリウム・イオン電池に及ぼす総合的な望ましい影響にもかかわらず、研究者達は、Na2V3O7が最後の充電段階で劣化に耐えることを発見した。劣化で実用の蓄電容量は理論容量の半分になる。それなのでこれからの実験で、研究者達は、充電段階の全期間を通して安定に維持できるように、この材料性能を改善することに集中することを目指す。“我々の最後の目標は、我々が計算と実験手法の組み合わせで電極材料を効率的に設計できるようにする方法を確立することである、”と谷端博士は付け加えている。