高性能固体ナトリウム・イオン電池
High Performance Solid-State Sodium-Ion Battery
Science Daily
Source: University of Houston 2019.04.19
有機性陽極は安定性の鍵である電解質との信頼性の高い接触を提供する
固体ナトリウム・イオン電池は発火・爆発の危険性のある通常のリチウム・イオン電池よりもはるかに安全である。しかし、ナトリウム・イオン電池の作動は安定性の利点を相殺するには弱すぎた。研究者達は劇的に安定性とエネルギー密度の両方を改善する有機性電極を開発中であると現在報告している。
Joule誌に発表された改善された性能は2つの鍵となる発見に関係している:
● 循環中に一般的に形成される電解質と陽極との間の抵抗性インターフェースは逆転され、サイクル寿命を延長し、そして
● 有機性陽極の柔軟性は充放電中に膨張・収縮する陽極でも固体電解質との界面で緊密な接触を維持させる。
ヒューストン大学電子コンピューター技術の准教授で論文の通信著者であるYan Yaoは、-PTOとして知られている-有機性陽極は前の無機性陽極に優る独特の利点を提供している、と言った。しかし、基本となる原理は同様に重要である、と彼は言った。
“陽極と電解質との間に形成される抵抗性インターフェースは逆転させられることを我々は初めて発見した。そのことは安定性と長い充放電サイクルに寄与する”とYaoは言った。Yaoはヒューストン大学の超伝導テキサスセンターの主任研究者でもある。彼の研究グループはエネルギー貯蔵・放出用の環境に優しい持続性の有機材に焦点を置いている。
ヒューストン大学電子コンピューター技術の研究准教授であるYanliang“Leonard”Liangは、インターフェースの可逆性が鍵で、充放電サイクル寿命を犠牲にしないでより高いエネルギー密度に達する固体電池を可能にすると言った。通常、抵抗性陽極?電解質インターフェースが形成されると、エネルギーを貯蔵する固体電池の能力は停止される;抵抗性は充放電中にエネルギー密度を高く保持させるようにすることを逆転させる、と彼は言った。
液体電解質のリチウム・イオン電池は比較的多くのエネルギー量を蓄えられ、携帯電話から補聴器まで近代生活の装置に蓄電するために一般的に使われている。しかし、発火や爆発の危険性は他の種類の電池に関心を高く持たせ、固体ナトリウム・イオン電池が低コストで安定性を増加させる約束を提供している。
Yaoのグループでポスドクの研究者であるXiaowei Chiは、リチウム・イオン電池使われている液体電解質と同程度の伝導性がある固体電解質を発見することが鍵となる挑戦である、と言った。現在では十分に伝導性のある固体電解質が利用でき、残っている挑戦は固体インターフェースである。
固体電解質で生じている1つの問題:後に膨張し電池の充放電中に収縮する従来の硬い陽極と親密な接触を維持するための電解質の開発に奮闘している。YaoのグループでPhD学生として働いているFang Haoは、有機性陽極はより柔軟性で、したがって、インターフェースとの接触を維持でき、充放電寿命を改善する。少なくとも200回の充放電で接触は安定的に維持できると研究者達は言った。
“電極と電解質との間で信頼できる接触を持てれば、高性能の固体電池を作り出せる大きなチャンスを持てる、”とHaoは言った。
Yaoに加えて、著者らは全てヒューストン大学のHaoとChi、Liang、Ye ZhangとHui Dong;パデュー大学のRong XuとKejie Zhao;そしてライス大学のHua Guo, Tanguy TerlierとJun Louを共著者に含めている。この研究の大部分は米国エネルギー省の先進研究プロジェクト庁-エネルギーにより財政支援を受けた。