戻る

塩論争で誰が正しいのか?

Who’s Right in the Salt Debate?

By Michael Greger

NutritionFacts.org より  2018.01.18

 

 何十年間にしばしばすさまじい論争が、塩摂取量の増加が死に寄与する程度を巡って科学者達の間で続けられてきた。一つの陣営は塩の摂り過ぎが“精力的な攻勢を要求する公衆保健の危機”であると言っているし、他の陣営は過剰な塩摂取量の危険性は誇張されていると主張している。減塩を“予防医学の歴史で最大の思い違い”とまで言っている。他の側は、特に毎年数百万人の命が危うい時に、この減塩の否定主義は倫理的に無責任であると言っている。

 しかし、論争の両側を述べることは偽の同意義の罠に陥るかもしれない。超一流のように聞こえる“世界高血圧同盟”が指摘しているように、減塩は命を救うと言う強い科学的同意があり、気象変化の論争のようにほとんどの権威者達は片側に位置している。他の側は?減塩運動に影響を受けた産業、業界が雇っているコンサルタント、数少ない異議を唱えている科学者達だけである。

 まき散らしている疑惑:塩疑惑を割り引いて考えようで私が議論したように、ほぼ全ての政府が団体や栄養専門家達を指名した。我々は一括して塩摂取量を約半分に減らすことを勧めて来た証拠を彼等は考えてきた。業界を擁護している人々はその減塩を極端であると言った。結局、ほんの僅かなアメリカ人だけが実際に減塩している。従って塩懐疑論者達は、非常に低い塩摂取量を経験した人は“極端に少ない”。

 極端に少ない?実態は全く反対である。チートスや塩振り出し器がなくて人は数百万年も生活してきた経験がある。我々は塩を保持するように進化してきたので、スナック食品やケンタッキー・フライドチキンのある世界に置かれたとき、我々は高血圧を発症させる。しかし、塩を摂取しないで数百万年間も暮らしてきたように自然の食べ物にある少量の塩だけを摂取している僅かに生き残っている民族で、主要な死亡危険因子である高血圧は実質的に存在しない。高血圧のない世界に人々を連れて行き、人が食べるように設計された塩摂取量まで減塩させると、疾患による損害は逆転させられるかもしれない。だからまだ論争があるのだろうか?

 食品中に隠れている塩が世界中で数百万人の人々を殺すとすれば、どうして減塩努力がそのような厳しい抵抗に会うのか?塩は加工食品や肉産業にとって大きなビジネスである。したがって、WHOの栄養に関する共同センター長によると、我々はお馴染みの物語に行きつく。ちょうどタバコ産業が疑いを捏造し社会を混乱させようと努力して数十年間を過ごしてきたように、塩産業も同じことをしているが、論争はいかさまである。減塩についての証拠は明らかで首尾一貫している。“矛盾した研究”のほとんどは塩産業と関係のある科学者達から来ている。しかし、逃げ口上を見抜くには技術を要する。業界は舞台裏に隠れて、危険性を控えめに述べるように設計された研究について密かに支払うよう十分に悪賢いからである。彼等が行わなければならない全てのことは、いわゆる論争が生き続けられる十分な疑惑を作り出すことである。

 世界高血圧同盟と同種類の機関は“塩産業の兵器級武器に対して単なるコルク玉鉄砲”と言われてきた。塩産業は“空想的保健改善機関…利益に通ずる道に障害物を置く機関”と軽蔑して見ている。我々は忘れないようにカナダ医学協会誌の巻頭言に述べた。高血圧は製薬業界でもビッグ・ビジネスで、数十億人の高血圧者は減塩すべきと脅かされているかもしれない。塩を無くし高血圧症を無くしても、大手製薬会社は悩まないが、医者はどうであろうか?医者が成人を診断する第一は高血圧で、年間約4千万人が医者に行くので、多分、BMW業界でさえも塩論争が生き続けることで利益が出るかもしれない。