塩科学の研究は対立している
Science on Salt Is Polarized, Study Finds
MedicalXpress February 17, 2016
塩辛い食事の健康効果に関する科学論文やコメントを解析すると、人口全体の減塩は良い健康とする仮説を支持する人々と支持しない人々との間で分かれている。全体の割合では、54%が仮説を支持し、33%が支持しなくて、13%がどちらでもなかった。
国際疫学雑誌の新しい論文の共著者は3人である(詳細は省略)。
研究者達は1979年から2014年までに発表された269件の学術的な報告を総合的にレビューした。それらには一次研究、メタアナリシス、臨床ガイドライン、コンセンサス声明、コメント、手紙、報告のレビューがある。その資料が減塩と心疾患、脳卒中、死亡の比率低下との間の関係を支持しているか、異議を唱えているかに従ってそれぞれが分類された。報告書の半分以上は2011年以後に発表され、コンセンサスに至らなくても、疑問への関心度は増加していることを示唆していた。
仮説のいずれ側の報告書も、異なった結論を引き出している報告書を引用するよりも同様の結論を引き出している報告書をより多く引用し勝ちであることを引用解析は明らかにした。文献を支配しているのは賛否について強いエビデンスを提供している僅かな数の影響力のある報告書であった。
“ほとんど明確な二つの学派があった。人口全体の減塩は臨床結果を改善すると言う主張を支持する学派と支持しない学派である。両学派間で明らかな共同研究はほとんどなく、視点を分け合っている他の研究者達を引用しがちな2,3の多くの論文を書く著者らによって両学派は活動している。”とジョーンズは言う。
“我々は研究の財政的な偏向には全く注意を払っていない。しかし、新しいデータが利用できるようになった時でも、長年の信念が、我々が尋ねる疑問や我々が発表する結果を偏向させることにはあまり注意を払わない。”とゲイリアは言う。
総合的なレビューの解析は一次研究の選択でほとんど一致を示さなかった。一次研究がレビューで選ばれれば、別のレビューが同じ研究を選ぶチャンスは1/3以下になった。結果はエビデンスとして採用すべきことについて不確実性や不一致を指摘している、と著者らは主張する。さらに、一次的なエビデンスとしてどちらの研究を引用するかについての選択は総合的なレビューの結論に直接的に影響を及ぼした。
それでも塩を巡る科学的な論争が続きながら、地方から世界レベルまで公衆保健当局は減塩政策を制定してきた。WHOのガイドラインは塩摂取量を制限することを勧めている。2015年12月に、ニューヨーク市は高いナトリウム含有量の食事を表示するようにチェーン・レストランに要求したアメリカで最初の都市となった。
“政策決定者は矛盾した不確実なエビデンスに直面している中で行動を選ばなければならない。不確実性の誤用や確実性の誇張は両方とも公衆保健政策決定過程の結果を定める可能性がある。”とトリンコートは言う。
研究で使われた引用解析法は学術研究論文と著者との関係を理解する新しい方法を提案している、と著者は言う。将来、同じ方法があらかた一致をみている話題と同様、喫煙のような論争中の問題を含めた他の話題にも適用される。