新しい固体ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池に変えられる
新しい研究は新しい高性能で安全な電池を示している
New Solid-State Sodium-Ion Batteries Could Replace Lithium-Ion
By Jessica Miley
https://interestingengineering.comより 2019.04.23
スマホから電気自動車まで我々の技術の多くはエネルギーをリチウム・イオン電池に依存している。これらの一般的な電池は多くの利点があるが、火災や爆発の危険性もある。固体ナトリウム・イオン電池ははるかに安全であるが、安全性の利点を相殺する性能はとても示せない。
これらは全てヒューストン大学の科学者達による研究のお陰で変化し始めている。電子コンピューター技術の准教授である主席研究者Yan Yaoは、固体ナトリウム・イオン電池の安定性とエネルギー密度の両方を劇的に改善する有機性陽極の開発を概説するJoule誌に論文を書いた。
可逆性が鍵
一般的なリチウム・イオン電池は高エネルギー量を蓄えられる液体電解質を持っている。固体ナトリウム・イオン電池は同じ量のエネルギーを一般的に発生できない固体電解質コアを持っている。しかし、最近の研究はリチウム・イオン電池で使われている液体電解質と同じように伝導性である固体電解質を発表した。
高効率固体ナトリウム・イオン電池を成功させるための最後の挑戦は固体インターフェースを発見することであった。研究はこの問題に関係した2つの大きな結果をもたらした。第一は:“電解質と一般的に充放電中に形態が逆転する陽極との間の抵抗性インターフェースであり、充放電寿命を延長する。”第二は:“充放電中に陽極が膨張・収縮しても、有機性陽極の柔軟性は固体電解質とのインターフェースで密接な接触を維持できるようにする。”
安定で一層強力
ピレン-4,5,9,10-テトラオン(PTO)として知られている有機性陽極は前の無機性陽極に優る多くの利点を持っている。“陽極と電解質との間で形成される抵抗性インターフェースは逆転させられることを我々は最初に発見した。そのことは安定性と充電サイクルの寿命延長に寄与できる”とYaoは言った。
Yaoはヒューストン大学超伝導性テキサスセンターの主任研究者でもある。彼の研究グループはエネルギー発生と貯蔵用の環境に優しく持続的な有機材に焦点を置いている。インターフェースの可逆性は新しい電池の鍵となる差異である。この機敏性はサイクル寿命を犠牲にしないで固体電池が高エネルギー密度に達することを可能にしている。
陽極が電池のサイクル中に膨潤・収縮するとき、電解質と硬い陽極との間で緊密な接触を維持することが過去においては問題であった。しかし、新しい研究は、有機性陽極がこの問題を解決できたことを示している。
有機性陽極は非常に軟らかく、サイクル寿命を改善するインターフェースと何時でも接触を維持できる。少なくとも200回まで接触は安定して維持できると研究者達は言った。“電極と電解質との間に信頼性のある接触を持てれば、高性能固体電池を作り出せる大きなチャンスがある、”と博士課程の学生でYaoチームの一員であるFang Haoは言った。